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秩序による支配【幽霊船日記】

・ゲームを衝動買いした。"A Little to the Left"ってゲーム。教材買いそろえたり歯医者の治療だったりで今月は厳しいってのによ。「片手間にできる落ち着いたゲームをしたい」ってことでつい。マインスイーパーバリアントやペンパはね、おもしろいし無料だけどさ、代り映えしないっていうか……

・ゲームの内容は至ってシンプル。「なんかいい感じにものを動かす」ってだけ。たとえば鉛筆を長い順に並び変えるだとか、ビンの面をそろえるだとか。片付けをするゲームと思ってもらえばいい。アクション要素はない、制限時間もない、「失敗」することはない。なんて優しいゲームなんだ。雰囲気はおしゃれだし、ねこは可愛いし、音楽は落ち着くし。おすすめです。

・ただ、ちょっと。このゲームは指示がほぼないため「察する力」を多分に求められる。言葉にできない「なんかきもちいい秩序」を要求されるので普遍的な共感力が無いと難しいかも。なんて優しいゲームなんだ(血涙)。まあ私にも全編ノーヒント完全クリアできたので気にしなくていいよ。あと判定がシビアなとこもあるから、詰まったら配置を微調整するのもいいかもね。

・場を支配する秩序、たとえばツイッターで短い文をつぶやいたら、二文字だけ改行されちゃったときの気持ち悪さとか。あれな、なんとかしてくれないかな。スマホだと文字を打ち込むときの行と実際にタイムラインに表示される行が異なるので、事前に改行のチェックができないのが悲しい。プレビューさせてくれ。こういう微妙なことが気になる。

・へやわけの手筋を調べてたら「ペナルティ理論」なるものを見つけた。ナニコレ。解説ツイート全文読んでとりあえず理解はできたけども、応用できるかといったら無理。まず10*10以外では使えない。次に仮置き前提の詰めがある。そして一番問題なのが、数えるのがだるいってこと。やめて。私の指は10本しかないの。つぶらな目玉は二つしかないの。余裕で20超えないで。

・友人とciv6っていう史実をもとにした文明発展ゲームをよくするんですけど、その途中インカ帝国と取引して成立した時「インカはこれを認める」みたいなテキストが表示されたんですよね。前置きが長くないか。それで、これって駄洒落だね、って言ったらスルーされた。「允可(いんか)」って熟語がありまして、許可とほぼ同じ意味なんですよ。だからね、解説もしたのにね、無視されました。そりゃそう。みなさんがインカ帝国になる機会があったら、あまり認めないほうがいいですよ。だじゃれ事故が発生するので。

・「ジョークの解説はカエルの解剖に似ている。理解は深まるがカエルは死んでしまう」。よく耳にするんですが的を得ていますよね。このジョークがなりたつうえで必要な前提知識、そしてそれがどのように作用して面白さを生み出しているのか、そんなことをつまびらかに解説するとネタは殺されてしまうっていうあるあるネタを皮肉った格言。上の允可とインカの話では「解説までしたらしつこくておもしろいのでは」ってことであえて解説したけど、あるあるネタの壁を超えることはできませんでした(そもそものジョークがつまらない)。

・この格言、あくまであるあるネタであって、「ジョークの解説はなぜつまらないのか」を説明してるわけではないのよね。本質を突いた言葉のように思えるが、その実「事象の説明」にとどまっておりまだ具体的な段階にあるのだ。これが引用される時(同じシチュエーションに陥るとオタクはきまってコレを引用する)、さも自分は分かってますよ、と俯瞰した態度でドヤ顔するのは間違っている。この言葉は戒めであり、自嘲的に言うのが最も合っているのだ。

・ジョークって揮発性なので。鮮度が大事なので。思いついたらどんどん言っていきましょう。そうしないと脳の中で陳腐化して、我に返った自分が「なんてくだらないことを考えてるんだ!」と狂いそうになるから。投げキッスするナルキッソス、ナゲキッソス。

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