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30代後半に差し掛かって迎えた誕生日にまつわるいろいろ

先日、37歳になった。そろそろ自分の年齢についていけない。感覚的には24歳くらいで止まっている…つもりだけど、そんなこともないのだろうな。
「もう誕生日迎えても嬉しくない」とか言っていた先人達の気持ちがわかるようになってきた。加齢が怖い。
でも、祝ってもらえるのはやはり嬉しいもので。こんな歳になっても祝ってくれる友人達や家族がいて、やはりハッピーな日だなとしみじみ。
お祝いしてもらったところから、近況を報告しあったり、次に会う約束につながったりして、誕生日っていいものだなと思うし、祝ってくれる人たちのことはこれからも大切にしていきたい。
 
我が家のホームビデオを見返すと、子供の頃、誕生日やクリスマスには決まって母がグラタンを作ってくれていた。
今年の誕生日もグラタンがいいなとリクエストして、37歳にしてグラタンで祝ってもらった。本当に大きな子供である。
あのホームビデオに映っていた30数年前の母は、今の私よりも年下。まさか30年以上経っても娘の誕生日をグラタンで祝っているなどとは思ってもいないだろう。
しかし、いくら中身が子供でも胃腸はしっかり37歳。私はグラタンを食べすぎて盛大に腹を壊し、翌日は夕方までほとんど何も食べられなかった。情けない。脂が消化できなくなってきている…

彼にはディナーに連れて行ってもらった。以前も書いた、とっても美味しいお店。
花ズッキーニのフリットが美味しかった。花のついたズッキーニを収穫し、花の中にモッツァレラチーズとアンチョビを入れて揚げてある。
オシャレ料理過ぎて絶対に真似できない。おいしい。

誕生日プレゼントは、ずっと行きたかった長期滞在型のプライベートサロンがあり、そこに行かせてもらうことになった。
ウェルカムドリンクのジュースをいただいた後に、デトックス効果のある泡のお風呂に時間を気にせずゆっくり入り、メイクを落としてシャンプーまで済ませる。
お風呂から上がったら、ドレッサーで髪を乾かしてリンパドレナージュ。全身・ヘッドスパ・フェイシャル全部!
私がこのお店を選んだ大きな理由は、マッサージの後、そのまま寝ちゃってOKということ。幸せすぎない??
目が覚めたらヘルシーなお食事が出てきて、プラン終了という流れ。
いやー、贅沢だった。贅沢だったけれど、思い通りに行かない部分もあり、自分の生きづらさも実感することとなった。

まず、お風呂に入った瞬間、自分の荷物からバイブレーションの音が聞こえ、携帯の着信に気づく。知らないふりをしようかとも思ったけれど、やっぱり気になって脱衣所に戻って確認すると上司からの着信だった。
休みの日に!?上司から!?何!?ただ、風呂で話すわけにもいかないので、出先で電話ができないことを伝え、どのような要件かを尋ねるLINEを送る。
正直泡スパどころではなかった。携帯を持ち込み、チラチラ気にしながらお風呂に入ることとなった。
結局30分ほど待っても連絡がなかったので、緊急ではないと判断し、携帯を機内モードに。もう忘れる。

マッサージ中、何度か意識を無くしてしまったのだけど、「今いびきかいてんじゃないか?」と目が覚める瞬間が2回ほどあった。めちゃ気まずい。
そして残念なことに、2回目のいびき疑惑覚醒のタイミングからほどなくしてマッサージが終了した。
え、寝落ちしたまま目が覚めるまで寝てていいのが楽しみできたのに、マッサージ終わった瞬間起きちゃってるーーーーーーー!?
「マッサージでみなさん爆睡されます。私は起こしませんので、目が覚めたら起きてきてください。」と事前に言われている。
どうしようか。いや、マッサージ終わった瞬間起きて来られても向こうも困るよな……とりあえず…寝るか………そして次の瞬間、

「居眠りさん、そろそろ…」

起こされてしまった…。起こさないのが売りのサロンで起こされてしまった。終わった瞬間こそ起きていたものの、その後まぁまぁ寝てしまった。
恥ずかしい。でもこのnote的には正解だ。居眠りの名に恥じぬ爆睡っぷりである。

そして今回、癒されに行ったのに生きづらいな…と思ってしまったのは、スタッフさんとの会話にある。
お風呂から上がったとき、そして睡眠から目覚めたときに「来店された時とは表情が違いますね」と声をかけてもらったのだけど、「はい、リラックスしたんでしょうか」「すごく気持ちよかったので…」と義務感で答えてしまった。
実際に自分の表情がどうだったかは別として、「違いますね」と言われた瞬間、相手の求める答えを言わなければ!となってしまった。
お風呂上りなんて「上司の電話なんだったんだろ…このままマッサージ入ったらマジで対応できないけど大丈夫かな」と不安な気持ちで全くリラックスしていなかった。
睡眠から目覚めた後も「起こさないサロンで起こされた…しかも施術中いびきかいてたかもしれん…恥ずかしい…」と微妙な気分であった。私は大噓つきである。
癒されに来た方が気を遣ってどうする…。無駄にプレッシャーを感じてしまった。損な性分だと思う。

睡眠から起きてきた後に、軽食をいただきながらスタッフの方と話したとき、結婚の話になった。
聞かれるがままに付き合っている人はいるが、今のところ結婚の予定はないことを答えると、
「時々いらっしゃるのよね、彼がなかなか結婚してくれないっていう方!
でもここに来たら幸せになれるから大丈夫!」と言われてしまった。
結婚しない選択肢を選んでいるのは彼だけでなく私もそうなのであって、
彼が悪者というわけではないと思っている。
そのあと幸せなご夫婦のお話をされて、なんだろう、対比的に私が不幸な感じの構図になっているような?
「若い男に乗り換えた方がいいんじゃない?」とまで言われて、少し首をひねる展開に。
でもこれは私にも責任がある。「結婚してもらえない」テイで話が進み始めたときにきっぱりと否定すればよかったのだ。なんとなく雰囲気に流されて「そうですよね~」とか言っているからこうなってしまった。
こうしたプライベートな話を、全くの他人に聞いてもらうことで、すっきりすることもあると思う。このスタッフさんとの会話に癒された人も多いはずだ。
ただ、私に関しては高いお金を出して癒されに行ったので、ある程度スタッフさんとは距離が欲しかったかもしれない。それも内向的所以かな。何度か通ったらもう少し心を開けるのかもしれないけれど。
こういった癒しのサービスは、提供する側も選ぶ側も難しいなと思う。直接の施術とは関係ない「距離感」や「空気感」は行ってみないとわからないし、良い・悪いではなく合う・合わないの部分が大きい。

お風呂も気持ちよかったし、マッサージも気持ちよかったし、そのあとの睡眠も気持ちよかったし、軽食も美味しかった。贅沢な気分も非日常も味わえた。後悔はしていないし、サービスにも満足している。
でも、自分の生きづらさも浮き彫りになったなというお話。もう少し楽になりたいかもしれない。

37歳、もう少し楽になろう。

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