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Come back to life

明けましておめでとうございます!年内にもう1本記事あげようとしていたのに、ダラダラしてた…。

今年はとにかく、旅行に行きたい。特にヨーロッパは行きたいところがありすぎます!!!たくさんのものを見て吸収しまくる1年にしたいですね。

さて、予告していた通りゴスペルという音楽を自分なりに分析しようとしてここのところ構想を練り練りしていたのですが、昨日。渋谷の居酒屋で年を越しふわふわしていた私の脳みそに、衝撃的な言葉が飛び込んできました。


東京事変が再生(復活)する

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これが日本の音楽シーンにおいてどれほど衝撃的な出来事なのかは、おそらくnoteを見ていてもわかるのでしょう。きっと音楽ライター、熱い音楽ファンの方々がこの場を使って色々なことを書かれると思います。読んでないけど。私もまあその1人になろうとしているわけですね。しかし、私は特に専門的な知識やインプット量があるわけではありません。好き勝手なことを言うので、悪しからず…。

Twitterを見ていたら、林檎さんの大ファンで素敵な絵を描かれる方が「椎名林檎は人生 東京事変は青春」と呟かれていて、めちゃくちゃに共感しました。無論RTした。リア垢で。

そう、東京事変はまさに私の青春。ハマった時にはもう彼らは解散していましたが、当時中学生〜高校生だった私は必死にTSUTAYAへ通い、CDをダウンロードし、YouTubeで過去の映像やPVを漁りました。

きっかけはたまたまテレビでやっていたカラオケ番組です。夕食の前にすることもないのでぼんやりと画面を眺めていたら、もう名前も覚えていない芸人さんが、突然ものすごくかっこいい曲を歌い始めた。慌てて曲名を見たのを覚えています。

「歌舞伎町の女王」と名付けられたその曲は、怪しい半音階の旋律が実に印象的でタイトルとぴったりマッチしていました。これが、椎名林檎さんとの出会いです。その後貪るように彼女の音楽を聴きあさり、さらに「東京事変」というバンドを率いていたことを知り、どんどんのめり込んでいきました。

中高時代はむしろ、聴けば聴くほど林檎さんのソロより事変の曲が好きだったと思います。ものすごく言葉を選ばずいうと、そちらの方が明らかに「洗練されていた」からでしょう。

林檎さんのソロは時に、女の子の情念がとぐろを巻いている時の不穏さ、禍々しさを音楽性でもはっきりと示しているように感じます。うまく言えないんですけど。

今はその感覚に共感したり、自身の苦しみが昇華されていくような気持ちを覚えたり、むしろそれが最高にかっこよくて痺れたりしているのですが。当時の私にはなかなか理解できなかったのかなあ。

比べて事変の音楽はとにかく都会的で、クールで。実験的要素を含んでいたり支離滅裂っぽくても、ちゃんとものすごくかっこいいなあと子供ながらに思っていました。

シアトリカルなスケール感(とか言ってみる)のある曲でも、そこに生々しさ、血生臭さはないといいますか…。うーん。言葉にするの難しいですね。

メンバーそれぞれの個性がやはりしっかり活きていて、1曲1曲、デザイナーが細部までこだわったお洋服のような精巧さを感じさせます。

公私ともにパートナーである児玉裕一さんの映像作品も衝撃的でした。どこを取ってもセンス抜群で曲の雰囲気にぴったり寄り添い、伏線まで忍ばせる凝りっぷり。

当時映像制作に興味を持ち始めていたこともあり、毎日必ず東京事変のPVを夜チェックしていました。特に好きなのが「ハンサム過ぎて」と「空が鳴っている」です。レトロでこの上なくスタイリッシュなモノクロ映像と、村上春樹作品を思わせる荒涼とした風景。ぜひチェックしてみてください。

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「空が鳴っている」の一場面。映画を見ているような感覚に陥ります。

2016年の紅白、「青春の瞬き」を東京事変メンバーで披露したとき、「やはり東京事変は2020年に復活するのではないか…?」という噂がほうぼうで流れました。私も同じように思っていました。そういう意味ではこの復活は全く自分にとって「意外」ではありません。きっちり計算された、時を超えるパフォーマンスなのだと思います。「能動的三分間」「今夜はから騒ぎ」「ただならぬ関係」といった楽曲やそのMV、ライブ衣装などに散りばめた伏線を、ソロで「最終形態」となった今見事に回収したのではないでしょうか。

素直に、リアルタイムで彼らの活動に立ち会えるのが嬉しいです。たまらなく。幸せ、生きててよかった、、(こうなってくると最近再結成したNUMBER GIRLの面々をバックバンドに迎えていたのも伏線だったのか?とか思っちゃいますよね。邪推)

そしてもちろん新曲を聴いたのですが、正直にビビりました。今までの曲も死ぬほどかっこいい、でもさらに先を行こうとしている…!

作曲浮雲、作詞は林檎さんとのことですが、もう仕上がりは「ネオ・東京事変」といったところなのではと思います。

コード感、メロディーラインなど随所に浮雲っぽさが感じられるのでクレジットは納得しきりなのですが、まじで音とビートが「今っぽい」、これに尽きます。

例えばこの曲を、世界的に注目を集めるトラックメイカーのトム・ミッシュジョーダン・ラカイらが聴いたらどう思うんだろう?(トムミッシュは星野源と共作してるしなんか聴くかもしれないけどねなんなら) 

こちらがトム・ミッシュの曲。ヒップホップ、ジャズ、ソウル、ラテンなどをミクスチャーしたポップなビートが特徴。

事変の新曲には、彼らの音楽に通ずるものが感じられます。ヒップホップがシーンを席巻するようになり、パソコン1つで作曲をする人も増えました。エレクトロなサウンドと生楽器の配分。浮遊感のあるビート。様々なジャンルのミクスチャー。

このアレンジ、みんなでやったのか、、!?めちゃくちゃ気になります。1人で全て行っているという感じはしないので多分そうだと思うんですが。(適当なこと言ってます)

しかし、そんな時代の潮流にしっかり乗りつつ、きちんと「バンドが出す曲」として各プレイヤーの個性が反映されている印象を受けます。だからすごいんよ。多分彼らはライブでこの曲を生演奏する。信じがたいけどおそらくやるんですよね。それはひとえに、東京事変というバンドの圧倒的演奏力があってこそ実現するわけで…。かつて、こんなバンドが日本にあったのでしょうか。

歌詞もしっかりセンセーショナルでリスナーの心を的確に刺してきます。だいたいタイトルが「選ばれざる国民」(英語版はlower classes)ですよ!?このセンス。まさに事変を感じます、個人的に。

終日片手はオンライン/総べてはワイファイ次第/斯く言う生身はオフライン


ドキッとしません?私はしました。まさに今軽く携帯中毒状態で、ぼんやり携帯を眺めている時間が増えて…。この曲は音楽性・歌詞ともに、「話題にされるべくして作られた」のではないかと推測しています。

ファンをニヤリとさせる仕掛けも満載。「直ぐ美味しく 凄く美味しく」(チキンラーメンのコピー)「思いっ切り遊んでは食べては目を閉じていたい気持ち良く」(ジユーダム?) 「スイートスポット」など、事変に関わるワードがちらりちらりと顔を覗かせます。「ご無沙汰しておりました、どうよ皆さん」とでも言わんばかりの、圧倒的完成度。やられました。こんなの初っぱなから出されたら、ついていかないという選択肢はない。

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思えばこれもオリンピックオマージュ?

全国ツアーも決定し(死ぬ気で当てる)、きっとここからバリバリと動き始める東京事変。活動はやはり期間限定でしょうが、メンバーの皆さんは解散後も「再生装置」を手にずっと事変を愛し続けたファンのことを、今なお考えてくださっていると思います。そして間近に迫る東京オリンピックを前に、堂々と音楽シーンへ帰って来ました。最強の音楽集団だった各人が、それぞれに新たな武器を持ち寄って。

これからどんな姿を、どんな曲を届けてくれるのか。しかとこの目に焼き付けようと思います。




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