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希望の世界か、困難と不信の世界の分岐点

国家安全保障戦略 結語より抜粋

歴史の転換期において、我が国は戦後最も厳しく複雑な安全保障環境の下に置かれることになった。将来の国際社会の行方を楽観視することは決してできない。
 しかし、我々がこれまで築き上げてきた世界は、これからも、活力にあふれる貿易・投資活動から生まれる経済的な反映、異なる才能の国際的なまず割から生まれるイノベーション、そして、新しく魅力あふれる文化を生み出すことができる。我々は、このような希望を持ち続けるべきである。
我々は今、希望の世界か、困難と不信の世界のいずれかのに進む分岐点にありそのどちらを選び取るかは、今後の我が国を含む国際社会の行動にかかっている。(中略)
希望の世界か、困難と不信の世界かの分岐点に立ち、戦後最も厳しく複雑な安全保障環境のもとにあっても、安定した民主主義、確立した法の支配、成熟した経済、豊かな文化を有する我が国は、普遍的価値観に基づく政策を掲げ、国際秩序の強化に向けた取り組みを確固たる覚悟を持って主導していく。

感想

人は将来の幸福度の予測に基づいて行動を決めている。例えば、結婚や出産といった判断は、現在の所得ではなく将来の所得が増えるか、豊かな生活を送れるかという予測に基づいて決めている。仮に貧しく、豊かでない生活をしていたとしても将来、労働力として所得の増加や幸福度の増加につながるのであれば、子供を産むという選択をする。一方で、現在豊かな生活をしていたとしても、将来離婚や所得の減少が予測できるのであればその選択をとらない。つまり「将来に希望が持てるか」が非常に重要。戦後の日本の成長期には現在は豊かでなくともこれから豊かになっていくという予測ができたので多くの人が幸福度の高い生活を送れていた。しかし、一旦経済成長が止まってその負の側面を見るようになると、豊かになっていくイメージが崩れ、結果幸福度の低下や、少子化につながっていると考えられる。その意味で、「希望を持ち続けるべき」という言葉は日本がこれからも豊かな社会を築いていくうえで非常に重要なことではないかと感じた。

そのうえで必要なことは、より良い将来の姿をイメージさせられる強いリーダーの存在だと思う。これから数十年間の日本の国際社会での地位や、経済発展を決定づけるような分岐点であり、そこでどのようなリーダーを選ぶか、まさに「今を生きる国民の責任」であるといえる。

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