日記20200614

友人とランチに行く約束をしていた妻から「いろいろあり、ランチは流れましたので帰ります」とLINEがあったのは12時ちょうどで、妻はほんとうにすぐ帰ってきた。むくれている。何があったのか訊くのも憚られるほど、気が立っているようだったので、そうっとしといたら、ふっと話しはじめた。
「店の前でスマホ見たらLINE来てて『行く予定だった店、さっき電話したら予約でいっぱいだった。どうしよっか』って。でももう私お店の前で待ってるし」と始まった。
「彼女が行きつけのレストランなんだけど、近々店じまいすることになって。閉店する前に一緒に行こうって誘ってくれたんだよ。誘ってくれたから予約してくれてると思うじゃん。それなのに『どうしよっか』とか言われても、知らんがなと思って帰ってきた」

別にいいじゃん、そのあと合流してどっか別の店で一緒にご飯食べてくればよかったのに、娘は俺が飯あげて昼寝させといたのに…と最初は思った。
僕が妻の立場だったら、友人にめっちゃ文句言いながら別の店へ行き、そこでも話の折々で「予約しなかった不手際」を詰り溜飲を下げるのに。めちゃ性格悪いけど。

でも、お店の前で、妻の気持はぷっつん切れたのだ。妻が友人にどんな返信をしてから帰ってきたのかは訊けてないけど、改めて考えてみると、めっちゃかっこいいな、と今は思ってる。不愉快なスタートだったらもういっそのこと無しにするという、その潔さはクールだ。じゃあもう行かない、とすることで、お店を心底楽しみにしていた意思も示せるし。
暑く湿った空気のなか外出して、汗だくで店の前まで行ったのに、そこからまた店探しするのもしんどいだろうし。だったらもう今日はやめてまた今度仕切り直そうや、って言い切れるのいいなと思う。僕にはできん。僕は、友人に嫌われたくないとか思ってしまって、文句を言いながらも炎天下のなか待つタイプの人間だ。根本的にダサい。妻のほうが友人を信頼してるんだと思う。今日はもう無理だけど、まあまた今度ね、と言える仲なんじゃないかな。

大森靖子の「デートはやめよう」みたいな人間関係が美しいなと思っています。

まあここに書いたのは僕の一方的な妻解釈であって、事実はどうか知りませんが……。

とにかく今日は妻に僕がどう思ったかを伝え忘れていて、そのせいでなんだかぎこちなく1日が終わった気がする。

夕飯に作ってくれた豆腐チャンプルー人生でいちばん美味しかったです。ご馳走様でした。


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