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DID/VCあれこれ

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Recept社員がDID/VCについてあれこれ書いています
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#verifiablecredentials

相互運用可能な学習歴の仕組みについて

こんにちは!Receptの中瀬です。 こんなニュースを見つけました 留学時などで、海外留学生と日本の学生の学習歴データを相互運用可能な形にして運用しようというものです。 DID/VCにおける提供価値の1つはこの、データの相互運用性だと思っていて、そこに対する取り組みがあることは、これらを実装する上でもやりやすくなります。 このような取り組みがないと、0からデータの標準化策定を開始することになります。 1スタートアップがやれる範疇を超えてしまう、少なくとも業界団体の巻

【DID/VCユースケース】年齢確認と省人化

こんにちは!Recept代表の中瀬です。 本日はDID/VCで取り上げられる、年齢確認というユースケースに関して、事業者へのヒアリングから感じたことや、海外の事例について触れたいと思います。 飲食、小売業界などの年齢確認にまつわる課題感 コンビニとかでは無人レジが導入されていて、皆さん一度は使ったことがあると思います。 実はアルコールやたばこの販売には対応できていなくて、友人レジに並ぶまたは、店員さんが確認しに来るようなオペレーションになっていたりします。 また、飲

【中瀬のDID/VC探訪】SD-JWTによる選択的開示

こんにちは!Recept代表の中瀬です。 本日はproovyでも用いられる、VC(Verifiable Credentials)の形式の一つであるSD-JWTについてアウトプットしてみようと思います。 VCとは何ぞやnoteを読んでくれる方が私の友人や出会った人が多いこともあるので一応VCがどのようなもので、何のためのものなのかを整理しておきます。 VCは「検証可能な資格情報」と訳されます。 VCは「第3者がそのデータの真証性」を検証できるように設計されたデータの規格

ID.me企業分析【後編】

こんにちは!Receptで代表をやってます中瀬です。 ID.meについてとても興味が湧いたので調べていると学びが多く、たくさん記事が生まれてしまいました。 ID.meがどうやって大きくなっていったのかID.meは2010年から退役軍人向けのクーポンシステムとして普及していたようです。 かなり前から事業を展開していたのですね。 これが医療従事者や教師、学生などに窓口が広がっていき、公的サービスや薬の購入にも使えるような政府公認のシステムとなったようです。 https:

VCとNFTの類似点・相違点

こんにちは。 Recept 大島です。 私はWeb3業界、特にNFTと深くかかわってきました。 個人で一時期やっていたWeb3アセットの売買もNFTを中心にやっていましたし、銀行でプロジェクトリーダーを務めた施策もNFT関連でした。 そして今、起業して取り組んでいる領域が「DID/VC」という技術です。 DID/VCはWeb3のムーブメントの中心にいる技術ではありませんが(親戚くらいの感覚)、NFTとの共通点も多いと個人的には思っています。 もっと言うと、 私がNFTに

DIDの基本

こんにちは!Recept代表の中瀬です。 今日はDIDについて書いてみようと思います。 DIDとはSSIを実現するために新しく提唱された、「グローバルにユニークなID」です。 DIDは以下のような形式をしています。 did:example:123456abcdef… Schemeは、URIで表現される識別子の種類を指すもので、DIDの場合は常にdidとなります。 DID Methodは、レジストリに対する読み書きなどの操作の方式を定めています。 DID Meth

VCの基本

こんにちは!Recept代表の中瀬です。 本日はVCについて書きます。 VCとは一言でVCとは、第3者が検証可能なデータ規格のことです。 今まで、個人関連情報を第3者が検証しようとすると、それが偽装されたものであるかどうかを確認することが困難でかつ、データの規格がバラバラだったためシステマチックに検証することができませんでした。 VCをどのように利用するのか VCを利用するときは上記のようなステークホルダーが存在します。 保持者にVCを与える発行者、VCを保有する

【中瀬のDID/VC探訪】DID/VCについて

DID/VCを一言で言うと?DID/VCを一言で言うと、SSI(自己主権型アイデンティティ)という概念を社会に実装する新しい仕組みのことです。 SSIとはSSIとは「自らのアイデンティティの情報を自分で管理しましょう」というムーブメントです。 なぜSSIというムーブメントが生じているのでしょうか。 そこには個人情報保護や信用プロセスの厳格化など様々な要因が存在すると考えています。 その1つの要素として、信用プロセスがデジタル化の世界から置いていかれていることがあげられ

【CEO中瀬の備忘録】コロナワクチン接種証明書アプリについて

コロナワクチン接種証明書アプリ https://www.digital.go.jp/policies/vaccinecert 新型コロナワクチン接種証明書アプリが2024年3月末にサービス終了することを発表された。終了理由として、「国内で接種証明書を必要とする場面はほとんどなく、海外渡航時でも接種証明書が必要な国は極めて少ない状況になった」とのこと。 新型コロナワクチン接種証明書アプリとは ワクチン接種を受けたユーザーがマイナンバーカードの読み取り、パスワードの入力を行

【CEO中瀬のDID探検】farmer connectについて

farmer connectはスイスのスタートアップ企業。 farmer connectのプロダクトでは、ブロックチェーンにコーヒー豆やカカオの流通を記録し、サプライチェーンの透明性を高める。 消費者は、コーヒーがどこで生産され、どのように輸送され、加工されたかをブロックチェーン技術を使用して、コーヒーの生産地や生産者に関する情報にアクセスできる。 そもそもコーヒーはアメリカでは1日に4億杯も消費されているらしい。 https://www.ibm.com/blogs/s