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場違いなレビューを書いた。

 「天」から学ぶ臨床推論 (Looking awry)

レビュー対象商品: 天-天和通りの快男児 5 highstone comic (Kindle版)

内科医が「医療マンガ」に分類されるマンガから学べることは殆どといってよいほど存在しない。ただ「こんな医者(研修医)いたら嫌だなぁ」という嘆息が漏れるのみである。

一方で、「天」をはじめとする福本伸行の諸作品は、「医療マンガ」には決して分類されないが、意外なことに臨床推論に於ける金言に満ちており、内科医が読んで学べることは多い。
いや、意外な事ではないかもしれない。ギャンブルも医療現場も、「限られた所与の情報に経験・推論を加味して未来の正解を予測する」点では共通しているのだから………

代表的なところを挙げると、この5巻で「麻雀の読み」についての解説が入る部分がある (キャプチャ写真)
このような薀蓄を披露されると、内科的な臨床推論について似たようなことを言ってみたくなる誘惑にかられる。
「臨床推論には大別して三通りあると言われている。
『徹底的検討』・『ゲシュタルト把握』・『一発診断』の三つだ。」…
(本漫画とまーったく関係ないので各々について詳述は避ける)

ちなみに評者は麻雀においては不敗を誇っている。
(但し勝ったこともない。というより、雀卓を囲んだことがない)
このような「非=麻雀人口」をも取り込んでしまう魅力は、福本伸行のストーリーテリングの巧みさによるものであろう。

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