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田舎の差別化


はじめに

私は今学期、オンライン上で徳島県の美波町と、千葉県市原市との交流をもった。それぞれ場所も文化も規模も異なる町である。しかし第三者である私からみると「田舎」という言葉で一括りしてしまいそうになる。そこで、「美波町と市原市の比較(加茂地区)」というグループのテーマのもと、それぞれの特徴や魅力を見出しながら、一学生のツボに刺さった事柄についてまとめたい。


グループでの研究から

グループの研究では「働く環境」について調査したのだが、まず私は、首都圏の大学に通う学生の大半は、首都圏での就職を希望するのではないか、という仮説を立てた。なぜなら、今現在首都圏に住んでいる学生は、交通機関の利便性、娯楽施設や飲食店、ショッピング施設が充実していることなど、都会に住むメリットを実感していると考えられるからだ。では、交通機関の利便性をあげたり、娯楽施設や飲食店の数を増やせば田舎に人は増えるだろうか。たしかにこれらを実行すれば済みやすさは格段に上がるだろう。しかし、そのような「住みやすい町」は既にたくさんあるのだ。だからいくら住みやすさを整えたところで、数多くある普遍的な町のひとつになるだけである。したがって、住みやすさを追求するのではなく、他の町にはない点をアピールし、差別化を図ることが、町の活性化に繋がると考えた。そこで、私の思う美波町と市原市の差別化すべきアピールポイントについて挙げたい。

美波町の場合

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私がオンライン上での美波町との交流で、一番魅力を感じたのは海である。神奈川にも海はあるが、透き通った綺麗な海というのは、やはり近場ではなく遠出をしてでも行きたいという気持ちにさせてくれる。また、東京オリンピックの種目になったことでより一層注目の集まるサーフィンも、綺麗な海がある美波町ならではの魅力ではないだろうか。既にサテライトオフィスで働く人が休日にサーフィンを楽しんでいる、と話を聞いたが、「サーフィンをするために美波町に行く」というくらい、美波町の海・サーフィンについて広めるべきではないかと感じた。

市原市の場合

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私が市原市で一番魅力を感じたのは、小湊鉄道を利用した「逆開発」である。私はつくられたものと知りながらも、このいかにもな「田舎風景」がとても魅力的に感じた。理由を説明しようとすると難しいのだが、こうしたわかりやすい「田舎」というのは案外実際に目にすることがないので、新鮮に映る。かつて「あたりまえだった風景」も、その当時の風景を知らない世代からみると、刺激的なのである。また都心からも一時間程度で行けるので、「田舎体験」するにはちょうど良い距離である。そこで駅周辺に、美波町にある古民家カフェのような、「田舎」「レトロ」を連想させるスポットを増やすことで、町全体でさらに田舎の世界観を作り出すことができるのではないかと考えた。

さいごに

私はこのプロジェクトに参加する前、田舎の活性化=都会に近づけることだと思っていた。都会のような利便性や娯楽施設の開発で人が集まると考えていたからだ。しかし、それは外部の人間の自己満に過ぎず、その町の魅力を消し去ってしまう恐れもあると感じた。そこで、新しい事業を提案したり、観光面での改善策を考えるのではなく、純粋に町と向き合い、知ることに努めた。だから、あくまでこの記事は、誰かのために向けたものではなく、自分自身の感じたことを残しておくため、という位置づけであるが、もし新しい視点として誰かの材料になれば嬉しい。


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