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劇団そとばこまち第118回公演『のうみん〜三人の天草四郎〜』

2019年10月11日(金)〜14日(月・祝)近鉄アート館

※日記と感想が混ざっております。読み辛くて申し訳ありませんが、臨場感を感じていただければ。後、当然ながらある程度のネタバレが含まれます。

11日ソワレ

本来は12日のマチネのチケットを取っていたのですが、台風接近ということであるのかないのか心配過ぎて仕事終わったその足で気付いたらアート館へ(笑)入りたいなどうしようかなとしていたら、キャンセル分があるということで観ることにしたんですがその時点でめちゃ良席でヤバい!となっていたところに、友達が一緒に観るはずだった友達が来れなくなって空席になってしまうということでなんと最前列で観ることになりました。明日雨の中持ち帰るのもと思い、グッズや福袋も購入しました。

A(下手側)最前列。近過ぎるヤバい近過ぎるヤバい。毎回1回目は話をちゃんと頭に入れようとなるべくフラットな気持ちで観るようにしてますが、OPの時点でこれはもう無理やなキャパオーバーやと深呼吸。圧倒されまくりです。

普通の農民達が一揆に参加することによって、攻撃を加えられることで死ぬかもしれないという状況になり、戦いのプロである幕府軍と対峙するという怖さ。その農民達を先導していく侍達の本当の思惑。幕府側もそれを意識して潰そうとする。圧政をして一揆の元凶を作った藩主・松倉勝家(高井俊彦さん)と奥方(和泉さん)。深呼吸したお陰で、俯瞰的には観れました。

後、噂(?)になっていた飢饉ダンスを含む長老(オオサワシンヤさん)と農民達のワチャワチャ楽しいシーン、最新式の雨乞いとか。それこそ例の網タイツとか(笑)面白さだけじゃなくで、成る程なという伏線的もちゃんとあって。

そして、山田右衛門作(田中尚樹さん)は一体どういう感情でここに居るのかということ。ここをしっかり考えていきたいなと思いました。右衛門作、お前が!?という覚悟を決めた姿を知っていたはずなのに、あぁそういうことだったのかと初めて理解出来た瞬間がありました。

登場人物が多過ぎて目が足りない。細かく観るのは諦めて、ただ流れを受け止めて自然に感じるものを感じました。花鳥風月が流れる対決シーンから、楓(彩羽真矢さん)の歌で涙が溢れて身体が震えだす。あっという間でした。

予定外でしたが、入って良かったです。回数観た方が楽しめる作品だったと振り返ると思います。

万が一と思って持って行っていた、高井俊彦さんと樋口みどりこちゃんのイラストも手渡しすることが出来ました。みどりこちゃんには下絵を見ていただいたんですが、ナデナデしてくださったんですよー!大事にしますー!!お母様もTwitterでイラスト見て下さったとのことで、感動と興奮が抑えられませんでした…ハアハア。田中尚樹さんにはお写真撮らせていただけました。「今日の田中ってあげますので」とか言いながら、この日以外は結局まとめてあげたんですが(苦笑)

明日のことを色々心配しながら帰宅。パンフレット読んで色々考察…

12日マチネ

翌日、中々に風がキツイ。出てすぐに傘がひっくり返るぐらい。でも大阪は大丈夫そう。前日のうちに公演はあるとのアナウンスもありました。

グッズというか、ブロマイドの追加購入。全7種揃いました!ダブりました!!(笑)台風のせいでシフトが変更になり、その足で仕事になってしまったので大きいものを昨日買っておいて正解でした。休みが潰れて悲しみ。しかし、舞台は全力で楽しむ!!

この日は正面のBでセンター寄り。全体がしっかり観れます。話の流れは前日のステキネ(上映会のようなもの)と11日で入ってるはず…どの席で観ても楽しめるのがそとばこまちのエンターテイメント時代劇ですが、やはり正面は格別でした。

ダンス、侍、忍、数だけではなくバランスの良さ、各自のスキルの高さ。魅せるだけではなく、本物でなければいけない部分の手抜きのなさ。特にダンスは映画ではどうなるのか楽しみなところです。

そしてなによりも、『ゆきむら』で家康を演じたミサイルマンの岩部彰さんが家光を演じる回です!!これが1番楽しみだったと言っても過言ではありません。あー、血が繋がってる!あの人の孫なんだ。と納得するしかない、目力や立ち振る舞い。もう凄かった。なのに、お遊びシーンはめちゃくちゃ面白くて岩部さんらしくて笑い過ぎて。説得力ある演技ってこういうことなんだろうなと思いました。

談合島でのシーン、松倉夫妻のやり取り、信綱(西村頼子さん)の存在感、少し遠くからの方がビンビンに感じられてよりそれぞれの立場や考え方を理解出来ました。

特に農民1人1人の心の動きが観て取れてそれぞれの生き様を想う。

話し合いに来た信綱を農民達が見つけて、「切れ!殺せ!!」となるシーン。武蔵(新谷佳士さん)が刃を返してからと、戻してからの殺陣。腹の本当に紙一重のところで止まる刃。本気には本気で返す。信綱を通して(そのまま帰して)やってくれという鈴(南園みちなさん)の言葉に、悔しくて仕方がないが従う農民。ここのキッカケの鈴の台詞がとっても好きなので、これは是非映画で観て欲しい…!悔しい悔しい泣き崩れる。私はやる!と襲いかかろうとした女を抱き締めてなだめる男も勿論悔しくて…私も唇を噛み締めながら泣きました。

安原村のみんなと合流して帰る帰らないのシーン。お琴さんが鈴を抱き締めて説得するんですが、ここがもう福山俊朗さんのお琴さんだからこその切なさというか。フワフワの髪の毛も鈴を抱き締める腕も指先も震える脚も、もう堪らなくて。明るい様子に隠れてるけど心に何かを抱えて戦ってるんだ…!と胸を締め付けられて、そこからの長老とのシーン…泣かない訳がない。

途中板倉(くぼたゆういちさん)に松倉が「ご自身が原因なのだから向かっていけ!」みたいなこと言われるんですが、段々と前に向かってるはずなのに進めてない向かって行きたくない未練がましい雰囲気が出て来て、こいつホンマさっさとやられてまえ!!みたいな怒りが湧いてくるんですが、そこは右衛門作とのシーンでそうじゃないって思えます。ここは正面から観たかったから、感無量でした…

カーテンコール恒例のダメ出しは、和泉さんへとかつらのサイズ感についてでした(笑)

焦りながらも高井さんの衣装での悪い顔のお写真撮れて嬉しかったな。1人仕事に向かう虚しさったらなかった…お店暇だったし…

大千穐楽に向けて1日空くししっかり観たいところ整理して、13日はお仕事頑張りました。

14日大千穐楽

お手紙を書いていたらすっかり明け方に(苦笑)みどりこちゃんの鏡前に四郎のイラストが置いてあるという嬉しいツイートにテンション上がりつつ徹夜する訳にはいかないので一旦寝ました。

まあまあ寝れましたがテンションは上がったまま。ランチの後でアート館の上の階で行われていた大北海道展に突撃しまして、黒ビールとジェラートを食べました。最高に美味しかった〜!!公演中に友達も何人か行ってたみたいで、何買ったの?食べたの?なんて盛り上がりました。

劇場ロビーの物販で、なんと岩部さんのお母様に偶然遭遇しました。買ったばかりのパンフレットを広げて「これ息子なんです」って見せて下さって。12日のとき、母が来ると話してらっしゃったな…と思い出す。お母様はどんな感想だったのかな…あんな息子誇らしいよなぁ…素晴らしい。

とうとう終わりか…でも映画に繋がるんやね、なんて話しつつ。御縁があって貴重なものを譲っていただいたり、本当にありがとうございました。

この日もA最前列。11日よりは舞台の前よりです。転がる右衛門作が目の前(笑)この席でしか観れない、近さを楽しみました。マイクを通さない生声もしっかり聞こえるんです。感情が高ぶって震えているのも、細かな目の動きも。先に観た2回とは明らかに違う、これで最後だという全力が伝わってきます。これは別物だ、この回は特別なものになる!熱さに負けないようにしっかり食いついて観ないと!!

Twitterで色んな方の感想を読んでいたので、皆さんこんなところに注目したんだなと参考にしたり。宮本伊織役の長野佑くんの殺陣が速さとともに重さも加わってて、EDのときは正反対だったので背中だったんですがクルクルと華麗に舞っていて(武蔵と左右対称になっていたはず)、凄い成長振りを見せ付けられました。わー、あんなん出来るん?めちゃくちゃ凄いやん!!と友達とも盛り上がりました。

大千穐楽は…もう色んなことがあり過ぎました。とにかくアドリブが盛り沢山。勝家が腹を切ろうとするシーンの細かいところとか、家光の登場が歌わないのは12日もそうだったんですが、小姓への大喜利を受けるまでやり続けるとか(細田柊真くん頑張ってた!)、楓と四郎(樋口みどりこちゃん)が畑を耕すシーンの手がビリビリする〜っていうのがゴッソリ変わってて何故かQueenを熱唱したりとか、まぁ皆さん結構遊んで笑わせにかかってて、シリアスなシーンとのギャップが凄くて若干感情が追いつかない(笑)

千穐楽への意気込みがガチガチに固い感じではなく、みんなでいいものを作るぞ!みんなで楽しむぞ!!という風に感じられてなんだか嬉しかったなぁ。

私、鈴が長老のことを「ジジィ!」って呼ぶのが大好きでイントネーション?ニュアンス?そんなのも含めて。別れのシーンは鈴の表情が14日はほぼ背中で見ることが出来なかったんですが、長老は目の前で。ワシは残って戦うと話すジジィが、感情を押し殺して悟られないようにと…耐えて小さく震えてるのを見た日にゃもう。くしゃくしゃに笑った長老の顔が鈴とそっくりに私は見えました。2人は親子でした、間違いなく。

船の上からみんなの名前を叫ぶ鈴。ごめん、ありがとう、後は任せた、私は必ずみんなを守ってみせる…でも戦ってみんなと死にたかった…色んな思いが今までで1番流れ込んできました。

ここから戦が激しくなっていきますが、四郎の静かで凛とした何というかこの世のものではない、まさに【救世主】であるということが際立つ様子はそこだけ異空間のようで、結末のパチンとパズルの最後のピースがはまったときのような気持ち良さに繋がります。気持ち良いだけではないんですが…。

右衛門作が「義理とか人情とか嫌い」なのは、生い立ちが関係していると思いました。トラウマにも近いのかもしれない。右衛門作は孤児になって生きるか死ぬかのところを助けられます。でもそれによって、本音を晒したり心の中を見せるような深い付き合いが出来ない大人に成長します。弱みを見せられない、見せることが怖い、物事を冷静に見てるといいつつ実は斜めに見ることで、自分の1番弱いところを守ってきたんです。それが鈴の生い立ちを知り、その義理を背負い自分の義理を果たす覚悟をした…。まぁ、私の想像でしかないのですが。(念の為に書いておくと、これはYouTube見る前に固まってた見解です。)

ED、もう号泣でした。客席はみんな泣いてた。そとばこまちのOPとEDは観ないと分からない素晴らしさがあるんですが、今回のEDは様式的なものではなく、今まで以上になくてはならないもののように感じられました。

本当はもっと一人一人について書きたいところですがちょっと難しいので、別の記事であらすじやキャラクター紹介やなんやらを付けたそうとこの記事を書きながら決めました。良かったらそちらの更新をお待ち下さい。

ここから先大千穐楽のカーテンコールについて綴っていたのですが、余りにも長くなってしまったので別にすることにします。多分しれっとこちらは上げるので気付いた方は読んで下さいm(_ _)mと思ったけど、やめます!なんか違う感じがする。これは心の中に残しておきますね。

締まりが悪くなってしまったーしかしこれもリアルな感想ということで。





楽しんでいただけて嬉しいです(*^ω^*)ありがとうございます!