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心臓病(心疾患)と新型コロナウイルス

世界的なパンデミックとなっている新型コロナウイルス。

併存疾患を持っている方は新型コロナウイルスに感染すると重症化してしまう危険が高いといわれていますが、心臓病(心疾患)を持病として持っている方に関してはどうなのでしょうか?海外で出されている論文を見ていきたいと思います。

こんにちは
心不全患者さんが幸せになれるよう
日々勉強中の飯沼です。

心臓病だとCOVID-19になりやすいのか?


中国のデータ(China CDC Weekly)によれば、コロナウイルス感染患者の4.2%は循環器疾患(心血管系疾患)、12.8%は高血圧症を持っていたと報告されています。

コロナ併存疾患

JAMA.という有名な医学雑誌の、Clinical Characteristics of 138 Hospitalized Patients With 2019 Novel Coronavirus–Infected Pneumonia in Wuhan, Chinaでは、138人の単一センターでの新型コロナウイルス入院患者のうち高血圧(43 [31.2%])、糖尿病(14 [10.1%])、心血管疾患(20 [14.5%])、および悪性腫瘍(10 [7.2%])であり、高血圧や心血管疾患を持っている方々が多かったとしています。

JAMA コロナ キャラクター

JAMA. 2020 Feb 7. doi: 10.1001/jama.2020.1585

以上のように新型コロナウイルスに感染した方で、高血圧や心疾患を持病として持っている方は多くいるように思います。

ただ、だからと言って高血圧や心疾患を持っているからと言って新型コロナウイルスになってしまいやすいかということまでは言われておらず、議論の余地があるところとのことです。


心臓病(心疾患)だと、新型コロナウイルスは重症化しやすいのか?


中国のデータ(China CDC Weekly)では、循環器疾患を持っている方の死亡率は10.5%であったとのことです。

コロナ死亡率

また、集中治療室でのケアを受けなかった患者(n = 102)と比較して、集中治療室でのケアを必要とした患者(n = 36)は有意に高齢であった。(中央値、66歳 対51歳 P <.001)また、高血圧(21 [58.3%] vs 22 [21.6%]、糖尿病(8 [22.2%] vs 6 [5.9%])、心臓血管疾患(9 [25.0%] vs 11 [10.8%])、および脳血管疾患(6 [16.7%] vs 1 [1.0%])を含む、併存症を持っている可能性が高かったと報告しています。

また、新型コロナウイルス発症後に心筋障害や心不全を効率に発症するといった報告や新型コロナウイルス感染に心不全の合併も多いといった報告も見られているようです。

以上のことやほかのさまざまな報告からも心疾患を持っている方は重症化しやすく、予後不良となってしまう可能性があるとされています。

ですので、心疾患を有する方、今は問題なくとも昔心筋梗塞をされた方や現在も内服治療を継続している方も含めて感染予防は非常に重要になってくるかと思います。

特に、高齢で重症化しやすいといったデータと合わせると高齢で心疾患を持っている方は注意が必要であろうと思われます。


感染防止対策としての(1)換気が悪い密閉空間、(2)人が密集している、(3)近距離での会話や発声(密接)の3つの密を避ける行動、不要不急の外出を避けること、手洗いうがいなどの防止策を十分にとり、心不全の方はいつもの体重測定に加えて、体温測定をしつつ、感染予防、感染が疑わしかったら早めの対応をしていただけますを幸いです。

ではまたお会いしましょう。





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