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お菓子の家フォーエバー

毎年恒例のお菓子の家ワークショップ。
Ravi3Cafe店内で焼いた、家やクリスマスの形のかわいい手作りクッキーをベースに、チョコペンやかわいいお菓子で自由にかざり、カフェドリンクを片手に、お菓子をつまみ食いしながら、家族やお友達と過ごす、特別な時間。
今は、Ravi3Cafeでのおいしいワークショップになっていて、てづくりくらぶ絵画造形教室の人はもちろん、お菓子の家目当ての会員外のお客さまも、多くご参加いただいている、人気の行事。

2020年のことがきっかけで、お菓子の家をご自宅でゆったりと作れる、お菓子の家キットを選ばれる方も増えていて、楽しそうでうれしくなる。
今はワークショップというかたちで、作りたい人だけが申し込みをしてくれるからよいけれど、以前は普段の造形教室の中で、小学生全員がお菓子の家を作っていたから、もう色々あって、そのたびに試行錯誤を重ね、ようやく今のスタイルにまでたどりついた。

ずいぶんと前から絵画造形教室でお菓子の家を作る、という教室はあって、そんな先輩教室を見ては、私もてづくりくらぶをはじめた頃から絶対やろうと決めていた。

しかも、食べることが大好きな私は、子どもたちがてづくりくらぶで作るお菓子の家は、楽しいだけではなく見た目もよく材料は手作りで、絶対においしくなくてはいけなかった。

その頃他教室でよくみかけたのは、牛乳パックをベースに市販のお菓子をアイシングで貼るお菓子の家。
私としては中の家も食べたいし、牛乳パックは見た目がイマイチ気に入らなくて、いちばんはじめにお菓子の家を作った時のベース部分は厚く焼いたホットケーキを家型に組み合わせられるかたちにカットしたものを使用。
そこに、マーブルチョコや手作りクッキーを貼って。
まだ、生徒さんが同じマンション内から通っている子たちだけだったので、紙皿の上に作った今にも崩れそうなお菓子の家にラップをかけて、そっと持ち帰ってもらった。
おいしかったけど、来年はもう少し頑丈にしよう、と2年目以降は壁用の四角いクッキーも作ってみたり、乳アレルギーの子用のクッキーも焼いたりして、少しは頑丈になったような、ならないような。

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そしてその次の年は、教室が近所へお引っ越しをしたので、さすがにラップでお持ち帰りとはいかなくなり、頑丈な牛乳パックベースへ挑戦。
牛乳パックは裏返して白いおうちのように組み立て直し、手作りクッキーやチョコをたくさん貼って、みんなだいたいはいい感じに出来上がった。
牛乳パックのベースを作るところからはじめたので、それも楽しかった。
いよいよお菓子を貼っていくのだけど
白い壁がきれいだからと、そこにチョコペンで絵を描く人が現れ、、
それじゃあ食べるところがないじゃぁない、となってしまう人と、クッキーの上にまたお菓子を重ねて重ねてびっちり貼り付ける人と、ひとりひとりのお菓子の量にずいぶん差ができてしまうことに、、、

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そしてやっぱり、次回からは壁も全部クッキーの家を作りたいとなり、試作をしてその次の年から今のお菓子の家のベースが出来上がった。

実は牛乳パックの家も、やってみると楽しかったので、今の藤沢本町教室へ引っ越した後、幼稚園生&ママのためのお菓子の家作りワークショップで1時期復活している。
このお菓子の家、牛乳パックからクッキーやお菓子をはがして食べた後、また家にあるお菓子をはって、またはがして食べる、をずっと繰り返しできるという楽しみ方をしているという子の話を聞いて、なるほど!と感動したこともあった。

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現在の藤沢本町に教室をお引越しした後も、お菓子の家作りを12月におこなうために、今度は自宅で焼いたクッキーを段ボール箱に割れないように入れ、車で運ぶというのがまた大仕事に。
連日足りなくなったクッキーを焼いては運び、車で路駐して3階まで運んだら、路駐していることをすっかり忘れ、帰るまで気がつかずハザードランプをつけたまま何時間も放置でバッテリーが切れ、明日もまたお菓子の家なのに、帰りにエンジンがかからない、という事件もあり
その日なぜか前の道、すごく渋滞してた、と子どもたちが言っていて、なんでだろうと思っていたら、多分私の車放置のせいだったのに違いない、、という失敗も乗り越え、、

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お菓子の家作りは、家から離れ、靴で歩く教室になったので、床にはクッキーを落とせなくなり
マスクをしてより慎重に作る。
普段はやさしい先生が少し厳しめ。
楽しいお菓子の家作りだというのに。
ひとつひとつ手作りしたクッキーに愛があり過ぎて

大体の子は楽しく丁寧に作ってくれるのだけど、ほんの一部に存在する
望まない行動をしてくれる子。
お菓子で素敵なおうちを作ることが目的なのだけど、お菓子の盛り放題がお得と思ったのか、お皿にどんどんお菓子を乗せ、お菓子の家がゴミ屋敷化してしまうという悲しい出来事があったり
あるいはシンプルがいいと言って、ほぼお菓子を飾ろうとしない子がいたり。
家の中もお菓子のドールハウスのように素敵に作ってほしいのに、家の中にお菓子を入るだけ詰め込もうとして家が崩壊し再起不能になってしまったり

このような事態をどうやってネガティヴな言葉がけをせずに回避できるか、考える考える。

まず家の中を素敵に作ってもらえるように、家の中が覗ける天窓つきの屋根に変えた。
すると家の中も覗けるから、家の中もこだわって作るようになる。
お菓子の家の仕上げは、素敵に出来上がったおうちをかっこよく写真に撮って、1月の制作で使うことにする。
写真に撮るから、見た目もきれいに作ってね!と。

それでもやっぱり、みんながみんなお菓子の家作りをすごーくやりたいわけではないし、家に持ち帰ってもなぜか食べさせてもらえない子がいたり、次の日から旅行へ行くので、帰ってきた頃には賞味期限切れと思われ、捨てられていて、3年連続作っているけど食べたことがないと言っている子がいたり
これに関しては私の説明不足もあるので、冬休み中くらいは食べられます!
ひとつひとつ、国産の材料で私が丁寧に焼いたおいしいクッキーです、とお家お方へももっとよく伝えなくてはいけなかった。

子どもだけで作っているので、子どもにとっては難しい部分もあって、ちゃんと順番通りにくっつけたり、自分流では無理なこともあるので、うまくいかずクッキーを投げてしまった子。
食べ物を、私が心を込めて作ったクッキーを、粉々にしてしまった子。
楽しい雰囲気が凍る。
気持ちはわからなくないよ、でも
お迎えに来た大人はびっくりするけど、他の子どもたちは自分の作業をちゃんとして、無事に帰っていく。

お菓子の家、やめようかな
でもほとんどの子は楽しみにしているから、またつづく。
今まで普段の教室内で作っていたけれど
作りたい人だけが参加してくれるようにしたい。

2016年からてづくりくらぶにカフェができて、お菓子の家はカフェのワークショップとして、申し込み制になり、大人が付き添うことになり
今まで子どもだけで作っていたお菓子の家作りを付き添ったおうちの方が目の当たりにして、その大変さや楽しさ、貴重さを共感してもらえたことは、とても嬉しく

また、カフェで自分の分を自分の材料で作るので、つまみ食いもOKになり、
たくさん貼り付けてもいいし、シンプルでもいい。残ったお菓子は持ち帰ったり食べてしまったりできるようになった。
参加したい人だけが参加してくれるようになって、みんな楽しそう。
クッキーも店内で焼けるようになったので、運ぶリスクもなくなった。

そしてついに、カフェ担当のクッキーのプロが、お菓子の家用のクッキー作りも担当してくれるようになり、クッキーの準備も分担作業ができるように。
それでも年々増える申し込み数に手作りで対応する作業は果てしなく、終わらない筋トレのように黙々とつづく。
それでも、お菓子の家作りに参加したみなさんが、楽しかった、おいしかった、と言ってくれるから。
毎年楽しみにしていてくれるから。
何よりやっぱり私がいちばん楽しんでいるから
(狂っているともいう。。)

楽しすぎる、おいしいお菓子の家、フォーエバー
まだまだもっと、おいしく楽しくしたい、お菓子の家。
今年も来年も、また12月に、つづけられる日まで。


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