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読書記録R5-152『神と死者の考古学 古代のまつりと信仰』

笹生衛著
吉川弘文館2016年(平成28)1月1日第1刷発行
著者紹介
1961年千葉県生まれ。
1985年國學院大學大学院文学研究科博士課程前期修了。 博士(宗教学)。

こぢんまり様のご紹介。
タイトルは興味深いが本の中身は難しそう。
ところが、コツコツと読んでいくと案外行けそうだ。使われている用語や漢字の読みは難しいが、要所には説明がなされている。むしろ説明が細かくて煩雑なほど。
よ〜く噛みしめれば美味しい味がするスルメを噛むようだ。

貼った付箋は七枚。
よく分からない所、感銘?を受けた所…。

一読では十分な理解は難しい。
再読の必要がありそうだ。

私自身が逐一内容の要約、説明するのは無理なので目次を引用しておこう。
ご興味、関心のある方には見当がつくだろう。

神と死者と古代の人々ープロローグ

古代祭祀の実態
・神道考古学と古代祭祀
・祭祀遺跡から古代祭祀を探る
・古墳時代祭祀の復元

古代の神観と祭祀
・祭祀遺跡の立地と神
・古代の富士山信仰と火山祭祀の系譜

祖ヘの信仰と祭祀
・古墳の儀礼
・古墳と祖の祭祀
・黄泉の国と祖の継承
・古代祭祀の終焉と現代ーエピローグ

あとがき
参考文献
以上となっている

全体の印象は全国各地の遺跡や古墳をテーマにそった例として紹介し、特色に見あった場所であると解説をする。
また論拠を各地の風土記や貴族の日記などに記述の痕跡を示す。

私自身は「古代の富士山信仰と火山祭祀」を特に面白く読んだ。

またエピローグには古代祭祀が辿った経緯と現代社会について触れていてこれまでのまとめのように書かれている。親切な著者だと思った。

中国の礼記の影響と日本社会の受容と不採用
本地垂迹思想
災害による地形の変化と祭祀の廃棄と慣習の変化

研究者や学界では常識かもしれないが、素人には馴染みはない。しかし、興味深い説が述べられている。
年末にはこれ以上読めないだろうと思い、一旦図書館に返却。
またの機会に再読したい。



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