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早くも引退から戻ってきてしまったロジックの雑記を読む。(Logic - "Theme for the People")

written by @raq_reezy

こんばんは。

引退したの最近じゃなかったっけみたいな感じで、早くも戻ってきて12曲も入ったミックステープを出してしまったロジックを解読していきたいと思います(笑)。

まあラッパーの引退なんてのはそんなものです。

今回の『Bobby Tarantino Ⅲ』は、自身のプレッシャーを語る曲など、過去にロジックが取り扱ったテーマの曲もいろいろと含まれていますが、「Theme for the People」が少し興味深そうだったので、こちらを解読していきたいと思います。

こちらの曲は、雑記チックというか、しっかりとテーマを決めて構成したというよりは、頭に浮かんだことをひたすら書き殴ったような内容になっています。その分、考えていることがダダ漏れになっていたりしておもしろいかなと。

では、読んでいきましょう。フックもなしで、1バースのみの曲です。

今回解読する曲
Logic - "Theme for the People
Produced by 6ix, Logic, PoST & Vig

バース

This a new generation
Switch up the style, I'm regeneratin'
I be talkin' to God when I'm hearin' Satan
I'm Black Mamba, pass like I'm Michael Payton

和訳:
これは新しい世代
スタイルを変えて、俺は生まれ変わる
悪魔の声が聴こえるとき、俺は神と話す
俺はブラックマンバ、マイケル・ペイトンみたいにパスする

【解読】

*ブラックマンバとは、南アフリカの攻撃的な蛇です。おそらく前のラインで「悪魔の声」や「神と話す」というラインが出てきたことから、蛇が出てきたのでしょう。旧約聖書において、蛇はイヴを唆して知恵の実を食べさせた結果、人間と一緒に地上に追放された存在です。

*マイケル・ペイトンはスコットランドのサッカー選手です。

Why you think I made Everybody? It's a statement, a way of life
Black is beautiful but today, in this day and age
A crooked cop will take away your life
Come now, that shit ain't no way of life

和訳:
なんで俺が『Everybody』をつくったと思う?
これはステートメントだ、生き方さ
黒は美しいけれど、最近この時代では汚職警官がお前の命を奪えてしまう
そんなの人生じゃねえだろ

【解読】

*『Everybody』は、ロジックの3作目のアルバムです。人種や宗教観などと無関係に人は誰しも美しいということをコンセプトに作られたアルバムです。

*ロジックは、それぞれの人の心の持ちようとしては「自分がどんな境遇であっても美しいんだ」と思うことが大切だと『Everybody』でも訴えていましたし、その考え自体は変わっていないでしょう。一方で、2020年に巻き起こったブラック・ライヴズ・マター運動の発端ともなったジョージ・フロイドさんの警官による殺害事件など、黒人が警官によって命を奪われる不幸な事件について、抗議の意を示しています。

Know some people make music but I make a statement
And use it when people feel like they gon' lose it, yeah
Why the fuck do you think
Whеn it comes to an album, I'm dropping like two a year?

和訳:
音楽を作ってるやつらも知ってるけど、俺はステートメントを知ってる
そして、みんながそれを失いそうと感じてるときに使うんだ
アルバムに関していうと、なんで俺が2年ごとにドロップしてると思う?

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