吉田隼人暴れて騎乗停止のおかげで気づいた阪神競馬場芝コースの特性(イン突き禁止?)
裏で物にあたるのは、私はわりと肯定派です。ロッテの吉井監督が現役時代に裏で暴れて気持ちを切り替えてた話とか好きです。暴れん坊の元メジャーリーガーが筑波で修士号取って理論派の指導者になってるというのが面白い。
「自身の騎乗を含めたさまざまな不満、いら立ちが抑え切れなかった」とは何を指すのか?
巷間言われるのは「ソダシを降ろされたから」。その不満はもちろんあると思う。事案が起きたのもソダシが人気を背負って凡走した安田記念当日、裏開催の阪神競馬場だ。でもまあ、武豊や松山弘平、ちと古いけどアンカツなんかもG1馬から降ろされる世界だ。吉田隼人に限ったことじゃないから、いちいちそれでキレるな、とは言いたい。
ソダシの件も、もちろん積み重なった要因の一つとみなせると思うけど、別の直接的な要因があるだろうと、その日の最終レースからチェックしていくことにした。すると原因と見られるレースがあっさり見つかった。事案当日の最終レースである。
クラス再編成後の1勝クラス。3歳馬と古馬が当該週からともに競走する。吉田隼人騎乗のクインズエルサは3歳世代限定のオープン競走でも実績があり、人気を集めるのも納得。ただ、断然人気のダンチヒ系牝馬があっさり飛ぶのは珍しくないので、私はヒモの扱いだった。
レースでは、逃げ馬の後ろという絶好の位置を取りながらも伸びきれなかった。リアルタイムで視聴していたが、別の穴馬を追っていたので、その程度にしか感じていなかった。負けても不思議はないと思っていたし。
今回の事案を受けて、パトロールビデオを見てみたら、がっつり進路を締められていた。
締めた馬は2番人気だったが、馬体をぶつけ合った影響もあるだろう、着外に沈んだ。
今回のこのレースは、正常なレースである。胴元からの制裁は無かったので、各騎手はルールの範囲内でレースをしていたということ。吉田隼人は、端的に言えば悔しくてキレたんだろう。
それ以上この件について考えることは無いと思ったのだが‥
事案が報道された翌日の土曜阪神6R、上記吉田隼人のレースがフラッシュバックした。
1番コパノサントス軸で3連単
買い目の画像を見てほしいが、8、15番人気の穴馬も含め、上位入線した馬はすべて買っている。いわゆるタテ目で3連単2253倍の決着
見事に締められてます。
このレースは軸馬だったのでしっかり見ていた。吉田隼人のレースとは、内回り外回りの違いはあるものの、阪神の芝コースの内枠の人気馬で、2列めのインという絶好のポジションを取りながら進路をなくして凡走という点で共通している。
その他にも共通点があった。netkeiba.comの掲示板が荒れていること(苦笑)当該競走馬の掲示板に騎手批判のコメントが殺到します。人気馬が凡走したら必ずそうなる、いつもの光景です。
今回、どちらの掲示板にも共通して書き込まれたコメントが「岩田なら差していた」です。競馬ファンなら意味はわかると思います。
岩田のイン突き。彼の代名詞です。動画で言及されているレースは2022年2月の阪急杯です。阪神競馬場です。最近は大レースの勝ち星に恵まれているわけではないので、近々ではこのレースが最も印象深いと思います。
勝利ジョッキーインタビューでイン突きの解説をしていて興味深いです。なお、フジテレビ配信版は前半部分のみなので、関西テレビ版を見てください。なぜそんな中途半端なことをするのか‥(多分オンエア尺そのままだから)
抜け出すときに、逃げ馬が内へササッてきたが勢いの違いで弾き飛ばしたような格好。動画でも言っていたが、岩田騎手の足は内ラチ(柵)に乗っかているように見える。
netkeiba.comの掲示板でわめいていた連中は、これをやれと言いたかったわけです。
私も片方のレースは軸で買っていたので、物申す権利はあると思います。正直言って、3列目以降の馬が内を突いてどん詰まりという光景は嫌というほど見てきましたが、2列目の馬が詰まるなんて聞いたことがありませんでいた。内枠で先行する足があると踏んで買っています。目論見通り先行できたのに、どういうこと?となりますね。
この件でピンときました。また、今後の馬券戦略にも関わってきます。
先述した岩田騎手のイン突きは、2022年の2月のレースです。
その翌月、松山弘平騎手が、阪神芝レースで、インを突こうとしたところ、逃げ馬がふらつき、内にササリました。そこで両馬は接触し、松山騎手は落馬。大怪我を負いました。そして松山騎手の騎乗馬も転倒し、残念ながら死亡しました。
この件で、松山騎手に過怠金3万円の処分が課されました。
ふらついた逃げ馬ではなく、内を突いた松山騎手が咎められました。
JRAの競馬では、逃げ馬は内側に1頭分のスペースをあけることが不文律とされてきました。そのほうが安全だからという理由です。その1頭分より内側に逃げ道は無いので、馬乗りの素人でも理屈はなんとなくわかります。
ただ、後方の馬が、そのスペースを突くことは常態化していました。なので、逃げ馬の真後ろの2番手の馬が詰まるなんて想像できませんでした。必ず自分の能力は発揮してくれるもんだと思ってました。
仮説ですが、松山騎手の落馬以降、阪神コースのイン突きは御法度、これが騎手たちの間で共通認識になっているのではないでしょうか?
共通認識があるとして、もしかしたら、それは阪神コースに限った話では無いかもしれません。
ただ、阪神コースは、4コーナーの角度が緩いため、皆、タイトに回ってきます。
京都、東京、新潟コースは角度が急で、遠心力で自然と馬群がバラけます。中京は3、4コーナーの下り勾配がきつく、これも遠心力でバラけます。
阪神では直線入り口を迎えた際、内寄りに密集しているイメージがあります。だから、2列目内側の馬が、インを突けない、外にも出せない、イコール勝負にならない。そんな事象が立て続けに起きたのではないか?そう思いました。
これに関する私の意見
イン突き禁止するなら、徹底してほしい。それなら大賛成
まず、以前から、安全上逃げ馬は内側1頭分あけてるのに、番手の馬がそこを突いて抜き去るのは不公平だと感じてました。
そして、故障等の不測の事態への対処や、ふらついた馬への対処のために、インをあけておくことが、事故防止や二次災害防止に繋がるなら大賛成です。事故だけは絶対に見たくない。
私は今回、例に上げたレースで万馬券を取りそこねましたが、今後は、「逃げ馬の真後ろでも詰まることがある」そう念頭に置いて馬券を買うことにします。それは、予測が難しく、自分にとってプラスにもマイナスにもなる運の領域に近いように思えます。そこは割り切って競馬に向き合います。
そのかわり、イン突き禁止するなら、徹底してほしいと思います。一部の人はやって、一部の人はしない。それを、勇気があるか無いかの問題にしてお茶を濁してはいけないと思います。
と、ここまで書いてきましたが、イン突きを禁止してるかどうか確証はないです…
ただ、2つの事例を見るに、スペースはあったように見えるので、以前なら両者とも突いていたように思えました。
2022年高松宮記念のナランフレグは内を突いてたな… そう思ってパトロールビデオを見たら、突いてませんでした(逃げ馬の外でした)
結論としては、馬群がバラけにくい阪神や、小回りコースの2列目最内(逃げ馬の後ろ)は最高のポジションにならない可能性がある。です。今後、気にして見ていきたいと思います。
岩田騎手や外国人騎手がイン突きするかも見ていきます。もちろん他の騎手も。
それと、もし、なんらかの決め事があるのならば、明らかにしてほしいと思います。不文律でも言及して悪いことはないと思うし。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?