タイラーの失恋を読む。(Tyler, the Creator - "GONE, GONE / THANK YOU")
Writer:@raq_reezy
タイラー・ザ・クリエイターの新作『IGOR』が発売されました。
こちらのアルバムは、タイラーの失恋がテーマになっているアルバムですが、今回はその別れの後の気持ちを描いた「GONE, GONE / THANK YOU」を解読していきたいと思います。
なお、タイラーは、前作の『Flower Boy』が非常に評判の高いアルバムとなっていますので、もしも聴かれたことがない方がいらっしゃったら、そちらも、ぜひ聴いてみてください。
それでは、解読に入っていきましょう。
パート1:GONE, GONE
1バース目(Tyler, The Creator)
Comparing scars before dinner
Jump off the booth into the mirror
Felt like summer to my December
Was it my August? Shit, I don't remember
(Two, three, go)
【意訳】
ディナーの前に傷跡を比べる
ブースから飛び降りて、ミラーの中を覗き込む
真冬の12月でも夏のように感じた
俺にとっての8月だったのか、くそ、思い出せない
(2、3、行くぜ)
*ここでは、タイラーが恋愛していた間を振り返っています。それは、12月でも真夏に感じるほど、楽しかったようです。
I know my temperature was set
You finally flew south
The bird gon' leave the nest, it's so comedic
At least I had it (Uh) instead of never
Or maybe I'm too dramatic
(Two, three, go)
【意訳】
俺の温度は低かった
お前はついに南に飛び立って行った
鳥は巣を離れる、めっちゃ漫画みたい
少なくとも、俺は一時的には一緒に居ることが出来たんだ
それとも、俺がドラマチックすぎるだけか
(2、3、行くぜ)
*しかし、相手は渡り鳥が南に飛んでいくように、タイラーの元を離れていってしまいました。タイラーにとっては真夏でも、相手は冷たく感じたのかもしれません。相手に対して、うまく感情表現できないタイラーの様子が伝わってきます。
コーラス(CeeLo Green)
Whether it's rain or shine, I know I'm fine for now
My love's gone, my love's gone
My love's gone, oh, gone
(Two, three, go)
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