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SHE'S 「Memories」感想 -前編-

2024年9月18日にSHE'Sの7thアルバム「Memories」が発売されました!!
近年のSHE'Sの音楽がさらに素晴らしくて、
今回はそんな名盤「Memories」の感想を綴っていきます。

アルバム全体の感想

まずアルバムを一周聴き終わって思ったことは、
温泉に入ったみたいに温かで満たされた気持ちになる、ということです。
そして、満たされたままもう一回聴きたくなりました。
このアルバムはタイトル通りMemories=思い出がテーマとなっていますが、
竜馬さんは思い出を美化せずに
痛みも煌めきもそのままの状態で大切にともに生きていく人なんだな、
と思いました。
2017年に発売された「プルーストと花束」というアルバムも思い出をテーマにしていますが、
「プルースト~」では思い出との決別をメインで扱っている感じがして、
今作では思い出を味方として扱っている感じがしました。
今作は「思い出」よりも「想い出」という漢字がしっくりきました。

Dull Blue

1曲目はインスト曲の「Dull Blue」です。
鳥の声、風の音に響く優しく憂いを孕んだピアノの音から景色が浮かび、
その景色が次の「Cloud9」の景色につながっている感じがしました。
一人で想い出を微笑みながら回顧している場面が浮かびました。
SHE'Sのアルバムは最後の曲に主題が集約されていることが多いですが、
実はこれまでもアルバムの1曲目のインストにも主題が詰まっているのではないかと思います。

Cloud9

2曲目はアルバムのリード曲「Cloud9」です。
Aメロのピアノのアルペジオが印象的で、
同じアルペジオを4回ずつ繰返しているようで微妙に変化しているところが
気持ちの揺らぎを表しているようで耳が惹かれます。
一番で「君じゃないと知れなかったんだ 満たされているこの心の名前を」、
二番で「満たされているこの心の行方を」と歌い、
ラスサビで”満たされている心の名前=愛”というところに至る
流れがとても素敵で爽快です。
「幸せ」というタイトルの曲は幸せな状況を歌っていないですが、
「Cloud9=超幸せ」という曲では愛にたどり着いている、というのも
SHE'Sの歴史と紐づいている感じがしていいな、と思いました。

I'm into You

3曲目は爽やかなロックサウンドの「I'm into You」です。
懐かしい洋楽感のあるサウンドと疾走感が最高です。
明るい曲調とは裏腹に歌詞にはやるせなさがあり、
「Sweet Sweet Magic」の主人公が成長したらこんな感じかな?
と思いました。
一番と二番の両方で「We're just friends,  nothing more」という歌詞がありますが、
「””」があるかどうかの違いだけで印象が全く違い竜馬さん天才!と思いました。
ライブではクラップ必至だと思うので楽しみです。

No Gravity

4曲目は配信シングルの「No Gravity」です。
配信された当時から大好きな曲ですが、
アルバムでの「I'm into You」から「No Gravity」の流れも最高です。
このサウンドのエアリー感は何なんでしょうか。
そして、歌詞も口にしたくなる気持ちよさがあります。
全体的にエレクトロなサウンドですが、
その中にふと入るピアノやサックスにうっとりします。
私は飾れる歌詞カードを「No Gravity」にして飾っています。

Angel

5曲目は温かいサウンドが印象的な「Angel」です。
この曲は竜馬さんが亡くなった愛犬・ルコしゃんを想って作られましたが、
Aメロの英詞の部分で特に竜馬さんとルコしゃんの様子が浮かんで、
歌詞を読んで堪らず涙が出てきました。
「愛してくれてありがとう」はきっとルコしゃんも思ってるだろうな。
「またあとでね」に温かさ、優しさ、前向きさを感じます。
悲しい思い出の曲になっていないのは
竜馬さんがルコしゃんの生きている間に後悔しないくらい愛しつくせたからなんだろうな、と思います。

後編へつづく…

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