県民健康調査、甲状腺エコー検診結果を年齢別に検討してみました。

2014年8月4日


 平成26年9月に先行検査として行われ、今年9月には36万人に対するエコー検査の最終集計結果がでることになっています。鈴木眞一氏は先行検査により見つかっている甲状腺がん患者に関しては、放射線の影響ではなくスクリーニング効果であると言っています。また、鈴木眞一氏は過剰診療ではないかと問われ、実際に手術を行った症例は全て手術を行う必然性があった者であると答えています。そんな中で、2014.6.18の福島民友新聞に高校生の受診率が51%と低いこと、また今後は受診率を上げるため学校検診を行って行く予定であると載っていました。全ての集計が出るまで確定的なことは言えないと思っていましたが、年齢的な視点から見ると危険な印象を感じたので調べてみました。
2014.6.18福島民友新聞
全体の受診率は約80%
16〜18歳の年齢層に限定すると、H25年度の受診率は約30%
 新聞にあるように16〜18歳に限定すれば51%と低い受診率であり、特にH25年度は約30%の受診率しかありません。未受診者は32588名もいます。

 また、実際には29万人が1次検査を受診している訳ですが、3月31日時点では2次検査対象者は2070名。その中で2次検査を受診した者が1754名、しかし3月31日時点で2次検査の結果が出ていなかった者が156名。3月31日の時点で未受診と未確定を合わせると472名が、2次検査の結果が出ていません。要するに結果が分かっている1598名の中から、90名の癌・癌疑いの子どもたちが見つかっているということになります。
 となると単純に比例関係があるとして、472:X=1598:90 X=472×90/1598=26.6となり、未受診・未確定の中から26.6名の癌・癌疑い患者が出ると見込めます。


 そして、16〜18歳の年齢層から約半数のがん患者が出ているという事実から考えると、(90+26.6)/2=58.3 となり、この年齢層の受診率が約50%である訳なので、残りの半数からも58.3名のがん患者が出る可能性があると思われます。15歳以下の計算はまだしていませんが、9月の集計時点では全体で174.9名+αのがん患者が出る可能性があります。


 スクリーニングにより見つかっているとすればどの地域も同じ割合で出るはずなので、ここまでの考え方はそれほど間違っていないと思われます。となると、鈴木眞一氏は手術を行っている子どもたちはリンパ節転移や半回神経浸潤等の問題があり、手術は過剰ではないと言っている訳なので、未受診の32588名に早くスクリーニングを受けるよう伝える必要があるのではないでしょうか?原発事故時に16〜18歳の子どもたちは、現在進学や就職で県外に出ている可能性も高く、しっかりとした広報がなされなければかなり問題になると思うのですが、、、
 未受診者が多いのは比較的放射線量が少ない地域なので、もしこの地域の癌患者が少ないとすればスクリーニング効果説が否定されます。どちらにしろ、事故当時16〜18歳の年齢層の者にしっかりと受診するように広報することが最も重要と思われますが、いかがでしょうか?

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