ズボラ飯への道【毎週日曜note更新します #8】
遥か昔、家庭科の調理実習のときのこと。
家庭科の先生の声が部屋に響きわたった。
「この食べかけの林檎、誰の？」
先生が指さした、そのリンゴは……
僕が包丁で剥いたばかりの
『一口も手を付けていない』リンゴだった。
＊＊＊
という出来事があったくらい、僕は家庭科スキル0です
ギリギリ、カップ麺とトーストの類が作れます
でも
『夏』って
『挑戦』してみたくなるもの
ですよね？
僕にでもできるような料理を作ってみたい
ズボラ飯とか
作ってみたい
そう思って検索したんですよ
ズボラ飯って
Google検索で
そしたらなんですか
全然ズボラじゃない飯が
さもズボラに作ったみたいなノリで
レシピ掲載
されているじゃあ
ないですか
ズボラってなんだい？
言葉の意味
わかるかい？
それともなにかい？
あなたたちは
いや
貴様らは
ズボラというワードを
釣り餌にして
インターネットの海を
フラフラ泳いできた
哀れな雑魚に対し
「私基準ではコレがズボラなんだよね（テヘ）」
とでも言いたいのかい？
いやあ
あんまり
こういうこと言いたかないですけどね
ふ
ざ
け
な
さ
ら
な
い
こ
と
で
す
ね
え
？
息を吸い────
吐く。
深く、深く。
そうすると
心が落ち着いてきます
そして、もう一度
調べてみようと思いました
今度は検索ワードを以下のように変えて
『超ズボラ飯』
答えは簡単。いつも単純。
どうしてもズボラりたいという
そういった『意志』の強さを
検索ワードに反映してやる
その必要があったわけですね
そしたら出てきました
次々と
調味料の分量まで書かれた
自称ズボラ飯がね
笑っちゃいますよね
まったく──────
あまり
俺のズボラさを
舐めるなよ
俺はな
こういうときに
強い言葉を使うんだ
弱いから
もう一度言うぞ
俺はな
弱いんだぞ
弱いんだぞ！！！！
洗い物が出ずにさ
分量なんて量らずにさ
包丁とかも使わないでさ
好きなものを
好きなだけ
食べてえのさ
けど
面倒くさくて
作らない
だって
面倒くさいから
ラーメンばかりを食べてしまう
意志も心も弱い雑魚
ああ
強くなりたいですね
【次回予告】
『ズボラ飯への道』 第二回
─ズボラ飯を考える─
じゃあな！
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