読書記録R6-85『鹿男あをによし』

万城目学著
幻冬舎2007年4月第1刷

万城目学
1976年生まれ。大阪府出身。京都大学法学部卒。2006年第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞した『鴨川ホルモー』でデビュー。東京都在住。
(本書奥付より)

彼は今年『八月の御所グランド』で直木賞を受賞した。それは読んだ。『鴨川ホルモー』も当時読んだ。
最近見たTV「あの本読んだ?」で、ゲスト出演していた。その時本書が話題になっていた。

そういえば読んでないなぁ…
今年は個人的に万葉集に興味を持っている。関連して奈良にも興味がある。これは読まねば!というわけで図書館の閉架から借りてきた。

奈良の私立女子高を舞台に展開する万城目ワールド。
夏目漱石の『坊ちゃん』をオマージュした作品か?
著者は漱石をリスペクトしているのだろう。
初日からの生徒とのトラブル、教師仲間やマドンナの登場…。

時には伏見稲荷に場所を移して。

研究室で教授から神経衰弱と言われ、奈良の女子高に二学期の間だけ赴任してきた男。彼は母から送られた鹿島大明神の勾玉をお守りに首からかけている。そして、奈良で鹿男になる。

奈良、京都、大阪にある同じ経営母体の姉妹校との剣道の試合。そこで優勝しサンカクを雌鹿に渡さないと大変な事になると言われたが…。

優勝杯のサンカクは別の物だった!
鹿男は人間に戻れるのか?

10月といえば神無月。神様たちは地元を離れ、出雲の会議に出張中。
神の眷属である鹿、狐、鼠が地震を起こす大ナマズを押さえる手助けをする。彼らは姉妹校の中に存在するのか。

そして魏志倭人伝や三角縁四神四獣鏡。卑弥呼の謎にも迫ろうというのか。本当の目を探し求めた結果、隠していた人物はやはり!(ここでも『坊ちゃん』の影が…?)

奇想天外。
大変愉快に読んだ。


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