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OBS向けノイズキャンセル比較

※過去に書いた個人ブログからの転載記事です。転載にあたって加筆修正しています。

OBSで使えるノイズキャンセルの比較記事です。ノイズキャンセルで声が消えたり不安定になってる配信が多かったので書きました。

導入方法についてはこの記事では特に触れていません。比較にはまとめの表だけ見れば十分かも。

従来型のノイズキャンセルとAI利用のノイズキャンセルについて

ノイズキャンセルには大まかにAIを利用しているノイズキャンセルと利用していないノイズキャンセルがあります。

AIを利用しているノイズキャンセルはノイズを消す能力は高いですが、AIがノイズを判別する関係で誤判定があり、喋っている声まで消してしまうことがよくあります。その特性を知らずに声が消えてる配信はとても聞きづらいのでほんと止めてほしい・・・。

AIを利用しないノイズキャンセルは、よほど強くかけない限り声が消えることはありません。ですが、キーボードのタイピング音や後ろで聞こえる生活音などをほとんど消しません。あくまでファンやエアコンのような、一定のノイズ音を消す目的と思ったほうがよいです。また、声質が変わるものも多い印象です。

これは一般的な傾向なので、声が消えにくいAIノイズキャンセルなどもあります。

各ノイズキャンセルの紹介

ノイズゲート

ノイズキャンセルとは異なりますが、意外と悪くないのでノイズゲートも紹介しておきます。

ノイズゲートは一定以下の音量をカットして、一定以上の音量だけを通すようにするフィルターです。適切に設定すればエアコンやファンの音への対策としては十分機能しつつ、声質を変えることがありません。

うまく設定しないと声が途切れ途切れになってしまうので注意が必要です。

OBSノイズ抑制 RNNoise

OBSデフォルトのノイズ抑制は2種類選べますが、このノイズ抑制が曲者でどちらもあまり品質がよくないです。

RNNoiseは高品質、CPU利用率高めとありますが、品質の差というよりはAI利用の有無という違いが大きいです。RNNoiseはAI利用でノイズを消す能力は高いですが、強さの調整ができず、特に女性の高い声や叫び声を消しがちです。

本音としては配信者にはこのノイズキャンセルを使わないでほしいです。声が消えてる配信の主原因だと思っています。

OBSノイズ抑制 Speex

CPU使用率低め、低品質とありますが、RNNoiseに比べてAI非利用という違いが大きいです。声質が若干変わること以外にデメリットがほぼないですが、タイピング音のような単発の音はほぼ消えません。エアコンやPCファンの音を消す目的なら十分使えます。

NVIDIA RTX Voice

AI利用タイプのノイズキャンセルです。特に女性の高い声を消しやすいらしいですが、私の声で試した範囲ではほぼ問題なかったです。OBSの他に別途アプリを立ち上げる必要があるのが難点ですが、無料なのでとりあえず試してみて損はないと思います。

NVIDIA Audio Effects SDK

前述のRTX VoiceをOBS内で使えるようにしたソフトです。RTXから始まるグラフィックボードのPCでないと利用できないのが難点ですが、利用の簡単さや誤認識の少なさなどバランスが高くおすすめです。ですが、AI利用であることにかわりはないので、声が消えていないかしっかり音声テストを行ったほうがいいです。

iZotope RX Voice De-noise

AI非利用のノイズキャンセルプラグインです。クオリティは高く声を消すこともありませんが、最新版はOBS単体での利用ができません。RX 9以前のバージョンをなんらかの方法で入手するか、仮想オーディオデバイスなどを利用してOBS外でプラグインを音声に挿入する必要があります。

過去記事にて、iZotope RXをOBSで使う方法を紹介しています。

Clarity Vx

AI利用のノイズキャンセルプラグインですが、こちらは声を消すことは少ないです。また、かかる強さをノブだけで調整できるので用途に合わせた設定がしやすいです。

ですが、これもOBS内部でプラグインを利用することができないので、外部でプラグインを挿入する必要があります。挿入方法さえ用意すれば価格的にも比較的安くおすすめです。よくセールをしています。

Krisp

Discordが搭載しているノイズキャンセルです。AI利用で声を消すこともありますが、消えにくい方だとは思います。これはRTX Voiceと同じように別途アプリを起動して利用するタイプです。

1日60分間だけ使えるフリーのプランもありますが60分の制限があり、配信用では月額制のプランを購読する必要が出てくると思います。

Brusfri

マイナーなノイズキャンセルですが、クオリティやデメリットの少なさから個人的におすすめのプラグインです。AI非利用なので、タイピング音などはほぼ消えませんが、そういうノイズもやや角が取れる感じがあります。起動ごとにノイズを学習させたほうが精度があがりますが、少し手間。

VST2プラグインとしてOBS内で利用できます。

まとめ

表にしてみました。価格は2023年1月8日時点のものですが、音声プラグインは入手方法やセールなどによって結構変わってくるので参考にとどめてください。

個人的にはBrusfriがおすすめですが、これでは生活音は消えないので、生活音を消したい用途だとAI利用のノイズキャンセルのどれかを使い試行錯誤する必要がでてきます。

また、根本的にノイズ対策はノイズ源をなくすのが最も効果があります。マイクを口元に近づけるなどして、ノイズに対して信号の強さを強くすることも効果的です。ノイズキャンセルだけで無理にすべてのノイズを消そうとせず、自分の録画を見返すなどして、適切な設定を見つけ出しましょう。


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