35歳で自転車日本一周した#2

東京から神奈川の海岸までの道って実はすごい坂道なんですよ。

ハンガーノックと呼ばれる症状はいわゆる飢餓状態です。
普段どれだけ無駄な食事をしてても
いきなり無茶な運動(約40kgの自転車での移動)を、
それも食事もせず、8時間も行うとなるものはなるようです。

コーヒー牛乳かなにかは飲んだ気はしますが
水分はとれてるものの全く力が出ない、漕げないのですね。

それが1日目の、しかも朝8時頃に起きていました。

周りにはいくらでも食べ物などもある、けど知識がない。

自転車のことなど、てんで知らずにスタートしたものだから
今自分がそういう飢餓状態であることがわかってない。

だから一時的にきついのかと思っていたわけで。
そして、急にランナーズハイというか、やってやろうという気持ちは出てきました。

そこで、ひとまず江の島から時計回りに
海岸線を進みましょう、となりました。

有名な平塚の海岸、当時はまだ海水温も低く、サーファーもまばら。
そこを変な荷物を背負った自転車が通ったら、まあ目立ちますよね。

意外と走れる、でも限界はすぐに来る。

ある程度自転車を漕ぐことはできたんですが、
その速度たるや歩くのよりも遅いレベル。

海岸の砂も相まってほとんど進まないんですね。
というか自転車を押して歩いたほうが早いと感じるレベルです。

そこまで疲弊していても、気力は残っているのでまだ動けます。
こんなに体力的に苦労したことは35年間生きていて全くなかったことです。

とにかく今日はどこまで行くか、なんてことは考えずに行けるところまでと考えていました。

その時の記憶などがほとんどないのですが、とにかく重い、とかだるいとか
どこまでいけばいいのか、ということをなんとなく考えていました。

ついでに食料をどこで手に入れるべきか、ということを考えていました。
自給自足でやるということだけは決めていたので
魚釣りでもしようと大きな漁港へ向かったわけです。

それはとても有名な小田原漁港だったんですね。

釣れるわけねぇじゃん

アジとか、小さい魚を連れれば適当に焼いて食べればいいじゃんと思っていましたが、釣りってそんなに楽じゃないんですよ。
手持ちの装備は疑似餌、つまりルアーしかないんです。

生餌に比べてはるかに難しいとされるルアー釣り、しかもそれも経験がない。装備品もアマゾンで集めた安い装備。

食糧なんて手に入れられるはずがないんですね。
しかも周りはルアー釣りなんてやってません、
ここでルアーなんか投げたらマナー的にも問題です。

そもそもそういう状況ですから、釣りの準備すらせず、
ただ港を眺めていただけでした。

せめて釣りの情報を得ようと思って釣具店にいくも
釣りブームでそういう客が多いのかよそよそしい態度で追い返される始末。

そうしてどんどん時間が過ぎ、いよいよ日が暮れてくるのです。
そこで私は気が付きました。

どこで野宿をすべきなのだろうか。

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