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[ライブレポ]ヒグチアイ―ヒグチアイ × いのまいこ Song & Dance Live『karamariai』 COTTON CLUB

初めて訪れるコットンクラブ。
初めて観るダンスと歌のコラボ公演。
この重厚で大人な雰囲気の空間で、ヒグチアイの楽曲たちがどんな風に表現されるのか楽しみにしながら、着席すると間もなく客席横を通り2人が登場。

「劇場」から始まる、からまりあい。
お互いに存在感を醸し出しながら、共鳴しあうようにヒグチが歌い、いのまいこが舞う。


いのまいこソロ公演「karamari」の最終公演にヒグチアイがコラボすることで「karamariai」という公演のタイトルが生まれたらしい。


以前、ヒグチの楽曲「劇場」を使って踊ったことがあり、1度会ってみたい!そう願っていた、いのさん。偶然にも、彼女のお兄さんとヒグチが知り合いだったことが判明。いのさんが兄にヒグチ宛の手紙を託し、それを読んだヒグチが彼女の熱意に応え、今回の舞台が実現した。と熱く語る。

彼女が、この経緯を語っている最中、ヒグチは「うん、うん、そうだね」と優しく相槌をいれたり、彼女の話がどんどん続きそうになれば、タイミング良くやんわりと「そろそろ次やろうか」と声をかけたり。よくしゃべり弾けるような明るさのある、いのさんの妹感に、それを受け止めて包み込むヒグチのお姉さん感。仲の良い姉妹のよう。よい雰囲気。

雨粒が跳ねるようなメロディーで始まる「ココロジェリーフィッシュ」。今日のいつもとは違ったスローなテンポで聴くそれは、しとしとと雨が降り注いでいるようで、会場の空気がひんやりと変わるような気がした。

ランプがひとつひとつ灯り、それに寄り添いながらしなやかに踊る「走馬灯」。「悪魔の子」「前線」では、いのさんの躍動感のある表現力に、ヒグチの力強い演奏が融合して響く。

ライブでは初めて聴く「サクラ」。多感な年頃の揺れ動く感情を美しい旋律にのせて歌い上げるヒグチ。舞台端にひっそり寂しげに佇むいのまいこ。少しノスタルジックな気持ちにひっぱられながら、ぼんやりとこの曲を聴いた。

そしてアンコールは、新曲「祈り」。初のアンセムだというこの曲で、一緒にコーラスをと促すヒグチ。一瞬声を出すことに躊躇いつつも、ヒグチからの、この先も一緒に進んでいこうというメッセージを受け取ったようなが気がして、それに応えたくて精一杯歌う。

およそ1時間ほどの公演だったが、いのさんのダンスに彩られたヒグチの楽曲たちが、その中に宿っている物語を、いつものライブとは違った形で魅せてくれた。こういうコラボの公演も素敵!また観てみたい。


ヒグチアイ × いのまいこ Song & Dance Live『karamariai』
2023/4/23(日) COTTON CLUB

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