【Reiwa枕草子】吠え続ける犬のなだめ方
<そんな方法があったとは!>
近所の犬の鳴き声(吠え)が連日すさまじかったの。悲痛なうめき声といったら言いか。我が家と路を挟んで斜め向かいの家で飼っている犬なの。
そこは(昔は畑だったところ)新築の家が並んで建っているエリアで、同じ町内会に入っていないということもあって、そこに住んでいる人たちとは、近所といえど全く交流がなく、声を掛け合ったこともないの。
そんなだから、犬がずっと吠え続けていても、その飼い主に言いに行くのもなあ…なんて思ってたのよ。
そうは言っても、朝も昼も夜もずっと吠えてるし、飼い主が自宅から出てきてなだめている様子も全く見られない。
それで母に言ったのよ。
「ねえ、あそこの犬、飼い主はほったらかし。散歩に連れて行ってもらえないから、ストレスが溜っているんじゃない?吠えてるっていうより、悲痛な叫びって感じだから。もういい加減、飼い主に言いに行ってくる」。
「やめなさい」と、母。
そんな会話がしばらく続いていたのよ。
ある日、小学生らしい女の子たちが、その飼い主の家の庭掃除をしているのが、窓から見えたの。
「あの子たち、あそこの家の子たちかなあ」
「違うわよ。あそこの家の子は、3、4歳ぐらいだから」
しばらく観察していると、彼女たちは犬のリードを握って、その家の庭から出てきたのよ。
「え?もしかして、飼い主の代わりに散歩?」
「そうみたいよ、ここ2、3日そうしてるみたい。夏休みだし、あの子たちよっぽど犬好きなのね。」
「!」となったわ。
そういう手があったのね。注意しに行くのではなく、
「ワンちゃんを散歩させてください」と頼みに行ったということか。
子供ってすごいわ。大人の私には思いもつかなかったわ。そんな方法。
それでもって、飼い主が散らかしっぱなしにしていた犬の〇まで掃除して行くなんて、大したものだわ。えらい、えらい。
その日あたりを境に、その犬は吠えなくなった、というわけ。
子供の発想ってすごい。