紐解け! 薬師如来!!
リーディングマスター・まさみちです。心理カウンセリングを仕事にしており、「見えない雰囲気を読み解く力」をリーディングと称して、心理的なストレスの解消や、潜在無意識に隠されたトラウマの寛解(かんかい)など、心の助けになることをしています。ヨーガをルーツにして心理学を磨いてきた経緯もあり、肉体へのアプローチもありまして、偏頭痛や肩こり、腰痛や蕁麻疹(じんましん)、花粉症や倦怠感、不眠症から冷え性などの相談にも乗っております。(16/88)
薬師如来の十二神将と日光菩薩、月光菩薩を紹介して参りました。
今回は、薬師如来そのものにフォーカスを当てて、解説してみたいと思います。
薬師寺などでは、十二神将は別で彫られていて、凜々しく薬師如来を囲んでいるものでしたが、東寺にある薬師如来像は、下に十二神将が底支えしているのが解ります。
これは、十二神将はどれもが無限ループの価値観に閉ざされている為、その十二に識別出来る無限ループの全てを超越して紐解けるレベルから心を治しにかかろうとしないと、「見えるものも見えないものですよ」というニュアンスで届きます。
①毘羯羅大将(ぎゃびらたいしょう)「言い訳して逃げ回る心」を『事実を認め、自分と向き合わせる働き』
②伐折羅大将(ばさらたいしょう)「権力で人を言いなりにさせたい心」を『良心との結びつきとなる信頼関係を育む働き』
③迷企羅大将(めきらたいしょう)「妄想に逃げ込み願望の夢を見る心」を『真実を追究し心の迷いを祓い清める働き』
④珊底羅大将(さんちらたいしょう)「思い込みで物事を進め非を認めぬ心」を『どこまでも寄り添い窮地を助け、過ちに気づかせる働き』
⑤因達羅大将(いんだらたいしょう)「欲を煽り、人心をコントロールし、自発生を失わせる心」を『本音を言えるように助け、自分の過ちに気づかせ、真実の愛に目覚めさせる働き』
⑥安底羅大将(あんちらたいしょう)「問題から目を逸らす心」を『全ての苦悩を受け入れて許し、告白させる働き』
⑦真達羅大将(しんだらたいしょう)「親の顔色を伺い、自分を欺き、教えに従うだけの心」を『純粋さに従って自然体で生きようとする働き』
⑧招杜羅大将(しょうとらたいしょう)「見聞を広め、適切な知識を持ち、客観的情報にのみ従う心」を『正義の裏にある相対する問題に気づかせて寄り添い、新たな道を見出そうとする働き』
⑨波夷羅大将(はいらたいしょう)「変化させぬように拒み続ける心」を『自分の否定的解釈を改めさせ、どんな人からでも学びがあると思慮する働き』
⑩摩虎羅大将(まこらたいしょう)「初めて見るものを絶対視することで起きる粗悪なものを良質なものと見誤る心」を『辛苦な生育環境を共感してみせ、敵はどこにもいないと解らせる働き』
⑪頞儞羅大将(あにらたいしょう)「権利にかまけて堕落し、被害者であることを盾にして欲望を満たそうとする心」を『そもそも何が問題かを突き止め、根本的な解決を促す働き』
⑫宮毘羅大将(くびらたいしょう)「世界は自分のモノサシでしか測れないことに気づかず、上の立場の人を下に見る心」を『世界は主観でしか捉えられないものだと心得、小さい私と、大いなる“わたし”とした対話により、超越した視座を得られる働き』
といった夜叉というエゴの働きから、神明という純粋さに導く働きへと高めるものがありつつも、それを果たせぬ無限ループのエゴの罠にかかっているので、病いになるものです。
この十二神将が同時に認識する無限ループのエゴを紐解くなら、「他人に価値観を変えられたなくない心」として出て来ます。
薬師如来は、親友のようなものの姿だと伝えました。
となれば、友が居なければ、友を失ってきた歴史をどこかで抱えていることです。
また、親友であるなら痛いことでもズバリ言ってくることになりますし、価値観を変えるようなことも伝えてくることがあります。ただ、そこに信頼関係が培われている場合にしか効果を発揮しません。
薬師如来(十二神将)は、自然と一つになり、様々な人が作りし教義は元々無かったものだと諭し、自然体に還れば、秩序立てられたルールが全て建前の嘘のものでしかないと気づかせるものです。自然から乖離(かいり)している言葉によって生み出された規則に従うほどに、心は病んでいき、肉体の制御が効かなくなる問題が出ると心得、どの規則も心身を破壊せしめるものだと理解し、規則は必要だけれども不要と扱い、不要であったとしても必要な状況下があることを周知させていくことで、気の患いが起きぬようにすることに努める仏の姿です。
私たちは、ルールなどの秩序がなければ物事を学び、痛みを知ることで優しさを覚え、辛いけれども泣いて許し許されて学んでいくものです。
ルールにより束縛してしまうと、裁きが大鉈を振るうこととなり、救いのない罪人ばかりの世界になり、人の心よりも処罰や規則を見て刑を実行することの業務ばかりが横行するようになります。
間違えたら終わり。
道を踏み外したら破滅。
戒めを破った奴が悪い!
約束したのに、それを守らない人は処罰されて然るべきことである!
気を遣い、怒られないようにし、自分の心を感じるよりもルールから1ミリもはみ出してはならないと注意を重ね、緊張感を緩ませることが出来ないでいるなら、病気にかかるのは当然でもあります。
①毘羯羅夜叉は、アルコール中毒や、ゲーム依存症などから抜けられないようになります。
②伐折羅夜叉は、首を痛める事故を起こしやすく、酷い肩凝りに悩まされ、偏頭痛や歯の痛みなどで苦しみやすくなります。
③迷企羅夜叉は、背中が強ばり、緊張感が抜けず、警戒心や不安症に悩まされ、二重三重の確認をしてしまう衝動を起こし、不眠に悩まされます。
④珊底羅夜叉は、目の病いや、足の指をぶつけたり、前方不注意となる事故を起こしたり、追突事故をされたり、「ぶつかる」問題が多発することがあります。
⑤因達羅夜叉は、手を怪我し易く、掴み損ないや、物を落としてしまうミスが見られ、物思いに耽ってしまうことが多発し、心が定まらず“うつ病”と診断されることもあり、情緒不安定になり、朝起きられなくなる悩みを抱えるものです。
⑥安底羅夜叉は、口内炎や舌の病いや、耳の聞こえにくさに問題が生じやすく、猜疑心に悩まされ、誰とも心を通い合わせたくない心理に陥り、塞ぎ込むことがあるものです。
⑦真達羅夜叉は、偏食に陥り易く、肉やアルコール、油物などを好む為、それに類する病気を併発し易いものです。また、小腸を患い、精気がなく、無気力に陥っては何もしようとしなくなり、あらゆる興味を喪失する問題を抱えて治る見込みを感じさせなくなります。
⑧招杜羅夜叉は、腰痛に現れやすく、手のしびれや、突然のド忘れが起きるなどが繰り返され、調子の悪さの正体が掴めないもどかしいものが続く傾向があります。
⑨波夷羅夜叉は、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こし、麻痺が残るような事故や怪我をして、身体の一部が動かなくなる傾向があります。
⑩摩虎羅夜叉は、呼吸器系の病気を持ちやすく、掃除が出来ない、トイレが異常に汚いなど、ゴミを捨てられない問題として出て来ます。
⑪頞儞羅夜叉は、自己嫌悪に陥り易く、自分の二面性に自分が耐えられなくなり、人に気づかれないようにする余り、過食や嘔吐をしてしまうことがあります。
⑫宮毘羅夜叉は、神経系の疾患を持ちやすく、我慢強さが仇となり、感情を溜め込んではその処理が出来ずに様々な病気を引き起こすこととなり、性格や価値観を変えるより、病死を選ぼうとする無意識が優位に働くもので、頑固さ故の癌が様々な部位で発症する恐れのある問題があります。
薬師如来(十二神将)にまつわる病いなどを紹介しました。
これら病気などを消失させられる力を発揮出来る人が「神将」として名を冠するとなり、多くは病気を治せる医者が薬師如来扱いとして認知されるものです。名医という存在であるなら、外科的なものだけでなく、病いかからぬように促すことが出来、治療はもちろんのこと、価値観を固定化させぬように誘導してあげられるものとなります。
薬師如来を医者と扱ってしまうよりも、親友という扱いの方が解釈や概念を変えられる切っ掛けを得やいとし、真摯に自身と対話できる自分が自分の親友であると悟れると、この十二神将との対話なども心強く持てるものになります。
いかがでしたでしょうか?
では、また。
リーディングマスター・まさみち。
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