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バンクスルーとブレーキステーのちょっとした話

現在のミニ四駆シーンにおけるメインは立体コース(3レーン、5レーン)であり、ミニ四駆始めると走らせに行く常設店の殆どがそうなっています。
立体コースでは「ブレーキ」と言われる、一般的にいう所謂ブレーキスポンジを貼って、スロープやバンクなど、Rの付いたコース底面に接触させて”摩擦”で減速させる事でセクションをクリアしていきます。

この「ブレーキ」ってのが非常に難しくて奥深く、この加減が勝負で差をつけると言っても過言ではありません。
とはいえ、個々マシンの構成やコース、ブレーキの種類や気温や湿度で効かせ方等も違うため、最終的には経験からのフィードバックとなります。

なので、初心者向けの話として、幾つか知っておいた方が良い、バンクスルーとブレーキステーに関する話を書いておこうと思います。

☆ミニ四駆コースのセクションの斜面はほぼ全てRが違う☆
例えば、3レーンでは一般的に「バンク」「スロープ」「レーンチェンジ」の3つのセクションが存在します。
5レーンだと色々な新しいセクションも登場しています。

”ほぼ全て”と表現したのには、斜面だけ言えばほぼ共通するセクションも公式5レーンにはごく一部ある為です。

ざっくり言えば、1つのコース内に同一のセクション以外は同じ斜面(R)は通常存在しません(まず公式5レーンでも混在は知る限り無い)。

”バンクスルー”という言葉を聞いたことがあるかと思いますが、要はブレーキの貼る位置や地上高を加減して、バンクでは接触せずにスロープ等で接触するセッティングを指します。

ミニ四駆では、この斜面におけるブレーキセッティングをするために、「バンクチェッカー」という物があります。
中には本物のコースを切ったものや、ゴム状のもの、値段は安くないですが上記の様な本格的な物も存在します。

ダイソーのフィギュアケース(400円)の曲面が20度バンクと同じと言ってる人もいますが、近いのは5レーンの45度バンクなので、間違った認識とセッティングをしないよう気をつけましょう。

写真だと比較が分かり辛いのは申し訳ないですが、このケースでも参考程度にはなるものの、あまり信用し過ぎない方が良いです。
何故ならば、その僅かな差が他の斜面があるセクションに干渉して、予想外のブレーキが掛かることもあるからです。
ちなみに、このチェッカーの20度とちゃんと3レーンの20度バンクは一致し、上記のものは合いません。

バンクをスルーして、スロープ等のブレーキを要するセクションに対して、ブレーキとステーの話をします。

ブレーキと一言で言っても、フロントブレーキ一つでもマシンの特性で掛け方(当て方)が違います。
大雑把に言うと、片軸は先の方で、両軸は腹下(ステー全体)で掛けるイメージでのセッティングが多いです。
勿論、全て当てはまる訳ではありませんが、イメージ的に、片軸は止める時は止める事が速く走らせるコツで、流す時は流します。しかし、両軸の特にフレキは片軸よりブレーキステー奥側で擦る形で当てる事が多いです。
ブレーキは、前であればあるほど、当て方にも依りますがキツく掛かります。
その為に片軸は突き出しで、両軸はブレーキステーがバンパーより引っ込むように斜面に作られる事が多いです。
何故ならば、一般的に片軸は平面の伸びを重視する為に苦手なジャンプはほどほどにし、両軸の特にフレキは、最低限のブレーキ摩擦で速度調整し、コーナー奥まで飛び込ませる事が速く走らせるコツだからです。
とはいえ、ブレーキを当てるとそのままでは少なからず頭が跳ね上がります。それを抑えるためにリアブレーキステーが大事になります。

ブレーキステーは、一般的にはその名の通り”ブレーキを貼るステー”と捉えられます。
しかし、リアブレーキステーはブレーキを貼る他にタイヤを浮かせて”駆動力を抜く”役割が大きく、その高さは非常に重要になります。

ちょっと分かり辛いですが、スロープの斜面に当てた写真で、フロントブレーキとリアブレーキステーによりリアタイヤが浮いています。私の場合片軸ですが、フレキのように奥まで飛び込ませる走らせ方の為、このマシンはフロントブレーキを腹で当ててます。
バンクをスルーしつつ、スロープでタイヤを浮かす高さは、マシンにより異なるものの、そのセッティングはワッシャー1枚から変わります。
また、斜度によっては全てのタイヤを浮かせる場合もあります。

リアブレーキステーの大事さが顕著に分かるのが、3レーンだと、スロープの2段上り”のような複合セクションです。

突入に際し、フロントブレーキを当てた時にリアブレーキステーが高いと、頭が弾かれて上を向き、リアタイヤで蹴り出されるので2段目のスロープで腹を打つか尻からスロープに入って弾き飛ばされます。
しかし、リアブレーキステーをバンクスルーのギリギリの高さで設定できると、リアブレーキステーが頭跳ねをリアタイヤの駆動を抜いて車体を持ち上げる為に頭を押さえて飛び上がりを抑えつつ、速度を抑えて綺麗な姿勢で2段目のスロープに進入するので、ブレーキが青色の弱いものでも1段目のように安定したクリアが出来ます。
コレをフロントブレーキだけでやろうとすると、車重を重く、停止するほどキツくブレーキ掛けなければなりませんが、この調整ができると、モーターのパワーによってはマルチテープ程度のブレーキ摩擦でも同様のクリアが可能になります。
リアブレーキステーが高い位置に持ってこれるのは、全長ギリギリまで伸ばしていて、バンクスルー出来るように配置されているからです。

リアブレーキステーでタイヤを浮かせるという話はよくありますが、何故そうするとどうなるかって例え話は具体的にはあまり見ません。
私からすれば、シャーシに関わらず、セクションでブレーキを強く掛けるより、上記のようにリアブレーキステーの長さや高さを調整する方が姿勢制御の観点からも重要と考えてます。

あと、ブレーキ調整にはマルチテープが意外とポイントで、マルチテープの色でも摩擦力は微妙に変わりますし、ブレーキステーの斜面全体であてる時にはマルチテープでブレーキの覆う面積でも効きも速度も変わってきます。その調整は1mm単位の貼り替え幅です。
こればかりは現場で、経験の元に調整を繰り返すしかありません。

ミニ四駆を速く走らせたいと考えるなら、頻繁に走らせに行けない人ほど、バンクチェッカーは相応のものを用意すべきと思っています。
せっかく走らせに行けても、セッティングが出ないまま時間終わってしまったら、多分モヤモヤしちゃうと思うのです。
一度理屈が分かれば、チェッカーである程度調整出来て、現場では最低限の調整で楽しめると思います。

バンクチェッカーは何を買えば良いかと悩んだら、例えば、私も使ってますが、3レーンのバンクセットを買い、切ってチェッカーを作ると良いでしょう。
左右2レーンずつ、計4個作れます。
安ければバンク1セット5000円前後ですから、周りの人とシェアすれば一人あたま1500円弱となります。確実に同じ斜面ですし、そう考えると極端に高いとはならないかと思います。
コレは出来れば早めに用意した方が、悩む事はすくなくなるでしょう。

ミニ四駆は、思ってるよりコンマ単位の違いが大きな差となって現れます。
ブレーキとブレーキステー、バンクとの関係性やそれに伴うマシンの姿勢が相関しているという話を簡単に触れましたが、先にも書いたように大雑把な一般論なので、例えば私の(片軸)マシンのように、走らせ方で当てはまらない場合もありますが、遮二無二やるよりは一つの目安にはなるとは思います。

ワッシャー1枚で変わってくるなんて、奥深くて面白いですよね(´∇`)

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