見出し画像

パラダイス銀河

今日は大当たり倉庫へ行った。

緩い。
倉庫が広くない。涼しい(重要)。
一つのロケには一種類の商品しか入っていない快適さ。
ハンディも使わない紙ピッキング。
コスメかアパレル品ばかりなので軽い。
買い物かごで歩いて取ってきては決まった番号の箱に入れる、これをぐるぐる繰り返すだけ。
空き時間はウロウロと空いたダンボールを探して引っ張ってきてはカッターで開いて片付ける。ダンボールを開くテイで座れるのでラッキー。


比較するのもアレだが
なんとかマラソンやスーパーセールをやる某倉庫では
競歩の速度で歩け、
鯉の餌20kg入り5袋取ってこい、
1時間で〇〇個はピックしろ、
バイト同士で質問や相談するな、
名札の位置は左鎖骨の上で止めろ、
くるぶしの出るスニーカーソックスなど履いてきていないか足元をペア組んで確認し合う、
朝礼で準備運動の声が小さいと「声が小さいとケガします、やり直し!」と言われ

昼礼でも必ず何かしら否定的な事を言われ
終業時倉庫を出る際にもボディチェックを受けついでに「名札の位置が低い!」やら「首のタオルは結ばないで!」などくだらない事で何かしら否定され、
ある日は作業中にメモを置いていたカートを誰かに持って行かれてしまい、落とし物として届いていないか聞くと態度が一変し
「お客様の元へ万が一メモ帳が届いてしまっては困りますので、見つかるまで探していただきます」と終業後40分も誰もいない倉庫でメモ帳を探させられた。見つかったのでよかった。
メモ帳ぐらい…と普通なら思いたい所だが、ここはメモを取らないととにかく怒られる。同じ事を何度も聞けないし冷たい。せっかく書いたメモをなくせば一巻の終わりなのだ。
しかしメモ帳がお客様の元へ届くということは梱包の段階で気づくので起こり得ないのでは…(ばーか)  とは思ってしまった。

とにかく一昔前の体育会系を拗らせた社風だ。しまいに下着やズボンの色まで指定してきそうな勢いだ。
あれもこれも否定され、さだまさしの『亭主関白宣言』かよと思ったり。(あちらはできる範囲でかまわないらしいが)


某有名外資系巨大倉庫は個人主義だがうっすら三途の川が見えるほど生産性にシビアで肉体的にキツい。休憩に巨大な敷地の移動時間も含まれるため労基法など通用しない。その旨も了承したというサインも求められた。(オリエンテーションの時と話ちがうやん)現代の蟹工船である。


①と②を経験していると今回は大当たりすぎた。
パラダイス銀河倉庫は現代にもまだ希少ではあるが存在するらしい。


生産性だのタイパだの、ここ数年で日本がギスギスして個人に求めるスキルが高すぎなのは②のせいだと個人的に思っている。(思想と偏見)

平成はよかった……。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?