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【研究者紹介】亀山 哲(流域圏環境学/空間情報学)

森里海連環学教育研究ユニット 特任教授
国立環境研究所 生物多様性領域 主幹研究員

専門分野

(流域圏環境学/空間情報学(GIS・リモートセンシング)/自然環境の再生と復元)

一言メッセージ

森里海の繋がりは、連続テレビ小説「おかえりモネ」でも一つの主題になっているようです。「豊かな海を育むのは豊かな森」という言葉に、細やかな一日のやる気を貰うのは私だけではないでしょう。そんな里山里海の恵みを見つめなおし、希薄になりつつあるその絆を今一度「RE:CONNECT」したいと願い、本プロジェクトに関わっています。


通常私はつくばの国立環境研究所に勤務していますが、Withコロナの昨今、私の主な役割はネットを通じた議論や解析支援です。特に近年、若手の成果向上とお悩み相談を続けていたところ、ポスドクや若手の駆け込み寺の住職的な役割が定着してしまいました。(本物の住職の皆様、軽薄な比喩で申し訳ございません。)


長々と続くオンラインの会議中、解析の相談やデータシートがメールで届くと、

「このタイミングで来るんかい!!」

と思いつつも、やはりニンマリしてしまうのです。やはり私は会議よりも研究が好きで、そもそも未知の自然現象を解読するという行為に、人は没頭してしまうのでしょう。


さて、掲載した画像は東シナ海における白鳳丸による航海調査の風景(KH-21-2(2021年1/9-1/20)。東シナ海におけるニホンウナギのレプトセファルスやシラスウナギの調査が目的です。流域圏専門の私はこれまで「遡る」と言えば河口から上流を目指すイメージでした。しかし、ニホンウナギの産卵場所を考えれば、黒潮本流を低緯度地方に向けて「遡る」という事になります。


魚の卵や孵化直後の仔魚を採取するために、船でIKMT(Isaacs-Kidd Midwater Trawl)というネットを曳航するのですが、白鳳丸は全長100mで総トン数は4000トン。ネットの開口面積は8.7m2で長さは15mもあります。船上の共同生活が2週間を超え皆が少し疲れた頃、チームワークが本物に変わってゆくのが私は好きです。


何処かで頭を使いつつ、体を動かして汗を流す。五十路を越え、そんな仕事に仲間と共に没頭できる人生を心底満喫している今日この頃です。


【詳細プロフィールが掲載されている外部リンク】
http://www.nies.go.jp/researchers/100191.html
https://www.nies.go.jp/biology/aboutus/staff/kameyama_satoshi.html

【写真について】
白鳳丸KH21-2航海調査:CTD(Conductivity Temperature Depth profiler)による採水中の風景(2021年1月14日)

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