読書記録R6-41『シャーロック・ホームズとジェレミー・ブレット』

モーリーン・ウィテカー著
高尾菜つこ訳
日暮雅通監修
原書房2023年12月第2刷

モーリーン・ウィテカー
イギリスの国語と演劇の元教師。シャーロキアン。本書のもととなった伝記により、2021年にロンドン・シャーロック・ホームズ協会より、毎年の優れたホームズ関連書籍に贈られる「トニー&フリーダ・ハウレット文学賞」を受賞している。

451ページもある、まだ真新しい本。
紙は白く所々に写真が挿入されている。ジェレミー・ブレットのポートレート。ホームズに扮したものもある。もちろんワトソンや他の俳優さんと一緒の写真も。

NHKTVで毎週見ていた時期がある。作品を読んだことはないかな~?
何しろ自分の中ではシャーロック・ホームズといえばジェレミー・ブレットの顔や姿が思い浮かぶ。
ちょっと興味を惹かれて借りてみた。

だけど…ちょっと読んだら、もういいかな〜と言う気分。
そこまで自分はジェレミー・ブレットに興味無かったのかな?

海外のドキュメント番組によく見る、関係者や研究者のインタビューを見ているような感覚。

本の構成は
シャーロック・ホームズの冒険
第1シリーズ
第2シリーズ
に続き
シャーロック・ホームズの生還
第3シリーズ
第4シリーズ
シャーロック・ホームズの事件簿
第5シリーズ
シャーロック・ホームズ
長編三部作
シャーロック・ホームズの回想
第6シリーズ
となり、あとがきや追悼の言葉などが続く。
以下は訳者高尾菜つこ氏のあとがきより抜粋

2015年はジェレミー・ブレット没後20年。ファンの集いもあった。
2023年はジェレミー・ブレットの生誕90年にあたる。
ジェレミー・ブレットは美幌と才能に恵まれたスターだったが、幼い頃から失語症で、心臓の病気を抱えていたうえ、最愛の妻を亡くすという悲劇にも見舞われ、晩年は双極性障害にも苦しんだ。
演じた役者は必ず心を蝕まれるとも言われるほど複雑なキャラクターであるシャーロック・ホームズは古典演劇の訓練を積んだブレットにとっても困難な役柄で、完璧主義の彼をひどく悩ませた。結局、病状が悪化したブレットは、シリーズ全編の撮影を果たせぬまま、いかなる賞も勲位も受けることなく61歳で亡くなった。

(略)
原作のホームズは痩せて長身ではあったが、けっしてイケメンというわけではないし、女性にモテるどころか、陰気でほとんど人付き合いをしなかった。ところが、容姿端麗なブレットのホームズはどこまでもかっこよく、ゾクゾクするほど魅力的で、一瞬にして女性はもちろん世界中の人々を虜にしてしまった。つまり、この点においては、本人の意に反して、原作から逸脱してしまったというわけだ。ーもちろん、ファンにとってもは嬉しい逸脱だけれど…。

ジェレミー・ブレットご本人はシャーロック・ホームズが大好きだったよう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?