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寒々し 師走の朝に お茶漬けを かきこむ匙の 湯気もあたゝか 12月の早朝はとても寒い。身体を…
師走入り 筆を眺めて 傷だらけ そっと触れゝば 我がことのやう 意味:師走になり愛用の筆を眺…
冬の朝 きりゝと締まる 空気触れ 我が身も締まる 気持ちこそすれ 意味:冬の朝のきりりと引き…
暑き夜に 上がる花火が 咲く刹那 ぴたりと止まる うちわの扇ぎ 意味:暑い夜の花火大会。夜空…
愛娘 期待と不安の 新学期 花弁となりて 着いて行きたし 意味:愛する娘が期待と不安を持って…
我が肩に はらり降り落つ さくら花 側に居てよと 歩みもそろり 意味:私の肩に桜の花びらがは…
咆哮を 散らして龍は 空に消へ 海女美の庭に 桜ひとひら 訳:雄叫びを撒き散らしながら、タツは空の彼方へと消え去った。そして平和が戻った海女美の校庭に、のどかな春風が運んで来た桜の花びらが一枚そっと舞い降りた。
春風が 弥生の名持て そよぎ来ぬ 此処は灰殻 懐かしき街 訳:急に暖かくなり、春風が弥生三月…
陽だまりの 温さほのぼの 雪溶けて 潤む道の端 春遠からじ 訳:厳冬も過ぎ去ろうとしている、…
世の中の 憂さは多かれ 苛立つも 我が手我が筆 誰も止めれじ 訳:世の中には不条理や理不尽が…
陽も射して 路傍の雪も 緩やかに 融けて麗らか 立春間近 訳:厳しかった寒さが薄れ、穏やかな…
丑三つの 静寂にどさり とどろきて 窓開け見れば 塊の雪 訳:草木も眠る丑三つ時、静かに寝て…
晴れ渡る 西の空から まだ見えぬ ちらり雪雲 見えた気がして 訳:この冬一番の寒波が訪れると…
寒き夜は 薄き硝子の 向こうから ぴりりぴりりと 窓叩く風 訳:冬の夜は寒さもひとしお。風もその寒さに耐えかねて、薄いガラスをぴりりぴりりと窓を叩いて中に入りたそうだ。