見出し画像

素晴らしい漫画の素晴らしさを文字に起こす理由

久々に魂揺さぶられる、熱い漫画に出会った。
「チ。地球の運動について」という漫画だ。

まだ天動説が信じられている時代が舞台。
人々はC教(おそらくキリスト教)の教えに乗っ取った「天動説」を絶対的な神の構図とし、疑おうとはしなかった。
しかしそんな中でも、「天動説」に対して天文学的に違和感を覚え、
「もしかして、動いているのは、地球なのでは?!」と
現代で言う、いわゆる「地動説」に気が付き始める人々がこの漫画の主人公である。

「天動説」を否定すること、それはすなわち絶対的な存在である、神を否定することに繋がる。
そのため、「地動説」は異端な考えとして扱われ、この説に気が付いた人々は密かに研究を続けたり、実際にそのことがバレて処刑されてしまう人も出てくる。

しかし、たとえ殺されても、それはその人が唱えた「地動説」が消滅してしまうことを意味するわけではない。
地動説は何らかの形でしっかりと受け継がれ、次の世代に繋がっていくのだ。
受け継ぐ人の熱い信念と受け継がれる人の思いがあって初めて、物事は引き継がれる。そんな当たり前のことが決して当たり前ではないことの素晴らしさに気づかされる。

私たちは日々生活をしている中で、何かが受け継がれていくことを意識することはほとんどないだろう。
しかし、常日頃、当たり前のように用いている考え方(哲学など)や物理的な原則は、過去に提唱した人がいて、それが現代まで受け継がれているのだ。
そこには受け継ぐ人と受け継がれる人の熱い思いやエピソードが隠されていいるかもしれない。
そう思うと当たり前の日常がほんの少し鮮やかに彩り始める気がする。

作中ではこの「引き継がれ」が何度も引き起こされる。
「なるほどこんな形で引き継がれるのか!!!」と幾度も感動した。
そこには無限のロマンがあると思う。
何かが引き継がれるロマンを鮮明に描いた漫画、それがこの「チ。地球の運動について」という漫画なのだ!

さらにこの漫画を読み「信じる」ことの大切さを学んだ。
作中で「地動説」を唱える人々は周囲に批判されてもなお、その説を信じ続ける。
そしてその熱い思いが他の誰かに伝わった時、初めて「地動説」は受け継がれるのだ。

ついマジョリティーに流されてしまいがちな現代、何かに対して疑いも持っても、それを口に出せないことも多いのではないだろうか。
しかし、多様性社会が認められ始めている時代でもある。どんな考えや思想を巡らそうと自由なのだ。
だったら私は、自分が正しいと思うモノを信じたい。
もしかしたらその熱い思いが誰かに伝わり、さらにその人の思いがまた伝染し、歴史を変えることがあるかもしれない。

長くなってしまったが、兎にも角にも私は「チ。地球の運動について」という激アツすぎる漫画の素晴らしさを後世にも引き継ぎたい。
こんな風に文字に起こして残したのはそのためだ。
誰かにこの熱い思いがどうか届きますようにと願っている。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?