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(解説&レビュー) Luv 4 Rent - Smino (J Coleも認めた)

割引あり

こんにちは!ラップ先生だ。
今回は、スミノのrent 4 luvを解説&レビューする。

スミノは誰?

現役最高ラッパーの一人であるJ Coleから「一番のリリシスト」と言われたラッパー、スミノは、本名クリストファースミスジュニアで1991年にアメリカ中西の州ミズーリ州で生まれた。

ミズーリ州の地理

両親が音楽家の家庭で生まれ、小さい時から音楽に触れてきた。
ラップをすることに興味を持ったスミノはラッパーとしてのキャリアを大きくするためにシカゴに拠点を移動する。
シカゴはジャズやブルースなどソウルフルなサウンドが特徴だ。
初期のカニエやコモンなどがそれに当てはまる。

The College Dropoutもソウルフルなアルバムだ

スミノもシカゴの多様な音楽に触れたため、様々な音楽ジャンルミックスし、リリカルにラップすることで業界で地位を獲得した。

アルバム解説

今作もスミノらしいソウルフルなサウンドに、「愛」「成功」についてラップする。

アルバムの初めにスミノは道を踏みはずさないようにと忠告を受ける。
スミノは自分のゴールに向かって行動していると言う。そのゴールは「未来のために行動すること」と「一人の女性と共にすること」。
ビヨンセとJay Zを引き合いに出すなど信念の固さを強調する。彼らは結婚してから16年だ。
しかし、スミノも人間だ。「一人の女性と共にすること」がゴールだが、他の女性に目移りしてしまう。
4曲目の後半にこのようにラップする。

Still boxin' all my demons (Different)
Bounced it, go on 'head so we can dabble this
そんな悪魔たちとまだ戦っている。(俺は違う)
跳ね返せ、俺たちは対抗できる。

4曲目 Pro Freakより

スミノはゴールを達成することに努力するが、新たな誘惑が忍び寄る。
ドラックだ

this kush I'm smoking got me thinking, thought-provoking, doing something to my lungs?
このドラックが俺を考えさせる。思考深くさせてくれる。俺の肺に何かやったのか。

6曲目のLouphoriaより

ドラックで気が大きくなったのか7曲目のBlu Bilyで「成功」を語る。

Capitalistic, read through the lipstick
Shit that they make up make us forget shit
口紅からわかる資本主義の構造。
大切なことをメイクアップして忘れさせてしまう

7曲目のBlu Billyより

「成功」の後に「愛」をラップする
8曲目のMatineeでは出会いを9曲目のModennaminutemでは別れをラップする

if it's cold, I Moncler her, make no error
I'm the gold, I'm the treasure, I'm a rare bird, oh
寒ければ、彼女にコートをかける。完璧だ。
俺みたいなやつはどこにもいない。

8曲目のMatineeより

You actin' different (Swear), I'm really tired of the theatre (Oh)
I'm gettin' tired of L.A.
君はよそよそしくなったね その不自然さに疲れたよ
LAにいるのも疲れたよ
(スミノはLAにいることが成功したことに感じていた)

9曲目のModennaminutem

「愛」に疲れてしまったスミノだが、リスナーに対して、誰も自分のことに気にしていない。好きにはならない。などのネガティブな感情を払拭するようにと語る。それはなぜか。誰が一人でも自分のことを見てくれているからだ。スミノにとってそれはおじさんだった。おじさんは、スミノがキャリアを始めてからずっとファンでいてくれた。

そんな環境に感謝を忘れないスミノ。
今の自分があるのは過去の偶然が重なったと過去を回想し、未来の世代にために行動することを目標にする。

新たな目標を見つけたスミノは大切なことはセルフラブだと気づく。

I get my fruit from the source
My answers from the master who guides my spirit
I get my fruit from the source
Answers from the masters Who guides all my ways
I been on my way
I been on my way, love
俺は自分から愛を手に入れた。
俺の志を導いてくれた

14曲目のCurtainsより

自分が愛することの大切に気づいたスミノ。再び「愛」について考えるスミノ。
彼の欲しい愛は一途でずっと一緒に居れる関係だ。彼はそれはずっと近くにあることに気づく。その答えは祖母と祖父だ。最後の曲名は彼らの名前が使われている。

スミノにとって、「成功」は、金銭的のベクトルだけではなく「愛」を見つけることや精神的も「成功」することが大切だとこのアルバムを通して表現し続けた。

スミノが彼のロールモデル(祖父母)のような「成功」を掴むことが楽しみだ。

レビュー 6点/10点満点

この時代にあえてソウルフルなサウンドを追求することは評価できるし、ラップのスキルもJコールからお墨付きをもらうぐらい良い。しかし、アルバムの通して映画のサウンドトラックのような曲が多く、盛り上がりの欠けたアルバムになっている。また、リリカルすぎるのが逆に仇になり内容にシンプルさが若干欠けている。また、落ち着いた雰囲気の曲が多いので、眠たくなってしまう。
ライトに聞くよりもしっかり椅子に座って聞くようなスタイルになってしまうことがマイナスになってしまうと感じた。

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