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防水層の種類と選び方

建物の寿命を延ばし、快適な住環境を保つためには、防水層の役割が非常に重要です。この記事では、改修時に考慮すべき防水層の種類とその特徴についてご紹介します。

防水層は、建物の屋根や屋上部分に設置され、水の浸入を防ぐ役割を果たします。適切な防水層がないと、建物内部に水が侵入し、カビや構造劣化の原因となる可能性があります。


防水層の種類

シート防水

ゴムや塩ビの防水シートを素地に敷設し、防水層を形成するため乾燥の必要がありません。比較的安価で、広い場所でもムラなくスピーディに施工することができます。

ゴムシート防水

  • 適した場所:陸屋根や屋上

  • 耐用年数:10~15年

  • メリット:耐用年数が長く、施工が比較的容易。

  • デメリット:現在ではほとんど使用されていない。

塩ビシート防水

  • 適した場所:陸屋根やベランダ・バルコニー

  • 耐用年数:10~20年

  • メリット:紫外線や熱に強く、耐用年数が長い。ディスクを用いた機械固定方式で施工がしやすい。

  • デメリット:施工時にシートの端や重なり部分ができる。

塗膜防水

ウレタン防水

ウレタン樹脂を塗り広げ乾燥させることで2~3mmほどの防水層を形成します。塗料を塗り広げるように防水層を形成できるので、複雑な形状の側溝・立ち上がり部でも施工がしやすいのが特徴です。

  • 適した場所:ベランダ・バルコニー、屋上

  • 耐用年数:10~15年

  • メリット:弾性があり広い場所に施工しても建物の動きに追従できる。継ぎ目がないため一体感がある。

  • デメリット:施工の際には乾燥時間が長い。

FRP防水

ガラス繊維シートと樹脂を重ねていくことで防水層を形成します。FRPは硬くて防水性に優れた素材で、浴槽や貯水槽などにも使用されます。

  • 適した場所:ベランダ・バルコニー

  • 耐用年数:12~20年

  • メリット:硬く防水性に優れ、複雑な形状でも施工が可能。摩耗してくると繊維模様が浮き出てくる。

  • デメリット:硬い防水層のため、木造住宅の屋上などではひび割れの恐れがある。

アスファルト防水

アスファルトと合成繊維で作られたシートを貼り重ねていくことで防水層を形成します。古くから存在する方法で防水性も高いです。

  • 適した場所:ビルやマンション陸屋根

  • 耐用年数:15~25年

  • メリット:高い防水性と耐久性。RC造のビルやマンションに適している。

  • デメリット:重量があり、高熱で溶かす作業が必要で煙や臭いが発生。一般住宅のリフォームには不向き。

まとめ

防水層にはさまざまな種類があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。適切な防水層を選ぶことで、建物の寿命を延ばし、快適な環境を維持することができます。
防水層を選定する際は、建物の構造や環境条件、予算を考慮することが重要です。専門家の意見を参考にし、最適な防水層を選ぶことで、改修の効果を最大化できます。ご自身のニーズに合った防水層を選んで、改修を成功させましょう。