テクノロジーとアナログのあいだ

書評というよりも、本のキーワードを書き留めたものです。


■現代社会は、技術こそ進歩したが、かといって現実世界を写し取ることに成功したわけではない。実際の世界は複雑かつ矛盾だらけである。想定外の不確実性に対処しようとする柔軟性や新たな思想が必要

■技術の進歩だけが本当に「価値」なのか
技術で「解決できること」だけを考えていくのではなく、「解決できないこと」との間を考えていく必要があるのではないか。

■技術が到達しえない部分こそに着目を
デジタルでは復元(数値化)できない、人間が感覚でしか感知しえない感覚情報や、人間が感知できない微細な情報やこういったものは今まで見過ごされていたが、このデジタルとアナログのあいだを改めて問い直す必要があるようだ。

■AIの限界、シンギュラリティはやってくるのか。
AIは「過去のデータ」から学習するため、前提条件をはるかに超える想定外には役立たない。また、人間のような感性や暗黙知を持ち合わせていないため、それらをAIにデータとして与える技術はまだ見出されていない。人工知能と言われながらも、「学習」はできていても「Think」はできないままだ。将来的に人間の頭脳を超えることが起きても、感性や暗黙知を持ち合わせる人間を超えるシンギュラリティはやってこないのではないか。

AIによって全てがコントロールされ、人間を超越しうる存在となれば今ある多様性が覆される危険をはらむ。現在の方向性は、あらゆるデータが特定のグローバル企業に集約されておりこれらを活用することで巧妙に人間の思考や行動、コミュニケーションを掌握されうる状態となっている。

技術が進化した未来、個人から自由を奪われる未来を、人類は望むのか。
個人の多様な価値観を尊重していく「パーソナライゼーション」や「新たな秩序や統制の仕組み」については今から考えねばならぬことなのである。

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