判断を早期閉鎖しないためには
医学用語に「早期閉鎖」という言葉があるらしい。
医師が患者の話を聞く際に、本来であれば患者さんの話をじっくりと聞いた上で、その人の抱えている本当の障害は何なのかを判断しなければならない。ただ、数多くの患者さんを限られた時間内で診なければならないことから、往々にして早く話を切り上げて診断を下してしまいがちだ。これを「早期閉鎖」というのだそうだ。
思えば、こうしたことは医師に限らず、我々なら誰しもが日常経験していることではないだろうか。
問題は、話を聞く側の方が話をする側よりも力関係が上の場合だろう。
上司と部下との関係、夫と妻との関係、親と子の関係などなど。
私も上司と部下の関係で、こうしたことを双方で経験がある。
特に部下との関係において、話を早く切り上げて、次の話題に移るということはしばしばやっていたように思う。
それではこうした「早期閉鎖」に陥らないためには、どうすればいいのだろうか。
・一通り相手の話を聞いた後に、「他には何かありませんか」という問いをつけるようにする。
・一旦自分の見解を述べた上で、「自分はこう思うが、貴方はそれに対してどう思うか」という形で一旦ボールを返す。
・その場で結論を出さずに少し寝かせた上で判断をする。
といったことが考えられるが、これらはいずれも時間に余裕がある場合の対応だろう。
刻一刻と判断を迫られるような状況においては、やはりどこかで仕切る必要があるのかもしれない。その際、出来るだけ判断を誤らないようにするためには、相手との日常的な関係をどのように築いているのかによるのだろう。
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