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マック・ミラーにとって必要だったもの。(Mac Miller - "Hand Me Downs")

Writer:@raq_reezy

2018年に、コカインとフェンタニルのオーバードーズで若くして亡くなったマック・ミラー

今月は、彼の最新作『Circles』がリリースされましたね。

今回は、マック・ミラーの『Circles』から「Hand Me Downs」を解読します。この曲は、内省的かつピースフルな、マック・ミラーらしい曲になっています。

「Hand Me Downs」は、「お下がりの服」もしくは「中古・貰い物」といった意味の言葉のようです。

それでは、さっそく内容を見ていきましょう。

1バース目(Mac Miller)

I'm thinkin' maybe I should thank you
Oh baby I should buy you another round
'Cause you care, and I swear that I'm here, but I'm there
It's getting harder to hunt me down

【意訳】
俺はきみに感謝するべきかもって考えてる
ああ、ベイビー、俺はきみにもう一杯奢るべきさ
だって、きみは俺のことを気にしてくれるから
俺はここにいるって誓うけれど、俺は違うところにいる
俺を狩るのは難しくなってるでしょ

*マック・ミラーの孤独が伝わってきます。そんなマック・ミラーと一緒にいてくれる、おそらくガールフレンドに対して、マック・ミラーが感謝を歌っています。

*忙しく飛び回っているマック・ミラーの様子も伺えます。

Get away to a place where the lakes such a great view
Leave the bank, couple hunnid thou'
I made it, but I hate once I build it I break it down
Might just break me down

【意訳】
湖が見える素晴らしい景色の場所に逃げよう
数千万円を手にして、銀行を出る
俺は自分の生活をつくりあげたけれど
一度つくってしまうと、それが嫌いになって、壊してしまう
俺自身を壊してしまうかも

*ここでは、一度つくったものを嫌いになって、壊してしまうという、クリエイター肌のマック・ミラーの性格が語られいます。マック・ミラーは、ミックステープやYouTubeにあげた自主制作のミュージックビデオによって、若くして有名になりました。しかし、その後は自分の音楽スタイルや私生活についても、常に悩みを抱えていたように思えます。(それが音楽スタイルを進化させてきたとも言えるかもしれませんが)

*また、ここでは物質的な都会の生活よりも、もっと静かでピースフルな生活を望んでいた様子も伺えます。

プレ・コーラス(Mac Miller)

And all I ever needed was somebody with some reason who can keep me sane
Ever since I can remember I've been keeping it together but I'm feeling strange

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