もや。
「生まれてきたくなかった。」
「どうやって生きていったらいいかわからない。」
「こんなに辛いなら生きていたくない。」
精神科で看護師をしていると、
毎日こんな言葉を聞きます。
「死ぬほど辛いんですね」
と小声で言ってはみるものの、
「あなたにわかるはずがない」と言われることがある。
返す言葉がない。
私は今まで、生まれてきたことを恨むほどの苦しみを味わったことがなような気がします。
もしかしたら、たとえ苦しいことがあっても、生まれたことを恨まなくて済むほど、私の存在を絶えず喜んでくれる家族に恵まれたからかもしれません。
自分で自分を捉えられず、コントロールできない。
大切に思ってる人をも傷つけてしまう。
そんな自分が許せなくて、自分に傷をつける。
1人の人間が背負うにはあまりにも大きな苦しみを見ていると、「この人は生まれてきて幸せだったのだろうか」と考えたくないことを考えてしまいます。
ここで働く前の私は、
結婚して子どもを産んで母親になる、という未来を信じて疑っていませんでした。
だけどあまりにも生きづらそうな人を見るうちに、
「母親になりたい」「子どもを抱きたい」というその欲求だけで、なんらかの苦しみを抱えうる命を誕生させて良いのか、と思い悩むようになってしまいました。自分が生み出した子が、「生まれてきたくなかった」と思う瞬間があったとしたら、と想像するだけで怖いです。
もちろん、好きな人と自分の間に生まれてきたいと思ってくれる命があるのなら、是非とも会いたいし大切にしたい。
この欲求は消えることはないけれど、やはりそれは利己的な「欲求」でしかない、というところに引っかかっています。単なる欲求で生み出すには大きすぎる。
もやのかかった感情を抱えています。
2024/5/22
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