無限フール【幽霊船日記】

・今日は日記を書かないで寝るぞと意気込んでお布団にもぐりこんだが、寝付けなかったので仕方なく書く。「日記を毎日書く」ことに束縛されて寝れなかったのではなく、単純に生活リズムが終わっているだけだ。休日になるたびに昼夜のねじがずれていくのはいかがなものなのか。どうなってるんだ?

・どこで見たかは忘れたが、「洞窟にもぐって太陽と時計の無い環境に長期間滞在すると、体内時計はどれくらいずれるか」という実験を見かけた。結果、人間君が刻む時計の「一日」は23時間45分くらいなんだとか。実際より短いんだってね。サーカディアンリズムだとかいうけども、太陽は実際時計のねじを調律するのに重要な役割がある。「早起きのコツは朝起きてまずカーテンを開けること!」とか見かけるもんね。できるわけねぇだろ。

・重音テトの勢いが全く衰えていない。重音テトsvが発売開始したのって去年の四月だよね?すごいよ。ボカロ(狭義)ではないけどボカロ(広義)がまた大きく盛り上がりを見せている気がする。ボーカロイド衰退論が流行ったのってなんだったんだ。それも六年くらい前の話だけど。

ピー、データ更新中
ピーピー、データ更新中
ピーピーピー、データ更新中

乖離するゲンザイ

・私は同じ言葉を繰り返す表現に目がない。グーグルアカウントのニックネームを「それはそれは」にするくらいには好きだ。中学生のころにみたホラー漫画に「人を怒らせるには同じ言葉を繰り返し言えばいい」みたいなセリフがあった。それを見てから、私は繰り返し表現を人並み以上に評価するようになった気がする。普通、作品というものは必要もなく重複した部分が削除される。邪魔だし。私も消すし。だからこそ、繰り返されている表現は作者が何か伝えたいことがあるというヒントとなる。これあれだな、英語の長文読解のパラフレーズの話みたいだ。

・この歌詞は反復されながらも変化がある表現である。歌詞だけでは分からないが、最後のピーの入りだけが前に倒れている。二回目のデータ更新中から息をつく暇もなくピーが鳴り始める。追い立てられているようにデータを更新している。焦りだ。もう動かない人間に対して、もしかしたら返事が返ってくるかもしれないと声を賭け続けているような印象もある。途方もなくて、手ごたえがない。この行為を続けなければ自分というものを保てないから、目的がすり替わっているにもかかわらず繰り返さないといけない。そういう、繰り返し表現。

・乖離するゲンザイという曲はタイトルから分かるように、現実に置いていかれる存在の抵抗と諦観と羨望を歌った曲である。自分が過去の物にならないように必死に自分をアップデートし続ける。しかし自分は型落ちの存在(歌っているのはUTAUの重音テト)で、処理速度も最新型に追いつけていない。努力しなければ置いていかれる。現在が乖離していく。過去にはなりたくない、されど現在にもなれない。諦めれば楽なんだろうが、その決断がつけられないほどに臆病で怠惰だ。がむしゃらに今に食らいついたとしてもそれで失敗したら目も当てられない。きっといつかはこのレースから脱落するのだろう。しかし、その時に「ああ自分は頑張れたんだな」と言える程度には頑張ろう。保険を掛けるとうに、そこそこの力量で、運にまかせるように最低限のプライドをbetして、夢を見ながら狭間で生きている。そんな思いを勝手に受け取った。

・もし更新を諦めたらどうなるんだろう?と思って思い出したのがこの曲だ。遠くのものほど遠近法で動きが小さくなる。現実から乖離すればするほど、むしろ永遠になれるのかもしれない。どうなんだろう。

・うわ、最初の日記継続の話と絡めているみたいになって最悪だ。日記更新を現実のアップデートと組み合わせて「継続することが生きていくうえで肝心なのですね」とか、そんなこと言いたくない。意図してないです。こんな日記なんかに、ためになるようなこと書いたろうとか全く思っていない。やめてください。ふざけるなよ。

・再三言ってるけど、繰り返し表現は素敵だってことだけを伝えたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?