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提灯で姿勢制御?

提灯は当初、制振を目的に作られたものでしたが、ヒクオ等の進化を遂げて行く中で「姿勢制御」という新たな役割を生みました。
提灯で姿勢制御?と読んでる人の中には思うかも知れません。
今回はちょっと提灯での姿勢制御について触れていこうと思います。
なお説明には”フロント提灯”を例に話します。

構造的には簡単で、「リフター」と呼ばれるポリカやキャッチャーの端材を提灯とシャーシの間に通し片方をシャーシに固定する、いわゆる”テンション”な訳で、他にもOリングやバネなど色々なやり方があります。

何故そんな物が提灯と姿勢制御に繋がるのか?
これも物理の話になってしまいます😅

[動画]

リンク先は私のtwitter動画ですが、これは自由落下におけるリフターの付いたマシンの動きです。 落下直後からボディが開いています。
「マスダンを考える」でも触れましたが、物体は頂点から落下する際、無重力状態(またはそれに近い状態)になるとお話しました。
リフターと言うのは、その材質の反発力をバネに無重力状態(またはそれに近い状態)の提灯を跳ね上げるのが目的です。
という事は、通常時(例えば置いた状態)では提灯の重さで負荷が掛かりしなった状態である事が必要となります。
では、どれくらいのテンションが掛かっているのが良いか、ココが重要です。
実は、コースによって変わりますw
ただ、通常であれば動画のように落下時にすぐ開き、通常時は提灯の重さでシャーシに提灯の桁がくっつく程しなるのが一つの基準と考えて良いかと思います。
リフターを付けることにより、姿勢制御は勿論、制振としてのレスポンスも上がりますから、より効果はあります。
この時提灯が開く事の出来る角度は45度辺りにまでなるよう留めを調整します。

では、コースによってリフターの必要な強さは変わる、これについて説明します。
ミニ四駆のコースは行く先々でレイアウトは大概違います。
1枚着地のテクニカルだったり、2枚着地以上だったりと様々です。
着地が長い分にはあまり気にならないかも知れませんが、着地の先に強烈なセクションがあって手前に落としたい、高低差のある長距離ジャンプ等の状況もあると思います。
そんな時にリフターの強さを加減して対応できるのです。

ミニ四駆はスロープでジャンプ(射出)しますが、スロープが曲がってなければ(ブレーキ等が片効きでなければ)水平に射出され、放物線を描きつつミニ四駆の重心を軸に着地(前後への重心の偏りで尻上がり・頭上がりしながら着地)します。
リフターがない場合、ボディキャッチ留め等は正にその動きで、リフターがある場合は放物線頂上近くからリフターが提灯を跳ねあげ始め、連結部を支点として留めまで大きく開きます。この時空中では本来の重心とは違う場所(連結部・支点)に新たな力点が生まれる事で車体を前傾させ、本来の放物線よりも鋭角に手前へ軌道を変えます。
つまり着地距離が短くなる、こういう事です。

リフターを強くすると言うのは、更に早い段階で軌道を変える為の一手法と分かると思います。
また着地距離はリフターを強くする他、提灯の開く角度で、前傾させる力の発生のタイミングと微妙な飛距離を調整出来ます。
しかし、やりすぎは頭から突っ込んで着地する事になり、マシンを壊す恐れ及び制振に支障を及ぼす恐れもある為注意しましょう。必要なら前後バランスを頭上がりになるよう調整も考えてみてください。

如何だったでしょうか?
あんなペラペラな物が意外にすごい働きをしてるんですね。
Oリングやバネも然り、使い方が違うだけで理由は同じです。
私のようなプラボディ提灯だと、常にフワフワしてるんですけどね😅

こうして色々書いてますが、意味が分かって実感出来たなら結構楽しいと思います。
そんなお役に少しでも立てば幸いです😌

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