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引退作で、音楽業界でのストレスを歌うロジック。(Logic - "Soul Food Ⅱ")

Writer:@raq_reezy

今回は、ロジックの最新アルバムで引退作『No Pressure』から「Soul Food Ⅱ」のPart 1を解読したいと思います。

今回のアルバム『No Pressure』は、ロジックのデビューアルバム『Under Pressure』の続編であり、この曲「Soul Food Ⅱ」は、『Under Pressure』に収録されている"Soul Food"の続編です。

ややテンポが上がっていますが、基本的には同じビートの上でラップをしています。

ということで、さっそく内容を見ていきましょう。


Goddamn, goddamn, conversations with people

Crazy how one day, the legends forget that they equal

On this Under Pressure sequel

【意訳】
なんてことだろう、色んな人と話をする
おかしいよな
ある日、レジェンドたちは、みんなと同じ人間だってことを忘れるんだ

この『Under Pressure』の続編ではね


*『Under Pressure』に収録されている「Soul Food」でロジックは、アイドルだと思っていた人たちと知り合えたことを喜んでいましたが、ヒップホップ業界でしばらく働いたロジックは、自分も含めて、みんな「人間(people)」にすぎないという結論にたどり着いたようです。

*むしろ、みんな平等な人間だということを忘れてしまう、ヒップホップ業界のレジェンドに対しては、疑問符を浮かべています。

We not taking it back, we keepin' it pushing

People scared of change

But you'll find me deep in the cushion

Even when I win, it feel like I'm losing
Listening to beats, in the Bimmer cruisin’

【意訳】
俺たちは元に戻さない、俺たちは前に進めるんだ

みんな変化を恐れてる
だけど、俺は小銭みたいにクッションの奥にいるぜ

俺が勝ったときでさえ、俺は負けてるって気がする

BMWを走らせながら、ビートを聴いてる



*ここでは「Change」がダブルミーニングの言葉遊びになっています。1つめは「みんな変化を恐れている」の「変化」の意味。みんなは変化を前に恐れているけれど、俺はクッションの奥にずっしり座ってリラックスしてるぜということです。2つめは「(お釣りの)小銭」という意味の「Change」。よく小銭はソファのクッションの隙間から奥に入り込んでしまいますよね。

I think I got another hit, I could feel my body bruisin'

What's the conclusion? Or rather, my hypothesis

I'm darker than Gotham is

【意訳】
俺は、またヒットが生まれるなと思う、俺の身体を打たれながら
結論は何?いや、むしろ俺の仮説

俺はゴッサムよりも暗いんだ


*ゴッサムというのは、バットマンやジョーカーが活躍するDCコミックス上の架空の都市です。警察の力が弱く、マフィアが暗躍して街を仕切っているという暗い設定で、そこに悪を叩く悪として、バットマンが登場します。

Like reading Nostradamus at 90 degrees

You better believe

I know how to turn a profit with ease

Diacritical lifestyle, I'm always overseas

Hurricane Bobby in the studio blowing trees

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