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市販の固形石鹸から透明石鹸を作るレシピ

安くて荒れない透明石鹸ベースが欲しい、でも苛性ソーダは使いたくない。好きな色や香りの透明石鹸を作って、ココロオドル風呂にしたい。
こんな石鹸憧れる。

が、市販のMPソープベースは高い(そして荒れた)。
オイルと苛性ソーダから作るのは面倒だし、黄色い石鹸になってしまう。
無色無臭の市販の固形石鹸から透明石鹸を作って、自分の好きな色と香りをつけて楽しみたい。
この手のレシピはネットではほとんど出回っていないので、自分で試行錯誤したメモ。


市販の固形石鹸から透明石鹸を作るレシピ

レシピA

  1. 市販の固形石鹸:100g 

    • カウブランドの無添加せっけん

      • 他の石鹸は、このレシピでは透明にならない

    • 個包装を開封・放置し乾燥した状態がベスト。重量が5%くらい減ってる。さほど乾燥してないならレシピの水を5gを限度に減らして調整。

  2. 無水エタノール:47.5g

  3. グリセリン:42.5g

    • 市販の薬局方(水分15%のもの)

  4. 水:36.1g

  5. グラニュー糖:19.0g

レシピB 初心者向け

  1. 市販の固形石鹸:100g 

    1. 同上

  2. 無水エタノール:56.1g

  3. グリセリン:42.5g

  4. 水:26.6g

  5. グラニュー糖:19.0g

レシピAとBの違いは、エタノールと水の量。作り方は同じ。
Aはエタノールを少なく=安く硬く出来るが、Bの方が失敗確率(透明度が落ちる、妙に柔らかくなる等)が落ちる。初心者にはBを推奨。

必須道具

  1. レンジ

  2. ブレンダー

    • これがあれば10分で終わる。

    • 短時間で終われば、エタノールの蒸発量を抑えつつ蒸発量を再現しやすくなるのでレシピが崩れにくい。

  3. レンジにかけられる容器

    • 強化ガラスの大型計量カップが安定していて使いやすい

10分で手早く再現性高く作る方法

市販の固形石鹸をブレンダーで粉砕

  • 4cm角くらいに切っておけば粉砕も早い

  • 普段はまとめて粉砕、保存容器に乾燥剤入れて保存

容器に粉砕石鹸を入れ、水を追加、ふやかす

  1. ざっくり混ぜて石鹸に水をいきわたらせ、吸水しやすくしておく

    • この時点で砂糖は入れない。砂糖が水を吸って石鹸が吸水しにくくなる。レンジ時間が長引いて石鹸が黄色くなる原因に。

  2. 10-20分程度放置、水を適当に吸わせる。この工程、実は無くてもいい説

  3. この間に他材料の計量とか型の準備とか。

  4. 砂糖を追加投入、箸でざっくり混ぜる

市販固形石鹸 透明石鹸 作り方 レシピ
水を追加してざっくり混ぜる
市販固形石鹸 透明石鹸 作り方 レシピ
放置した後に砂糖を追加

レンジにかける。石鹸・砂糖が解けて透明がかるまで

  1. 合計3‐5分程度、吹きこぼれるので張り付いて見張る事。

  2. 泡立って吹きこぼれそうになったら都度レンジから取り出し、混ぜて落ち着かせてからレンジ再開。2‐4回くらい取り出すことになる

  3. ここで石鹸を溶かし切る事が重要。溶けていれば後工程でエタノールにもすぐ溶けて、石鹸も透明になる。逆に溶けていないと石鹸が透明にならないことも

  4. ただし、やりすぎると砂糖が焦げて黄色くなる。

市販固形石鹸 透明石鹸 作り方 レシピ
泡立って膨らむ。容器からあふれそうになるのが普通
市販固形石鹸 透明石鹸 作り方 レシピ
まだ石鹸は溶けていない状態
市販固形石鹸 透明石鹸 作り方 レシピ
割と溶けてきた。透明がかってスライムじみてきたらOK

グリセリンを投入、再度レンジで温める

  1. 砂糖が溶けたら常温のグリセリンを追加投入、再度レンジへ

    • 容器の底を箸で触ってじゃりじゃりしなかったら砂糖は溶けてる

    • グリセリンをここより先に入れると砂糖が溶けにくくなる。レンジ時間が長引いて水分蒸発量が増え、レシピが狂う。そのためグリセリンは出来る限り後入れ。

  2. 軽く沸いたらレンジ終わり。取り出してブレンダーの用意。

市販固形石鹸 透明石鹸 作り方 レシピ
グリセリンと溶けた石鹸は大して混ざらないが気にしない

エタノールを投入、ブレンダーで石鹸分を手早く溶かす

  1. エタノールを投入。

    • エタノールは夏なら常温でOK。石鹸と混ざって60-70℃あれば大丈夫。冬など気温が低い場合は湯煎で60℃くらい(素手で容器を掴める程度)に温めておく

    • 投入した直後は透明がかっていた石鹸が白くなるけど気にしない

  2. ブレンダーで攪拌。1分足らずで均一な液体になる。

  3. 石鹸の白い塊が見えなくなったら型入れ。

    • 気泡が入りすぎて濁ったりするが、そのまま冷やせば透明になるので気にしない。

    • 同じくせっけん液の上に泡がたくさんできる事がある。湯煎などで高温状態をキープしつつラップして待っていれば泡は溶けて消えるが、泡部分は大した石鹸量でもないのでそのまま型入れして冷やしても良い。

  4. 気になるなら透明チェック

  5. 濁りや泡を気にせず、すぐに冷凍庫か冷蔵庫で冷やす

    • 透明度を上げるのに常温冷却説と急速冷却説がある。いつも冷凍庫に放り込んでるが問題なく透明になる。60分くらいで固まる。

  6. 型から取り出し、4-5cm角程度にカットしてジップロック等で保存。

  7. 後はMPソープベースと同じように溶かして加工して透明石鹸にする

市販固形石鹸 透明石鹸 作り方 レシピ
ブレンダー直後。上半分は泡。下半分は気泡で濁って見える透明石鹸液。
市販固形石鹸 透明石鹸 作り方 レシピ
透明。(泡のまま冷やしたので泡がそのまま固まっている。)
この程度の黄色さは着色したら気にならない。


無色・無香料・安価な市販石鹸を色々試した中では、
カウブランド無添加せっけんが、一番少ないエタノール量で透明になった。
牛乳石鹸さんありがとう。しばらくついていきます。

注意と備忘録

  1. レンジ時間は最低限を心がける。長引くとよくない事が増える。

    • 水分が飛んでレシピバランスが崩れる

    • 砂糖が焦げて石鹸が黄色くなる

    • 吹きこぼれを見過ごすリスク上がる

  2. レシピを2倍、3倍量に増やすと透明度が落ちやすくなる気がする。倍量にする場合は水を減らした方が良いかも(水を増やすと逆に不透明になる事がある)。

    • そのうちまた試行錯誤・原因究明をしたい

  3. 透明石鹸を保存していると結晶化して曇ることがあるが、レンジで溶かせばまた透明に戻る。

  4. 市販MPソープベースと比べて早く膜ができやすい・固まりやすい。レンジにかけすぎると透明度も落ちる。加工時は迅速に。

  5. 同じく、加工・使用時はブルー系カラーの退色が早い。窓際に置くと2-3週間で青系の色は消えてしまう。3種試したが全て同じ結果。また、カラー剤によってはそもそも透明にならず、濁った。原因未追究。

    • キャンドルorハーバリウム用シリコンモールドが比較的大容量・扱いやすくて良い。背が高く泡立っても溢れにくいので加工時にも便利。

    • 浅い型は不便。何をやっても必ず吹きこぼれる。

    • 100円均一のパウンドケーキ用?のシリコンモールドは石鹸に色移りした

  6. レシピに関して

    • エタノールを増やせば透明にはなるが、その分コストと固さが犠牲になる

    • かといってグリセリンを増やすと、風呂の温度下でグミ並みに柔らかくなる石鹸になった

    • 砂糖を入れ過ぎるとグジャっと潰れやすい石鹸になった

    • グリセリンも砂糖も透明度にさほど寄与してる気がしないので減らしてもいいかも。

      • 元々安いので減らす努力をするメリットは実はさほどない

      • が、硬さが上がる可能性みて減らすレシピを検討する余地はあるかも

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