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タコパで人気者になりたいあなたへ(実践編)

ここからはたこやきを焼くフェイズについて説明します。焼き方にはいくつも種類があり今回は普段筆者が焼いている関西のたこやきに近づける焼き方を紹介し、関東でよく食べられているであろう「銀だこ」の焼き方や様々な味付けについてなどもおまけで紹介したいと思います。これを読み、来る日も来る日もたこやきを愛せばすぐにおいしいたこやきを生み出せると思います。

今回は、⓪生地以外の準備 ①油 ②焼き始め ③返し ④仕上げ の順にお話いたします。まずオーソドックスな焼き方を説明し、おまけとして⑤僕が教わったり調べたりしてやってる工夫について説明します。
準備編はこちら

⓪ネタ以外の準備 

さて、準備するものをまず箇条書きで説明いたします。

ネタ、ガスコンロ、鉄板(銅板)

 →準備編の通りです。

たこ

→たこやきの主役。屋台などのたこやきではたこは原価率を抑えるためたこは2~3g/個だったりもしますが、ぜったいにたこの触感があったほうがおいしいです。4~5g/個が良い。筆者は300gのたこを60個のたこやきに使い切るのでちょうど5g/個程度です。

ねぎ、紅しょうが、天かす

それぞれちゃんと意味があるので欠かせません。特にねぎはこだわるとはっきり変わる。普段は九条ネギを使っています。ちなみに銀だこではねぎの緑の部分をネタに、白い部分を「ねぎだこ」のトッピングに使うそうです。

そまのか

そまのかとは「ソース、マヨネーズ、青のり、かつおぶし」を指す業界用語。この順でトッピングが基本です。が、出汁多めのたこやきではマヨなんか邪道。後述しますがそのままや塩やわさびで食べるのも美味しいので必ずしも使うというわけではないです。お好みで。

千枚通し(竹串)、油引き、必要なら舟

千枚通しはたこやきを返すための串です。舟は別に皿でもいいけど、あると気分が上がります。千枚通しは何製がいいのか問題は人類の大きな課題ですが、樹脂加工がされている鉄板に金属製の串を使うと板を痛めてしまう(いたを……いためる……?)のでそこだけは気を付けましょう。自分は鉄製しか使ったことがないです。



①油 

さて、コンロに火をつけて始めましょう。温度は高いほどおいしくなるが難しくなる、また内側外側の焼ける速度に差が出やすくなるのでやりやすいように調整してください。油の量は穴の1/3程。多いと思うかもしれませんが焦げ付いて返せなくなるので腹をくくってください。油引きで板全体に油を引きます。

②焼き始め

まず生地を穴の半分~2/3まで流し込みます。タコ→天かす→(野菜など)→紅ショウガ→ネギの順に入れます。天かすの油分がタコをジューシーに焼き上げ、葱は最後に入れることで風味が保たれます。紅しょうがはあまり早い段階で入れてしまうと生地が赤く染まってしまうのでこの順番が良いとされています。(ネギと紅しょうが逆の場合もあります)素早く全部をいれたら残りの生地も流し込みます。初心者でたまに丸い穴の部分だけに注ぐ人がいますがそれでは円盤状になってしまいます。ふちまで流し込んでください。

③返し 

返しには大きく分けると半返しをする派、しない派がいます。半返しとは、たこやきを返すときに一気に180°回転させるのではなく90°回転させ、やけてきたらもう一度90°回転させる(本返しと呼びます)焼き方です。メリットデメリットを説明します。

半返しをするメリット

焼きやすい 単純に一気に180°返すより楽。
空洞ができたこの出汁が行き渡りやすい
 半返しの段階でまだ液体状の(生の)生地が半返しで空いたスペースに流れ込み、また本返しで流れ込むので、空洞ができやすくなり結果火が通りやすかったりたこの出汁が溶けだしたりします。ここが最大の利点。

つまり半返しを入れると外サクサク中ふわふわのたこやきができます。

デメリット(本返しのみで焼くメリット)

早い シンプルに工程数が減るので。そして全体的にふわふわなたこやきになりやすい。
・生地の味がそのままたこやきの味に直結しやすく、ねぎ、紅ショウガ、天かすなどの具の風味も出やすい

こんなところでしょうか。正直本返しのみで焼くのは慣れてないと無理なので、半返しでも簡単で美味しいです。難しけりゃ美味しいってこともない。


ここでは半返しを入れる方の焼き方で説明します。

焼き加減をプレートの縁の焼け加減で大体把握し、たこやきの表面が焼けてきたら半返し。千枚通しを一本で返す人と二本で返す人がいますが基本は同じで、主に利き手で回し反対の手はサポート。イメージは半球を縁取るイメージで回して耳(出っ張り)を潰すように丸く成型させる。ドアノブを返すように返せ、は小学校でよく聞いた言葉だと思います。


スタンダードなやり方(右利きの場合)どれも時計回り。

半返し→本返し: 右手は3時から6~7時方向に、左手は7時から11時方向に

本返し: 右手は12時から6~7時方向に、左手は5時から11時方向に

あくまで例なので、自分なりにやりやすい方法を探してみてください。重要なのは穴をあけないようにすること。穴をあけると風味が落ちる。また、鉄板にこびりついて返せない場合、最初に引いた油が足りてないです。増やせ。あるいはネタを入れるまえに天かすを入れ、油を出してあげるのもアリ。

そして、返すときは事前に区分けをしておきましょう。たこやき用の鉄板は区分け用に溝があるものも多く、超便利です。そして、半球内に無い生地を中に入れていく。この時に千枚通しをなるべく傾け内側に押し込んであげるのがコツです。


仕上げ

返しが終わり丸く成型できたら、生焼けは避けたいので焼き色をしっかり付け舟や皿に上げます。そまのかをお好みでかけましょう。たこやきソースは普通のソースより甘味があります。普通のソースにオイスターソースを混ぜ、さらにお好みではちみつをほんの少し混ぜてあげるとたこやきソースになります。マヨネーズは出汁がしっかり聞いてるならほぼいらないと思います。塩でたべるのも関東では馴染みはないが美味しいです。


⑤おまけ

ここからはさらに美味しく、もしくはバリエーションを増やす方向けです。

(1-1)銀だこの焼き方について

銀だこでは半返し有の焼き方でさらに「ゴリゴリに焼く」という工程が入ります。仕上げに入る段階で油をかけ、半分揚げるようなイメージで表面をカリカリにします。これは銀だこは本場のたこやきと違い持ち帰って食べることが多いので風味が落ちないように編み出されたものです(北京ダックに油をかけるところから閃いたそうです)。関東だと意外にこういうたこやきが好きな人も多いようです。ちなみに銀だこでは「揚げなし」と注文するとこの工程抜きのものを出してくれる。ちなみに揚げありのたこやきにする場合はネタにいれる水をそこまで増やさなくていいです。むしろ減らす人もいるほどなので。

(1-2)銀だこの味付け

銀だこの味付けで人気のねぎだこのみトッピングを紹介します。多分この辺はYouTubeに元プロ銀だかーの方がいるのでそちらを見たほうが早いと思います。

舟にあげたたこやきにかつおぶし、ねぎ、七味、きざみのりをトッピング。大根おろしをいれためんつゆにつけて食べる。おいしいです。ちなみにこの記事のヘッダーは自作のねぎだこです。

(2)僕流の焼き方

とある大阪のお店の方に教わった焼き方です。YouTubeにはけっこうプロの焼くたこやきの動画が上がっていて、多分全部見たんですがこの焼き方をあまりしている人はいないです。この焼き方は中も詰まっていてかなりふわふわに焼ける、しかしちゃんと火は通っていて生焼きを回避できるという焼き方で僕好みなのでこの焼き方でやってます。参考にしてみてください。

①たこ、天かす、ねぎ、紅しょうがなどを入れネタを全部流し込む工程でネタを少し余らせる

②火を通しているネタが少なくなる分早めに火が通るが、生地の原型が出てきたあたりで半返しする。これは成型の意味での返しではないので丸くなっている必要は全くなく、半球の穴からネタが盛り上がっていればよい。ただし区分けはしっかりしておき、ある程度は形にしておく

③そこで余らせていたネタ追加。返す難度は相当上がる(重くなるので)が最も火が入る鉄板表面部分に生地が停滞しないので全体的にふわふわに仕上がる。そして中が詰まっている分表面のカリッと感が薄く仕上がる

本場のお店はやはり沢山焼かないと行けないため半返しをしていないお店が多いので、こういう手目暇かけたたこやきを少人数では食べたくなります。



(3)他の焼き方

本当に色んな焼き方があって、銀だこの「ゴリゴリに焼く」イメージで白ワインをかけるお店があった(大阪のどっかのくくるだった気がします)り、だし醤油をかけて焦がし醤油風味にしたり。ネタにもともと青のりやネギを入れてあったり等。それぞれメリットデメリットがあるので、お好みでやって見てください。酒のつまみにするかご飯にするかでも違うと思いますが、未成年のためお酒のつまみの概念がわかっていません。酒呑みになったらまた考えます。



それでは良いたこやきライフを!

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