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映画「トラペジウム」を観てきた(ネタバレあり)

映画「トラペジウム」を観てきたので軽く感想を残します。
ところで、

ご結婚おめでとうございます!
映画を観てきた次の日の出来事だったので、なんだか運命を感じてしまった…。なんか”感”が働いたのかな。
(嘘。7月4日で続々と上映が終了していたため焦って観に行っただけ)
ふくらPが工藤くんと似ているとか言われている件については、キャラクター性は参考にしてるんだろうな~という感じです。
顔面含めて”似てる”なら、それは違うだろ…と言わせていただきます。



アイドル活動への熱量の違い

この手のアイドル物やバンドなどの活動物のシナリオのフックとして「解散騒動」だとか「脱退騒動」などがあります。
それらの原因って大体「活動への熱量の違い」(方向性とはちょっと違う)が根本にあってバンドのギターが脱退騒動を起こしたりします。
東ゆう以外の三人はアイドル活動にそれほど熱量がありませんでした。ではなぜ、東の誘いに乗ったのか。
共通しているのは、彼女らは学校に居場所がない(友達がいない)という事。同年代の女子と話す機会というのはこのアイドル活動以外になかったようだし、友達もいないようでした。アイドル活動を通じて失われていた学生時代のイベントをこなしていたように見えます。
なので、三人も東の気持ちをある意味で裏切っていたのでは…という感じはしています。
成人しても仲が続いていたからこの四人の友情は本物だと思いますが、これは東がアイドルとして大成していたからこそ続いている関係だと思うので、東が諦めない女で本当に良かった。

「他人を利用しておいて何にも感じないサイコな主人公」という感想ツイートが一時期バズっていましたが、この感想は間違いではないです。
ただ、東以外の三人もアイドル活動に乗じて(学園生活では諦めていた)青春を謳歌していたわけで、これに関してはどっこいかな~と感じてしまいました。結果的に東のやる気を利用した形になってしまっている。
東にはそういう「他人を利用している」描写がわかりやすいか形でこれでもかと盛り込まれています。
東の打算的な行動は悪意を持って表現され、視聴者の溜飲を下すために発狂する描写が入っているんですが…。
あそこ震えるほど良かったですが、誘導されてる感がしないまでもない。


東ゆうの責任

この作品にはわかりやすい悪い大人は出てきません。
そのため、責任の押し付け先が存在しないので、東の始めた事はだいたい東の責任として降りかかってきます。
私がこの作品を一番評価しているのはこの部分です。この「トラペジウム」は東がはじめた物語なので、全ての責任は東にある。
解散した後、フロントとして最後まで東西南北(仮)の東ゆうとして対応しており、他の三人に代わり過去に世話になった老人たちに報告したのが印象深かった。
東のやり方は確かに「若かった」。
しかし、若いからと言って責任が問われない訳はない。
最初から最後まで東西南北(仮)の東ゆうとしての責任を問われ、役目を真っ当した彼女の姿はこの作品で一番好きな部分です。


理解ある彼くんになりそうでギリギリならなかった工藤くん

工藤真司くんさ~~~~~~~~~~~良いよね…。
こんなに良い眼鏡がいるなんて誰も教えてくれなかった…。
(こういうメガネに反応しそうな視聴者層を掴めなかったのがつくづく勿体無いなと感じます…)

「トラペジウム感想投稿キャンペーン」より

工藤君はおそらく東からアイドル計画の仔細を聞いている唯一人間で、それを茶化さず「本気だ」と受け止めました。
そして東と喫茶店で会う事を「デート」と称していたように、男女が二人で会う事についての意味はちゃんと理解していました。東の「アイドルになる」事を真剣に受け止めていたからこそ、今後の事を考えて「最後のデート」を境に工藤君は劇中からはフェードアウトします。
それからラストまで工藤くんは一切出てきません。徹底してます。痺れる。
この映画のラストは工藤君が飾ったと言っても過言ではありません。

もしも東と工藤くんとの仲が続いていたら…。
某タイミングで「東さんが頑張っていたのはよく知ってるよ」などと囁く理解のある彼くんに成り下がっていた可能性があるんですよ。…チッ。
そうなると割とよくある恋愛アニメになっていたので、このあたりの匙加減もトラペジウムの唯一性を感じます。
まあでも、東の事を理解し良いタイミングで消え、最後の最後で良い出番を残した工藤君はある意味我々を理解した彼君なのかもしれないな…。


未来へ

dポイントでチケット買ったし、これで失敗してもそんなに懐も痛まんな…と思いましたがどっこい、面白くて最後まで目が離せませんでした。観てよかった~。
テレビシリーズだったら胃がキリキリして見れなかったと思うので映画で良かったです。

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