INPEX株価急落!危機かチャンスか?押さえておくべきキーポイント

最近、INPEXの株価に急落が見られます。一週間と数日で約17%もの価格低下が見られ、多くの投資家がこの動きに注目していると思います。この記事の目的は、INPEXの株価急落が危機の兆候なのか、それとも新たな投資のチャンスが広がっているのかを明らかにすることです。この疑問を解決するために、以下のキーポイントに焦点を当て、詳細な分析を行います。


INPEX株価下落の背後にある要因解析

株価の動きの概要

直近INPEXの株価は大幅に下落しました。この現象はINPEXに限らず、年初から高い配当を提供していた他の銘柄も同様に大きな価格低下をしています。しかし、特筆すべき点として、そのような状況下でINPEXの株価は反発することなく、一方的に売られ続けました。この株価下落の主な原因として、日本の高配当株が売られる動きに加え、原油価格(ブレント)が95ドルから85ドルへと大きく下落したことだと分析しています。

INPEXの株価

市場全体の状況

市場全体の状況は非常に混乱しており、TLでは"退場"や"追証"といった言葉が飛び交っていました。

株価下落に困惑する投資家(イメージ)

しかし、この程度の下落で過度に動揺するのは賢明ではないと私は考えます。市場は常に変動するものであり、冷静な判断が求められる場面も多いです。特に長期的な投資戦略を持っている場合、一時的な下落に一喜一憂することは避けるべきと考えています。

考えと今後の見通しと反省点

ただ、正直に言うと、私も株価が決算後の水準まで再び戻るとは予想していませんでした。INPEXは、過去数年にわたり、自社株買いと増配を続けています。
前回の決算からの上昇も、その還元姿勢が評価されていると考えていました。そのため、PERが10倍であれば許容範囲内と見ていました。また、PBRもまだ1倍を大きく下回っている状況から、株価は下値を切り上げつつ上昇すると予想していました。しかし、結果として、株価は大幅に下落しました。
この経験から得られる教訓は、INPEXは原油価格の影響を大きく受けるため、一般の株に比べて株価のボラティリティが高いということです。そのため、INPEXに投資する場合、短期・長期の投資目標を明確にし、それに基づいて戦略を練ることが非常に重要ということです。いくつかのアプローチを考えたので後述します。

知らなきゃ損するINPEXの魅力!

現在、株価が下がっているINPEXについて、その魅力が失われたのかどうかを考える必要があります。株価の下落は多くの要因に起因する可能性があり、それが企業の基本的な健全性に問題があるわけではない場合もあります。例えば、原油価格の変動、地政学的なリスク、または一時的な市場のセンチメントなどが影響を与えている可能性があります。そのため、INPEXに投資する際は、これらの要素をしっかりと分析し、短期・長期の投資目標に合わせて戦略を練る必要があります。特に、INPEXは原油価格に大きく依存している企業であるため、その動きを密接に監視することが重要です。この章では改めてINPEXにどのような魅力がありポートフォリオに組み込むにおいてのメリットを説明していきます。

原油高と円安で儲かる!?INPEXの賢いヘッジ戦略

引用元:https://www.inpex.co.jp/ir/library/pdf/presentation/Presentation20230810-b.pdf

INPEXの純利益はブレント原油価格や為替の僅かな変動に影響され、原油価格が1ドル増えると60億円、円がドルに対し1円安くなると32億円の利益増となります。
資源に乏しい日本ではエネルギーの大部分を輸入しているため、この変動リスクを理解することは我々にとって重要です。円の動きや原油の価格変動は我々の生活に直接の影響を及ぼす可能性があるため、リスクを適切にヘッジするINPEXを長期的な資産として持つことは、安定した将来を築く上で欠かせないと言えます。

世界情勢とINPEX。地政学的リスクの巧妙な管理

現在、世界情勢は大変不安定となっています。特に、注目すべきはロシアや中東の動向です。ロシアは、ウクライナとの戦争を継続中で、この戦争は石油価格や国際的なエネルギー市場に大きな影響を及ぼしています。一方、中東では、イスラエルとハマスとの間の緊張が高まっており、イスラエルは“戦争状態”を宣言しています。これらの状況は、中東地域の政治・社会的な不安定性をさらに増幅させ、地域全体の安全保障にも影響を及ぼしています。これらの動向は、エネルギー市場、特に石油やガスの供給と価格に影響を持つ可能性が高いと考えられます。
これらの事象に対して専門家たちは様々な意見や見通しを立て、解説をしていますが、ロシアの戦争がここまで続くと予想できていた人は少なかったことを考えると。そもそも我々と文化や考え方が異なる人々の行動を予想するのは、非常に難しいと言えます。しかし、それよりも重要なのは、そういったリスクが存在する中で、日本に住む我々が原油高騰のリスクにどうしてもさらされているという事実を理解し、当事者意識を持つことだと思います。
INPEXは権益をオーストラリアやUAEやノルウェーに権益を分散しておりそのどれも友好国であるため権益の接収リスクも低く、資源や地政学的リスクに対して有効であるといえると考えています。

安定した配当と企業成長。INPEXの株主還元への堅実な姿勢

INPEXが原油や円安で業績が変動することは理解できたと思います。ですが、株主に対してどのような姿勢でいるかその内容を過去のデータから分析する必要があります。
INPEXは株主への還元は非常に積極的だと評価することができます。PBR1割れを意識し具体的にどうしていくか簡潔に説明をしています。私はこの姿勢を非常に評価しており。INPEXは長期的にはPBR1割れを解消すると考えています。

出典:https://www.inpex.co.jp/ir/library/pdf/presentation/Presentation20230810-a.pdf
出典:https://www.inpex.co.jp/ir/library/pdf/presentation/Presentation20230810-a.pdf

TLなどでは増配などが評価されますが、私がINPEXの還元姿勢で評価しているのは自社株買いです。以下の図はINPEXの還元の推移ですがこれを見るに配当は派手には上げずに淡々と挙げており。自社株買いを沢山しています。

出典:https://www.inpex.co.jp/ir/library/pdf/presentation/Presentation20230810-a.pdf

INPEXは原油価格の変動により業績が不安定なため、自社株買いがその対策として非常に重要と考えています。具体的な数値を見ると、2021年には総発行株式数が1,462,323,600株であり、2021年に73,689,900株を買い付けて75,656,433株を消却しました。これにより、株式数は1,386,667,167株に減少しました。2022年にはさらに79,762,500株を買い取り、株式数を1,306,904,667株にまで減らしました。そして、現在は17,816,500株を追加で取得し、総株式数を1,289,088,167株にまで圧縮しています。

出典:https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20211224_b.pdf
出典:https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20221213.pdf
出典:https://www.inpex.co.jp/news/assets/pdf/20231006_b.pdf

自社株買いを行い発行済み株式数を減らす。これはEPSが向上します。EPS(一株当たりの利益)は次のような式で計算されます。

その為、純利益が3000億でると仮定して自社株買い前と自社株買い後を比較すると同じ純利益でもEPSは自社株買い前のEPSは約205.13円、自社株買い後のEPSは約232.80円と大幅に変わることになります。

そして我々の配当はこのEPSが非常に重要となるため。INPEXのこの自社株買いは配当の安定化と株価向上効果があると考えていて私は評価しています。現在株価が落ちてしまいましたが。またこれもより多くの自社株買いを行い株数の圧縮へとつながるのでいいのではと考えています。

自分ならここで狙う!買いポジ戦略

過去のデータから考えるINPEXの買いタイミング

以下のデータを説明しますとINPEXの信用倍率と株価の推移です。

赤い線は「信用倍率」を表しており、y軸の左側がそのスケールです。 青い線は「株価」を表しており、y軸の右側がそのスケールです。
これを見ると信用倍率の過熱感が落ち着いたタイミングで上昇が始まっていることがわかります。


上記のグラフには、時間経過に伴う「ブレント原油価格」と「株価」(拡張版)が表示されています。

紫の線は「ブレント」原油の価格を表し、青い線は「株価」を示しています。ブレント原油価格と株価には一定の相関関係が見られます。この分析から、原油の価格が重要であることが理解できます。両方のグラフを概観すると、原油価格が安定し、信用倍率が調整された時期は比較的リスクが低いように見えます。
二つの表を俯瞰して考えると。原油価格が落ち着いてきて信用倍率が整理されたタイミングだと比較的負けにくいように見えます。

またほかには、原油価格の動きを考えると、重要な要素としてOPECのリーダーであるサウジアラビアの損益分岐点を考慮する必要があります。サウジアラビアの損益分岐点が80ドルであることを考慮すると(ソース)、この価格がサウジアラビアにとって重要なサポートレベルとなります。もし原油価格がこのレベルを下回ると、サウジアラビアが減産を行い、それによって価格のさらなる下落を防ぐ可能性があります。これを考えるとINPEXの業績もある程度の水準に落ち着くのではないかとも考えています。
以下のことを考慮して投資をしてみるといいのではないかと思います。とはいってもイスラエルがあのようになっていることから買い場を探すのは難しいと改めて思いますね。

最終的には、投資は個人の判断に委ねられており、各投資家は自身のリスク許容度と投資目標に基づいて慎重に判断する必要があります。今回はその助力になれればと筆を執りました。あなたの投資がうまくいくことを祈っております。ここまでの文章を読んでいただき、ありがとうございます。

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