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プロペラシャフトを永く使う

ミニ四駆は、”両軸”と言われるMS、MA以外には四輪を駆動させるために「プロペラシャフト」という写真のようなパーツが必ず1本付いています。
現在では長さと太さ、軽さの違いで計6種類存在します(昔はもう1本、GPUでメタルギヤ製の2mm用ペラシャがあったが現在入手はほぼ不可能なので除外します)。

現在の種類としては
〇ノーマル2mm
〇ノーマル1.4mm(ピンククラウン用)
〇ノーマル1.4mm(オレンジクラウン用)
〇軽量2mm
〇軽量1.4mm(ピンククラウン用・緑)
〇軽量1.4mm(オレンジクラウン用・青)
となってます。

プロペラシャフトはそれぞれ複数種類のシャーシにゆとり持って付けられるように若干長さの遊びがあり、そのままシャーシに付けると前後に動いてシャーシ内壁やギヤに干渉する事があります。
素組みで異音がする時に一番最初に疑わしい部分です。
また片軸(プロペラシャフト有りのミニ四駆)で遅いと感じる場合は、他でも書いてますが、プロペラシャフト周りの問題も多々あります。

今回は初心者向けの話としてのプロペラシャフトの微調整と、永く使う為のリカバリーをお話します。

まず、私はミニ四駆を組み立てる時に初手から、組むシャーシ対応の軽量プロペラシャフトに変えてしまってます。
一番の理由は、ノーマルはシャフトに付いてるピニオンギヤの断面が平面に対し、軽量プロペラシャフトのピニオンギヤはシャーシとの接触面が小さく(細く)なっており、摩擦や引っかかりのトラブルを減らすためです(上記写真参照)。
勿論、これから話す内容はノーマルでも出来る事なので、そのまま置き換えてもらえれば大丈夫です😊

先にも書きましたが、各プロペラシャフトは複数種類のシャーシに対応してるため、ゆとり持って作られているので前後に少し長く動いてしまいます。
なので、これを修正します。

用意するものは、シャーシとプロペラシャフト、そしてカッターマットと”ハンマー”です。
「は?ハンマー??」と思うでしょうが、プロペラシャフトの調整に使う程度なので、100均で売ってる一番小さな金槌でも構いません(もっと良い物もあるでしょうが、コスト面重視でお話ししますw)。

まず、シャーシにプロペラシャフトを取り付け、遊びの程度を把握して下さい。

把握したらシャーシから外し、カッターマットの上に立て、金槌で優しくトントンと上から叩いて、シャーシとのクリアランスを繰り返し確認しながら調整して下さい。
もしキツくなってしまったら、両方のピニオンを布で掴んでピニオンを引きながら軽く捻って下さい。あまりやると緩くなりますから慎重に😅
(ピニオンプーラーをお持ちなら、それを使いましょうw)

軽量中空プロペラシャフトの場合はノーマルより作業が一工程多い代わりに、最初から抜けづらい方法があるので触れます。
まずは上記のとおり、プロペラシャフトをシャーシに合わせて位置調整をしておきます。
シャフトの外端、ピニオンギヤの尻を見ると中空プロペラシャフトの状況が見えると思いますが、この中空シャフトの穴に皿ネジ用の座ぐりビットを使い、リューターを当てます。

こうすることで中空シャフトの末端が末広がりのラッパ状になり、外側に抜けにくく、緩みにくく、改めて調整する時にも長さが合わせやすくなります。

組み付けて車輪が軽く回り、前後へのガタが無くなれば完成です。

しばらく走らせてると、また異音や明らかな速度低下などが出てくると思います。
また上記のとおり調整すれば良いのですが、それでもプロペラシャフトのピニオンが外側にズレたり、緩くなってしまう事があります。
緩くなってしまった時、シャーシを分解してプロペラシャフトを見て、ピニオンの歯が痛み酷くなければまだ再生可能なので、次は再生方法をお話します。

その前に触れておかなければなりませんが、プロペラシャフトは、タミヤレギュレーション上直接名前は出てきませんが
「4. ギヤの改造は、軽量化のための穴あけや削り加工とベアリングの内蔵のみ認められます。駆動用ギヤは定められた組合せで使用することが必要です。」
に括られています。
実際にシャフトからピニオンを抜いて行う改造は、過去に公式の車検で弾かれています(フラットレースのように独自レギュレーションで容認されている場合を除く)。
その一つの例として昔、ペラシャにベアリング等を挟み入れる改造があったり、ペラシャのピニオンを別のピニオンに打ち変えたりする改造がありました(他にもあったのかも知れませんが、私は把握していません)。
私も第一世代のころ、ペラシャにハトメを入れてtype1シャーシのペラシャ受けに使った記憶があります(当時は確かまだOKで、2mmペラシャだったので物理的にも可能でした)が、今は上記理由から出来ません。
”プロペラシャフトからピニオンは抜いてはいけないもの”なのだと認識していれば現状間違いはありません。

どちらにしろ、抜き差しすればそれだけピニオンギヤ自体が緩くなりますから物理的にもあまりしない方が良いですし、厳密にはダメかも知れませんが、私的に言えば、子供達が遊ぶ為の普段使いで仮に抜けたとしても、そのまま戻せば物理的に特段問題になる事は無いでしょう。
ペラシャ自体は高い部品ではありませんが、子供達のお小遣いでは頻繁な交換費用もバカになりませんしね😥
すぐ抜けるほどガバガバに緩かったら本来交換した方が良いとは思います。
レースに出るなら、出来れば新品を上記調整までして交換しましょうね😊

話戻って、プロペラシャフトのピニオンが緩くなってしまったら、次の方法で修復出来ます。

①プロペラシャフトの緩くなってしまったたピニオンを、シャフト内側にズラします。

②元々ピニオンがあった位置に、ダイヤモンドヤスリ(普通の金属ヤスリでも構いません)の角を使い、全体的に粗く傷を付けます。

③傷付けた部分に薄く瞬着を塗布し、ピニオンを元の位置に戻します。
瞬着が難しいようなら、油性マジックペン(マッキー)を傷つけたところに満遍なく塗って作業してみましょう。
ピニオンの戻し方は様々ですが、私は無精なので、落ちない程度に優しくペンチでシャフトを掴んで、カッターマット上にトントンとピニオンを元の位置に落としていきますw
(本当はプーラー使った方が良い😅)

④片方出来たら、反対側もやはり緩くなってきますから、必要に応じ同じ工程を繰り返して固着させます。
気をつけなければならないのは、固着させると位置調整する機会がこの時しかないので、作業を行っていく中でシャーシに付き合わせて長さが足りずにキツくならないよう注意しながら行って下さい。

こうして修復したプロペラシャフトはかなり頑丈で、ちゃんと固着すれば今度はなかなか緩む事はありません(経験上、再度緩む頃にはギヤの歯が悪くなって交換になる頃と思います)。

こうすることでプロペラシャフトは、結構永く使えるようになり、パワーも受けきれます。

片軸シャーシにとってプロペラシャフトは生命線と言っても過言ではないので、マメなチェックとメンテナンスを心掛けましょう😊

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