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ベッドの上でも教える父

★この記事は2018年3月に他ブログで書いたものです★

高校教師だった父は、定年退職後、小さな塾を営んでいました。
きっかけを話すと長くなるので、それはまた別の機会に書くとして。

学校の授業についていけない子供たちをできるようにするのが得意で、
それが噂となり口コミでずっと続いていたんですね。

ところが、5年ほど前に末期ガンになり寝たきりになってしまったのを機に、それまで通っていた生徒さんたちの指導を中断することになりました。

ところが!それから一年もたたないうちに、

「〇〇先生は、余命宣告通りにならず、どんどん元気になっていっているらしい」と

父の噂を耳にした元生徒さんたちから

「先生は寝たままでいいです。ベッドの横ででもいいですから、また教えてください」との声が寄せられたんです。

ということで、今でもベッドの上で教え続けています。

もともと個人指導だったからできることなのですが。

手術の傷跡はまだ痛むだろうに、教えるのはしんどくないのか?
と父にたずねたところ、
「教えるのは好きだから、苦ではない」
「それに、俺の教える技術はすごいんだからね。それをね、病人だからって使わないのは宝の持ちぐされないんだよ!」との返事が。恐るべし、わが父。

「寝たきりでも働いてるパパは、すごいね、お母さん。こういう人、そうそういないよ」と、愚痴をいいそうになる母をマインドコントロールする娘でありました。


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