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美容師こわい

わたくしカットができない発達障害元理容師。
昔ずっと通っていた一つ歳上の女性美容師さんがやっているサロンで手伝いしない?という誘いに興味本位で応じてしまった。

「カラー剤混ぜたりクロス巻いといてくれたり床はいたりだけでも助かる」

こういう話だったので軽い気持ちで行ってみた。
自分は美容師のノリが苦手で理容の道を選んだのを忘れていた。

『オシャレ、カワイイ、ワクワク』をこの女性美容師(オーナー)さんはコンセプトとしていて
意識低い系の自分は一緒に働かせてもらっているうちに本当に苦手になってしまった。

カラー剤混ぜるのも理容とは勝手が全く異なり、「〇〇と〇〇3%の4:1で ウンタラカンタラ」
と言われても訳が分からない。まして算数障害なのでパニックに。
通っている時は知らなかったが、裏がめちゃくちゃ汚い。ごちゃごちゃ物が散乱していてどこに何があるのか目が散らかる。
私は自分の荷物を地べたに置いていた。
オシャレカワイイキラキラワクワクの裏側。

そしてこの人は『ど根性』タイプで昼飯も食べず水すら飲んでいるのを見たことがない。
別に多くを求められてるわけではなかったが、あまりの役立たずぶりに「全然簡単なこと^_^」という何気ない一言も辛くなった。

そしてもう1人のスタイリストさん
もこのオーナーの専門学校時代からの友達ということで、
この空気感が一番キツかった。

朝は1時間前ぐらいに来て2人で髪の毛を巻きながら客の悪口を語り合っている。
「〇〇さん最近全然シャンプー買えへんやん、バッサバサやのにな」
「〇〇さん男闘呼組復活ライブ行くからお金絞っててちょっとサイクル伸びてるなぁ…男闘呼組なんかオッサンやん〜(爆笑)」
「あの人マクド寄ってから来るからいっつも臭いよな」
「あれ細客」(来店サイクル2ヶ月以上全員)

こんなノリの中同じようにセット台に座ってくつろぐ勇気もなくポツンと佇んでいた。
「座ってゆっくりしててね^_^☆」と言ってくれるも、女子校のようなノリが怖くて遠慮していた。

スタイリストが帰った後や公休日はオーナーと2人きりになる。
すごい笑顔で盛り上がって接客していて、その客が帰ったあと
「見た?あの人眉毛なくてめっちゃ怖かった(笑)」
「あの人ノーブラ。パーカーやけどバレてるって(笑)」
「すごい臭くなかった?」

など言ってこられるのも困った。
この人の明るいサバサバした所と拙い注文でも汲み取ってくれる所が好きで10年ほど通っていたが、思ってたんと違った。

働く私にもみんなにも幸せになってもらいたい、というワクワクハラスメントで冬なのに異様な発汗が止まらなくなった。

ある日は電気工事の男性が裏の設備を点検に来たのだが、施術中の無防備な女性客を守ろうとする趣旨は分かるが私に
「さっさとやってさっさと帰ってくれるように言ってくれる?あんまり居てもらったら困るから」
と言われて困った。
電気工事の人だって必要だから来てくれてるのにそんな偉そうな事言えない。

努力根性の末に成り立っているキレイキラキラのオーナーの裏側を見た。
怖くて飛んだ。
気軽に足を踏み入れて申し訳ございませんでした…何なら顧客時代も細客で臭かったかもしれない…来店サイクルも長かったし店販も買ってなかった貧乏客でごめんなさい。
色々良くしていただいたのにすみません……

元々美容室が苦手だったが、これでますます苦手になってしまいしばらくプラージュやカット専門店で済ませるようになった。
私にはこっちの方が性に合っている。
住む世界が違ったのだ。


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