読書記録R6-46『お探し物は図書室まで』

青山美智子著
ポプラ社文庫2023年3月第1刷
初出2020年11月ポプラ社より刊行

青山美智子
1970年生まれ。愛知県出身。横浜市在住。デビュー作『木曜日にはココアを』で第1回宮崎本大賞受賞。

『木曜日にはココアを』を最近読んだばかり。楽しく読んだ🎶
こちらは新聞の読書欄の記事を見て図書館で予約していたもの。
題名からして読んでみたくなる。

一章 朋香 二十一歳 婦人服販売員
二章 諒 三十五歳 家具メーカー経理部
三章 夏美 四十歳 元雑誌編集者
四章 浩弥 三十歳 ニート
五章 正雄 六十五歳 定年退職

老若男女、5人の住民が訪れたコミュニティセンターの中にある図書室。
そこには司書見習いの小柄な若い女の子、森永のぞみと、その奥のレファレンスコーナーに白熊のようにものすごく大きな女の人、司書の小町さゆりがいた。
「何をお探し?」と司書は聞く。
質問の結果、資料のリストと、さらに一見無関係に思える1冊の書物を印字した紙を手渡す。
そして本のおまけとして木製キャビネットから小さな羊毛フェルトを渡してくれる。
町の銘菓のハニードームの箱に針と玉が入っている。小町さゆりはいつもチクチクフェルトに針を指していろんなものを作ってはおまけとしてカウンターを訪れた利用者に渡しているのだ。

利用者は本当に自分が探しているものに気づき、前を向いて一歩を踏み出す。

森永のぞみと小町さゆりの過去の関係も見えてくる。
さらに、利用者同士が何らかの関係性を有するという、青山美智子お得意のストーリー展開が見られる。

2021年本屋大賞2位の作品。
面白いはずだ。

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