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電池を少しかじってみる

はい、怪我するので本当にかじらないようにw
前回と違い、今回は電池本体の話です🤣

ミニ四駆では電池を「パワーソース」と、モーターを含んだ出力系の分野に括られて説明がなされます。
純粋な”速度”を求める上では重要なファクターで、かつ「ブラックボックス」とも言える理解の難しい部分でもあります。
まぁ、ミニ四駆はパワソだけではトータルが速くならないのが面白い部分でもありますけどね😉

皆”速い電池”と聞くと、飛びつきたくなりますが、”速い電池”とはなんでしょうか?
この”速い”が曲者でして、大した知識無い私でも分かることは

ざっくりですが、3レーン立体ショート、3レーン立体ロング、5レーン、3レーンフラット、全てで本来ベストな電池は違う事

なんです😅
Qちゃんがボルトに100m勝てませんし、その逆も然りです。
つまり、それぞれのコース特性やモーターに適した電池の考え方でなければならないと分かります。

モーターは大別すると、チューン系とダッシュ系の2種類で、チューン系は消費電流(A)が小さく、ダッシュ系は大食いです。

一方で、ミニ四駆に使う一般的な電池は、アルカリ電池とニッケル水素電池が現在の主流です。

簡単に言ってしまうと、大きい電流を流す時にはニッケル水素電池、小さい電流を流す時にはアルカリ電池が有利、というイメージです。
これは一つの要因として「電池の内部抵抗」に依ります。
内部抵抗とは、簡単にいうと抵抗値が大きいほど電気を留どめて、高電流(A)の出力に対して電気を熱に変えてしまい、一気に容量を放出して電圧(V)降下します。

平たく言うと、内部抵抗の高いアルカリ電池や傷んで内部抵抗の高くなったニッケル水素電池は、ダッシュ系モーターだと最初良くてもすぐ力が落ちる、そんな感じです。
逆に、低出力であれば電圧降下が少なく、力を長く出せるとも言えます。

内部抵抗は、電池を痛める行為(継ぎ足し充電、追い充電等や電池そのものの頻度劣化)により高くなります。また、充電池には「メモリー効果」という厄介な現象が起きます。
メモリー効果とは、一言で言えば「癖」で、ある一定ラインまでしか使えなくなる(力が出なくなる)現象です。
例えば、短距離走らせて継ぎ足し充電や追い充電を繰り返してたり、電池を使いっぱなしで放置したりすると、その時の蓄電残量のラインを勝手に下限と認識してしまう事で残りの部分が有意義に使えなくなる、そういう現象です。
そして、充電池は新品含め長期間使われてないと”寝てしまう(不活性化する)”、生き物みたいな側面もあります。

電池の違いを分かりやすく例えると、ため池からポンプで水出す時に、排水ポンプのホースが普通の細いホースか消防ホースかの違いみたいなものです。水を押し出そうとした時に掛かるポンプ出口の圧力(負荷)を内部抵抗と考えて、ホース出口の水量と消費した燃料を見比べて貰えると想像しやすいかも知れません。

ちなみに、チューン系モーター積んだフラット車にアルカリ電池が大会等でよく使われるのは、”製品としての品質が一定(内部抵抗が高く安定してる)”という不平等さの排除の側面もあります。
アルカリ電池が内部抵抗高いのは、お客さんが買うまでに自然放電してしまわない為のものです。

ミニ四駆ではネオチャンプがニッケル水素電池の筆頭ですか、昨今”速い電池”と呼ばれているのは、「内部抵抗が低く高出力が維持出来る(垂れにくい)」ニッケル水素電池の事です。
電池の内部抵抗が上がらないように(低くなるように)管理して、電気を沢山蓄えて沢山安定して出力できるよう慣らしたものを指します。

この電池はダッシュ系モーターで長距離(例えば公式5レーンの200m級)を息切れ無く走るには大事(←ココ大事)です。

そして、主たる充電池のネオチャンプは充電可能回数約2000回の消耗品です。使用前後のメンテナンスが大事な事はなんとなく分かったと思います。

5レーン公式模擬が体験できる「FORCE LABO」さんが公開動画で、安価な充電器で垂れにくい電池を育成する方法として、”リフレッシュ機能で100回充放電して、以後は継ぎ足し充電しないで、使用後はまたリフレッシュして運用する”旨を話して下さってます。
安価で簡単な反面、正直100回手動は結構大変です😅

色々書いてきましたが、ここでは私のやった、手元にある機材でなるべく簡単に電池を起こしてから垂れにくい電池の素地作りまでを、取ってたデータを基に、抽象的ですが書いておこうと思います。

私の手元で、ブレークインから一通りの機能を持ってる手軽な充電器は”ハイテック X4 advancedⅡ”(Top写真の充電器)なので、それを主に使用してます。
可能なら、電池が熱持たないようにファン等で風等当てながら行った方が良いでしょう。
あまり熱持つと、大概の機材は作業を一時カットする機能があって、望むような育成が出来ない場合があります。

先も書きましたが、新品等の電池は”寝ている”ので、「ブレークイン」という作業を一般的には最初に1回は行います。
ブレークインとは、低い電流値で、充電→放電→充電を、自動的に繰り返し行います。
新品の電池や、長期間使っていない電池を活性化させることができ、性能が下がった電池を回復させる効果もあります。

今回の場合、本来の使い方とは違いますが、実際に手軽だったので、起こしからこの機能で低電圧でゆっくり、活性化させつつ、深くまで鍛えてやります。
ネオチャンプの容量は950mAですから近似値の1000に合わせて行います。
ブレークイン1回に約2日は掛かりますが、これを繰り返します。

データを測定し見比べると、1回毎に少しずつ内部抵抗値は低くなっていき、5回ほど繰り返すと一旦概ね下がりきり、10回目行った頃には安定しています。
上級者だと、先ずこの前後くらいで各電池の製造時期、出力特性や内部抵抗値を基に”マッチング(マッチド)”と呼ばれる、近似値同士の電池組み合わせにして更に育成するのですが、機材と知識が必要なので、一般的には購入時のパッケージの組み合わせを維持するのが無難です。

ここから先、上級者はまた違う機材等で最適と思われる育成を行うのでしょうが、手元にある機材で手軽に行う事を最優先して説明してますので、引き続き”X4 advancedⅡ”で行っていきます。

繰り返しのブレークイン作業で、電池そのものの素地は出来てるので、地ならしに「サイクル充電」をします。今までは低電圧での充放電だったので、相応の電圧に慣らす為です。

”X4 advancedⅡ”の充電圧はMAX2.6A、放電圧はMAX1.0Aで、放電終了電圧は0.9V(初期値)です。
この時は充放電1.0A(放電終了電圧は変更せず。X4advancedⅢなら放電圧MAX2.0Aが可能なので、未確認ながら充電1.0Aの放電2.0Aでも良いかも知れません。)としました。
これを1サイクル10回で行います。
私は2サイクル行ってから運用を開始しましたが、この時の表記容量は1000前後で、内部抵抗値はサイクル前より低く(低いセットでは各々近似値2桁台)、1.5V以上入り、安定しました。

実際にコースに持ち込んで、追い充電等一切無しでHD3搭載車を走らせましたが、全長100m前後を3回走らせても大きく失速する事はなく、使い込んで傷んだ電池を一回毎に追い充電したものと走り比べても、真新しいのもあって、速度的に見劣りする事もありませんでした。

垂れにくい電池を維持するには、電池セット多数を用意して、使用後は追い充電等すること無く、持ち帰った全てを毎回リフレッシュ又はサイクルする(利用前に再度リフレッシュ充電する)ことをお勧めはします。
また、追い充電等用(タイムアタック・高A充電や練習用)電池を分けて用意・管理し、ニーズに合わせた運用が良いでしょう。通常の店舗コースは比較的短距離かつパンチを求められる場合も多いからです。
勿論、追い充電等用電池も使用後はリフレッシュ(たまにブレークインやサイクル)はした方が良い事は間違いありません。

まとめると、限られた容量をコースに合わせた出力特性に振れた電池を用意出来たら、それが”その時一番速い電池”です。
オールマイティに速い電池は、そうそうありません。作れるとしても、極僅かな識者だけでしょう。

私自身、電池はよく分かってません。
書いた内容も、限られた機材の中でのあくまで及第点の一例で、もっと良い方法もあるはずです。
私から言えるのは、電池は消耗品ではありますが、優しくキメ細やかに面倒みてやれば、それなりに力を出してくれる、その範囲のことです。サボれば、相応に結果は帰ってきます。

私自身今でもそうですが、文献読んだり、ヒント聞いたり、色々試してみると面白いですよ(o^∀^o)

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