言葉がゆりかごで遊ぶ、 アブ・ソウルのワードプレイを堪能する（Ab-Soul - "Dangerookipawaa Freestyle"）

Writer: @vegashokuda

TDE (Top Dawg Entartainment)のアブ・ソウル（Ab-Soul）が2016年12月のアルバム『Do What Thou Wilt』以来となる新曲をリリース！　これは聴くしかない、ということで、つべこべ言わずにリリックを見ていきましょう！

なお、この曲は前半と後半に分かれており、前半は4バース、後半は1バースからなる曲なのですが、以下ではバース数を通算して数えていきます。

1バース目

Soulo hold a prophecy, I got a premonition (Yeah)
I'ma let the beat build and do some demolition (Yeah)
Interrupt your whole style, this an inhibition
Kamikaze everybody, Eminem edition

【意訳】
ソウローは予言する　嫌な予感がするんだ
ビートを積み上げてぶっ壊してやる
お前の全スタイルを邪魔する　これは抑止だ
みんなをカミカゼする　エミネムばりにな

*なにやらただならぬことが起こりそうな雰囲気ですね。

*4行目はエミネム（Eminem）のアルバム『Kamikaze』に由来しています。

2バース目

This the, this the flavor in your ear, and it's brand new (Uh)
Craig Mack been back, bitch, where you? (Where you?)
Started from the bottom like a square root (Yeah)
Then we kept it in the family like an heirloom (Squad)
Wagyu, medium, I'm in rare form
She hit the split, landed on the dick like Air Jordan

【意訳】
これが、これが耳に残るフレイバー　それも真新しい
クレイグ・マックが戻ってきたぜ　ビッチ、どこだ？
平方根みたいに底辺から這い上がってきた
そして俺らはそれを家宝のように大切にした
和牛、ミディアム、俺はレア
彼女は両脚を広げ、エア ジョーダンのようにチンコに着地した

*1行目で"the flavor in your ear"と言ったあと、楽曲「Flava In Ya Ear」で有名な故クレイグ・マック（Craig Mack）の名前を2行目で挙げています。

*3行目の「平方根みたいに」は、平方根（√）の形を踏まえた表現と考えられます。

*5行目のは、自らが和牛のミディアムレア（生）のステーキのようにレアな（珍しい）存在だと言いたいのでしょう。

*6行目は、エア ジョーダンのロゴであるジャンプマンの形を見れば、意図は一目瞭然ですね。

3バース目

Nat Turner with the curly hair (Yeah)
Pullin' strings like John Mayer (Uh-huh)
Probably make a bitch wish come true out the blue (Yeah)
Rub the oil lamp and I'm there, yeah

【意訳】
カーリー・ヘアのナット・ターナー
ジョン・メイヤーのように糸を引く
きっとビッチは突然俺が現れることを願うだろう
オイル・ランプを擦れば俺の参上だ

*"pull strings"には「（糸を引いて）何かを操る」という意味があります。そんな自分を、ストリングス（弦楽器）であるギターを弾くジョン・メイヤー（John Mayer）になぞらえています。

*3、4行目は『アラジンと魔法のランプ』をテーマにした表現ですね。

Monkey see, monkey do, my nigga, ask Abu (Huh?)
I'm on a magic carpet stompin' down Central Avenue (Yeah)
Del Amo Boulevard was all I knew
I sold my dream to Punch and Dude, they turned me to the fuckin' truth (Facts)