【全選手紹介】2023WBCキューバ代表 選手名鑑 〜投手編〜

本日1月26日、2023年のWBCを戦うキューバ代表のメンバーが発表されました。今回のキューバ代表チームには歴史的な決定があり、ついに亡命した現役メジャーリーガーの招集がOKとなった為、国内組と国外組の融合で世界一へ臨みます。
そんな中でNPBを経験した日本のファンに馴染み深い選手も多数選出されており、代表全選手30人のうち、なんと1/3となる10人が日本プロ野球を経験した選手。特にロドリゲス(中日)、モイネロ(ソフトバンク)、R.マルティネス(中日)のNPBで圧倒的な成績を残す投手達の継投はかなりの注目を浴びることになるでしょう。

キューバ代表はAグループで、侍ジャパンはBグループである為、対戦する可能性があるとすれば準々決勝以降。Aグループは他国も強力なメンバーがひしめきますが、ロベルト、モンカダらMLB選手も参加する打線やモイネロやマルティネスら強力なリリーフ陣はキューバが進出すれば日本にとっても手強い相手になります。
そんなキューバ代表のメンバーを一人でも多くの方に知っていただくために、選手ごとの成績や特徴などを今回まとめてみました。かなり長くなりますので投手と野手に分けて紹介し、今回は投手編になっております。

投手(14人)

ナイケル・クルーズ 背番号21

左投げ左打ち 23歳 183cm 83kg
2022成績(MEX) 7登 0-2 11.0回 7K 防9.82
U-23W杯のキューバ代表ではエースを務めた今大会キューバ代表最年少投手。昨季はMEXで打ち込まれるも、国際大会の通算成績は8登板 29.1回 41K 防2.43 奪三振率12.58と圧倒的。
力強いストレートと大きなカーブが武器の左腕としてモイネロとも重なる部分があり、将来的にNPB入りも視野に入る若手注目株。

フランク・アルバレス 背番号22

右投げ右打ち 24歳 192cm 92kg
2022成績(NPB二軍) 7登 0-0 8.0回 8K 防3.38
昨季から中日の育成選手としてプレーする長身のサイドスロー右腕。日本では一軍登板はなく、二軍でも7登板のみだったが、昨年11月に行われたU-23W杯での2登 4.2回 0安打 5K 防0.00の活躍も評価され代表入りを果たした。
日本での最速は149km/hも、W杯で150km/h超を計測し、高いポテンシャルを誇るNEXTライデル。

ジャリエル・ロドリゲス 背番号29

右投げ右打ち 25歳 186cm 97kg
2022成績(NPB) 56登 6-2 54.2回 60K 防1.15
昨季セリーグの最優秀中継ぎを獲得した中日が誇る球界最高峰のリリーバー。ストレートの平均球速154.4km/hは2022年セリーグ最速であり、被打率0割台のスライダーも武器に、年間被本塁打0 後半戦防御率0.00などの驚異的な成績を記録した。
2021年までは主に先発に務めており、今回のキューバ代表では先発起用も噂されている。

ミゲル・ロメロ 背番号45

右投げ右打ち 28歳 183cm 91kg
2022成績(PCL) 38登 2-1 53.1回 52K 防7.76
アスレチックスのマイナーに在籍する亡命済みの速球派右腕。MLB経験こそないが、ストレートは常時150km/h台で最高球速は157.6km/hを誇る。
3A通算で111登板とマイナー経験豊富で、19年には72.2回で防御率3点台と一定の成績を残した。先発、中継ぎの両方を務めており、代表では先発と中継ぎの両睨みで起用か。

エリアン・レイバ 背番号53

右投げ右打ち 32歳 188cm 95kg
2022成績(MEX) 14登 5-6 71.2回 69K 防4.65
5カ国のリーグを渡り歩き、合計で246登板 728投球回をこなしている経験豊富な右腕。
亡命済みの投手で、昨季は超打高MEXで先発として一定の成果を残した。オフのメキシコWLでは7勝 防御率2.44と好投し、イニングを上回る奪三振数も記録。近年は毎年先発を務めている為、今回の代表でも先発起用が予想される。

ロエニス・エリアス 背番号55

左投げ左打ち 34歳 185cm 93kg
2022成績(MLB) 7登 0-0 7.2回 6K 防3.52
MLB通算133登板を誇り、今大会のキューバ代表でエース候補として期待されるサウスポー。
2014年にMLBで規定投球回+二桁勝利を達成し、昨季は3年ぶりにメジャーでの登板を果たした。
特筆すべきはオフのドミニカWLでの活躍で、PO含め11先発 7-1 防1.13という圧倒的な成績を残した。MLBで昨季ストレート平均球速150.5km/h。

ロナルド・ボラニョス 背番号57

右投げ右打ち 26歳 188cm 104kg
2022成績(MLB) 8登 0-0 18.1回 12K 防4.42
投手陣では2人のみの現役メジャーリーガーとして期待される好投手で、平均150km/h超の真っ直ぐを投じ、各リーグで先発とリリーフ両方を経験している貴重なスイングマン。
オフはドミニカWLでも9先発 防御率3.53という活躍を見せ、ストレート、スライダー、カーブ、チェンジアップをバランスよく投じるスタイル。

ヨアンニ・イエラ 背番号58

左投げ左打ち 33歳 170cm 73kg
2022成績(MEX) 17登 8-2 86.2回 88K 防3.01前回大会もキューバ投手陣を引っ張ったキューバ球界の小さな大巨人。昨季は超打高のMEXでリーグトップクラスの成績をマークした。
常時140km/h台中盤の真っ直ぐと多彩な変化球を武器にキューバリーグ通算98勝を誇る。
既に長年ナショナルチームを支えるレジェンドであり、今大会も先発陣の柱の一人となる。

ホセ・ロドリゲス 背番号82

右投げ 右打ち 30歳 188cm 87kg
2022成績(LEBC) 7登 2-2 43.1回 20K 防2.91
今大会の代表では珍しいキューバ国内のみでプレーする技巧派右腕。前回大会も出場こそならなかったがWBC代表で入れ替え枠に入っており、昨年は国内リーグで11勝3敗、今季も7先発で防御率2点台と安定した成績を残し続けている。
国内リーグの所属チームであるカマグエイで以前までロドリゲス(中日)とWエースを形成していた。

カルロス・ビエラ 背番号83

右投げ 右打ち 34歳 193cm 120kg
2022成績(MEX) 21登 4-7 86.2回 48K 防6.33
プレミア12や五輪予選などで代表経験も豊富な巨漢ベテラン右腕。この体格ながら手元で動くボールでゴロを打たせる投球が持ち味で、安定したゲームメイクをするタイプである。
ここ数年はWLも含めると4年連続で100イニングをクリアしているが、抑えなどの起用経験もある為、代表ではあらゆる場面で重宝されそうだ。

リバン・モイネロ 背番号89

左投げ右打ち 27歳 178cm 69kg
2022成績(NPB) 53登 1-1 52.2回 87K 防1.03
日本でその名を轟かせる球界最強リリーフ左腕。最速158km/hのストレートは球界No.1の空振り率を誇り、魔球カーブやスライダー、チェンジアップとのコンビネーションで昨季奪三振率14.87という驚異的な数値を記録した。昨季は日本で抑えを務めたが、代表では抑えのR.マルティネスへ繋ぐセットアッパーとしての起用が予想される。

イェウディス・レイエス 背番号91

右投げ右打ち 27歳 178cm 69kg
2022成績(LEBC) 13登 1-2 17.0回 15K 防0.53
細身ながらも今季キューバ国内エリートリーグで圧倒的な成績を残した右腕リリーフ候補。
昨年バハマで行われたカリビアンベースボールカップでも最優秀リリーフ投手としてオールスターチームに選ばれるなど、特に近年の成長が著しい。今代表では最も情報の少ない投手なので、秘密兵器として世界を相手に活躍したい。

ライデル・マルティネス 背番号92

右投げ左打ち 26歳 193cm 93kg
2022成績(NPB) 56登 4-3 55.2回 62K 防0.97
NPBファンお馴染みの12球団最強クラスのクローザー右腕。最速161km/h 平均154.1km/hのストレートを制球良く投げ込み、鋭い変化球とのコンビネーションで相手打者を制圧する。
昨季はNPB史上3人目、助っ人外国人では史上初の防御率0点台でのセーブ王を獲得。キューバ代表でもクローザーとしての起用が予想される。

オネルキ・ガルシア 背番号98

左投げ左打ち 33歳 190cm 104kg
2022成績(MEX) 6登 1-0 24.1回 7K 防7.03
かつて中日、阪神に在籍し、3年間NPBでプレーした先発左腕。2018年中日ではいずれもチームトップの13勝 防御率2.99とエース級の活躍を見せた。その後数年間公式戦での登板は無かったが、昨季はMEX、オフにはドミニカWL、メキシコWLでプレー。左腕から繰り出すツーシームやスライダー、森繁和氏直伝チェンジアップを武器とする。

投手陣はMLB経験者こそ3名ですが、Y.ロドリゲスやモイネロ、R.マルティネスなど将来的にメジャー契約が視野に入る選手も複数おり、全体的に前回大会と比べ選手層が厚くなっているのは確か。リリーフ陣を筆頭にかなり楽しみなメンバーが揃ったのではないかと思います。
モンカダ、ロベルトなどの大リーガーやデスパイネ、グラシアルなどNPB経験者も代表入りした野手編は近日アップします。ここまでお読みいただきありがとうございました。